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私だからできることを探して(企画メシ6-1)

コピーライターの阿部広太郎さんが主宰する連続講座「企画でメシを食っていく2021」(通称 企画メシ)。第6回は、「食べチョク」を運営する
株式会社ビビッドガーデン代表の秋元里奈さんを迎えての「食の企画」。秋元さんのお話に、自分の経験を振り返りながらメモを取った。

不安を言葉にしてみる

 実は「リスクを取らない安定思考」だという秋元さん。リスクと思っていることは、言語化できていないことが多い。起業を考えた時、こうなったらこうしよう、というリスクのパターンを出していくと、今やらないことの方がリスクになったと話してくれた。

 「現状維持バイアス」があり、人は変化を恐れるが、同じことを繰り返していることの方がリスクになる。細かく言語化して整理すると、起業した方がリスクが少ないと気づいたそうだ。

 私自身、振り返ると何度か今を変えるきっかけがあった。思い切って踏み出してチャンスを掴んだこともあれば、変化を恐れ、現状に留まることを選んだ経験もある。リスクを言語化する。これは、仕事、プライベート、企画、さまざまな場面で生かせる方法だと思う。

 阿部さんの本『それ、勝手な決めつけかもよ?』の中でも、「自分の不安に目を向けることで、逆に安心する、という不思議」という話がある。自分の心に目を向けて言葉にする。頭の中だけで考えるのではなく、書き出してみるのもいいと思う。そうすればもっと客観的に不安やリスクに向き合えそうだ。

ロジックとパッション

 印象に残ったのは、秋元さんのバランス感覚と冷静な視点だ。情報を集め、人の意見を聞いた上で、最後は自分でジャッジする。阿部さんは「他者の意見、ロジックを大事にしつつ、最後はパッション、自分の強い思いで決めている」と表現した。

 秋元さんは自分の苦手なことや思考の傾向、自分のモチベーションが上がることを把握して、冷静に向き合っている。人前で話すのが苦手だけれど、必要だから練習して慣れていく、など、意識して対処する。自分の得意と苦手を把握し、自分自身を理解するというのは大事なことだ。

 考えてみると、私は長年、自分を持て余してきたところがある。誰しも考え方のクセがあると思うのだが、我ながらめんどくさい、と思うことが多々ある。自分のことだからこそ目をつぶりたくなるけれど、自分を理解するともっといろんなことがスムーズに回りそうだ。

誰かを目指していた私

 秋元さんは「自分がいたからこそ貢献できること、それが自分にとって何か悩んでいて出会えたのが農業だった」と話す。自分よりももっとできる人がいるならば、モチベーションが湧かない。なぜ今自分がこれをやるのかを考えているという。

 私は今まで何か企画を立てようとしても形にならなかったり、続かなかったりしたことがあった。また、たとえば災害が起きた時など、何かしたいと思っても役に立てずに無力感にとらわれることもあった。

 もっとできる人がいるならば、その応援をすればいいんだと、ふと思った。できる人の真似をして力不足を嘆くのではなく、自分だからできることを見つけたい。もし見つからないときは、できる人の支える側に回って力を発揮したっていい。以前、ある起業家の方が「誰かの夢を応援してもいい」と話されていたことを思い出した。

 ああ、また、私は自分ではない誰かになろうとしていたんだなと気づいた。自分よりももっとできる人がいることをやろうとして、やれなくて、落ち込んでしまう。

 阿部さんの本『心をつかむ超言葉術』で、お守りのように大切にしている言葉を思い出す。

 何者かになりたい、と人は口々に語りたがる。けれど、なれない。なる必要もない。
 本当に納得できる人生を送るためにも、自分で問い、自分の答えを言葉にしよう。
 あなたはあなたになっていく。

 私は、もっと私になっていこう。企画メシももう残りわずか。少しずつ、少しずつ。

 今回の「食の企画」の事前課題は、「農業(漁業)を志す人が増えるために食べチョクができることを企画してください」というもの。いちご農家のSさんの協力で「生産者さんのお話を聞く」企画をやってみた。その体験をまとめたnoteはこちら。職業としての農業について知らなかったことばかりで、面白くて新鮮だった。Sさんに感謝しながら、いちご出荷のお知らせを楽しみに待っている。


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