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人生全体で設計するワークライフバランス

仕事は楽しい。子どもも欲しい。でも、仕事と子育ては両立するのか。そんなモヤモヤで一歩踏み出せずにいたときに、薄井シンシアさんの話をオンラインで聞く機会に恵まれました。

シンシアさんは、専業主婦を経て子育てが落ち着いた40代後半で仕事の世界に戻り、高級ホテルのディレクターなどを経て現在は日本コカ・コーラで東京オリンピックホスピタリティの責任者を務めている方です。

そんなシンシアさんに私のモヤモヤを伝えてみたら、こんな趣旨の答えが返ってきました。

可能性ばかりを見ているからモヤモヤするのであって、決断をするときは可能性だけでなく限界も見るべき。
可能性は可能性のままいつまでも持っていてもゴミになってしまう。決断は可能性を切るということ
決断は期限を決めて早くしてしまって、一度決めたら振り返らない。モヤモヤが湧いてくることもあるけど、そういうときはモヤモヤをシャットダウンしてきた。
(専業主婦をじっくりやってから仕事に復帰して十分通用しているという経験から思うのは)1日1日をしっかり丁寧に生きても十分に時間はある。焦って欲張って生きる必要はない。仕事はいつでもできるけど、子育てはあのときしかできなかったと今でも思ってる。
メディアがフォーカスする「成功している女性像」がワンパターンすぎる。人生100年時代、仕事と家庭を両立することだけが本当にオプションなの?本当にあれもこれも同時にやる必要があるの?


20代、30代の子育てが大変なときに無理してワークライフバランスを実現するのではなく、女性活躍が必要なら子育てから卒業した40代、50代の女性にもっと活躍してもらえばいいじゃない。
「ライフワークバランスは人生のスパンで捉えればよい」それがシンシアさんのメッセージでした。

全然考えてない方向からのメッセージを受け取り、どれだけ、人生は多様だと感じ入り、視野が開けた思いがしたことか。
このタイミングでお話しする機会に恵まれたことに感謝します。

この話を聞いたときに、もう一つ頭をよぎる言葉がありました。学生時代から尊敬していた緒方貞子さんの記事。

上智大で教べんをとっていたころ、女子学生からしばしば女性が社会進出する不利をどう克服するか、と聞かれた。答えは「女性と男性はサイクルが違うだけ」。確かに女性は社会のキャリアを重ねるうえではハンディがあるかもしれない。だが「男性と同じサイクルを歩まなくても出産し、子育てするのも幸せであり、喜びです」。
難民保護「最後は一瞬の勘」 緒方さん、貫いた現場主義:日本経済新聞

彼女も、「ライフワークバランスを人生スパンで捉える」先駆者だったのかもしれません。

最後に、ここまで思いを巡らせたことで、深みが増した『Lean In』の言葉も紹介します。

"counter-intuitively, long-term success at work often depends on not trying to meet every demand placed on us. the best way to make room for both life and career is to make choices deliberately - to set limits and stick to them." Lean In
(訳)直感に反して、仕事における長期的な成功というのは、いかに全ての要求に応えないかにかかっている。人生にもキャリアにも余白を作るには、意識的に決断を下すことが大事だ。つまり、限界を設定して、それを守るということである。
"success is making the best choices we can, and accepting them" Lean In
(訳)成功とは自分たちのできるベストな決断を下すことであり、それを受け入れることである。

<関連文献>

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