安納芋と小豆のアイス最中
先日友人とご飯を食べました。
デザートのタイミングになって、メニューを見ていた私の目に飛び込んできたのは、他でもない「安納芋と小豆のアイス最中」でした。
名前からしてとても美味しそう。
でも一つだけどうしても気になることがある。
これは、「安納芋」と「小豆のアイス」の最中なのか。
「安納芋と小豆のアイス」の最中なのか。
はたまた「安納芋」と「小豆」と「バニラアイス最中」なのか、一体どれなのだろう。
メニューに写真は載っていないし、どんな様子で運ばれてくるのかもわからない。
別になんだっていいじゃんって話ではあるのですが、その時の私はやけに気になってしまい、店員さんに尋ねたのです。
「すみませんちょっと質問なんですけど、これは「安納芋」と「小豆のアイス」最中ですか?」
店員さんはポカンとしています。
「もしくは「安納芋と小豆のアイス」最中!?」
やっぱりポカンとしています。
「えええっとなんて言ったらいいのかな、「安納芋」と「小豆」と「アイス最中」ですかね!?なんていうか、どんな感じの…」
その間店員さんは何も答えません。
というか、私の質問の意図がわからない、つまり私が何を言っているのかわからないといった様子で「あ、えっと」みたいなことを繰り返していました。
すると一緒にいた友人が私に向かって言いました。
「もういいよ、怖いよ!!」
そして店員さんに「すみません」と謝ったのです。
怖い?そうか、今のは怖かったのか。
確かに店員さんも戸惑っている様子ではあったけれど…
私としては、もちろん怒っているとかイライラしているとかそういうつもりは全くなく、純粋にただただ「安納芋と小豆のアイス最中」がどんなスタイルのデザートなのかを教えてほしくて質問を繰り返していただけだったのですが、友人曰く「店員さんに詰め寄っている」みたいだったと言うのです。
言われてみれば、私は昔から自分にとっては何気ない行動によって、周りから「きっと怒っているのだろう」と判断されてしまったり、悪意ある行動として受け取られてしまったりすることが度々ありました。
他の人が感情が高まった時にしか見せないような言動を、私は「ちょっと気になったから」みたいな軽い理由で簡単に選び取ってしまうようなところがあるのです。
そしてちょっとだけ、他の人よりも細かいことが気になってしまう。
今回もただ「安納芋と小豆のアイス最中」がどんな食べ物なのかが気になったという理由だけで、明らかに店員さんに意図が伝わっていないとわかっていながらも、3回も質問を試みてしまった。
しかも真剣な様子で。
私のそんな部分を人は「怖い」と言うのだなと、初めて実感を持って理解することができたように思います。
結局、私はよくわからないまま「安納芋と小豆のアイス最中」を注文しました。
しばらくして運ばれてきたのは、「安納芋のペースト」と「あんこ」と「バニラアイス」が一つの最中の皮の上に乗っていて、その横に蓋となるもう一個の最中の皮が添えられているデザートでした。
「なるほど、そうきたか」と思いましたが、それでもやっぱりとても美味しかったです。
どうでもいいことを「どうでもいい」と思えずに行動を起こしてしまうのは、誰かにとっては「怖い」部分ではあるけれど、他の誰かにとっては「おもしろい」と思える部分でもあるということも、私は知っています。
ただ、自分の中に浮かんできた疑問に夢中になると、どうしても前のめりになってしまうようなところがあるので、気をつけなければならないなと思いました。
きっと今後も気になったことを気になったまま放ってはおけないと思うので、なんというか…次からはできるだけ陽気な感じで質問してみようと思います。
「これってどんな感じのデザートなんですか〜?♪」みたいなことでしょうか。
できるかな…いーや、できる!
おそらく今の私はもう、「安納芋と小豆のアイス最中」という名前が目に飛び込んできても、誰も怖がらせることなく、どんなデザートなのかの情報をスムーズに手に入れることができるだろうと思います。
というか、必ずや手に入れて見せます。
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