日本語訛りの英語を話すのはダサいのか
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「外国語が上手」という定義には色々あるけれど、日本では特に、発音がいかにネイティブに近いか、という部分に重きが置かれている気がする。
いくら語彙力があっても、文法ミスがゼロでも、やはり日本語訛りの英語だと、「わー英語上手!!」とはなりづらい。
youtubeで国際的な場で英語のスピーチする日本人のビデオがあった。
コメント欄を見ると、内容ではなく、発音を指摘して「この人の英語はイマイチ」なんて評価を下しているものも。
日本語訛りの英語というのはそんなにダサいのだろうか。
訛りは個性
フランス留学時代、スペイン人のクラスメートがいた。
彼の英語とフランス語は聞くだけで、「あ、スペイン語圏の人だろうな」と誰もが分かるようなスペイン語訛りがあった。
スペイン人はお喋り好きで有名だが、彼も例に漏れず、外国語でもお構いなしにマシンガントークを繰り広げた。訛りはあるけれど、皆ちゃんと理解できるし、何より話が面白いので彼はクラスのムードメーカーだった。
もし彼がネイティブばりの完璧な発音を身につけていたら、もちろんそれは素晴らしいことだけれど、彼のスペイン語訛りは彼のユニークなキャラクターの一部だった。それが損なわれてしまうのは、逆にちょっと残念だったかもしれない。
日本語だって地方によって方言があるわけで、皆が皆アナウンサーのような完璧な標準日本語を話せるわけではない。
むしろ方言があるからこそ、ことばの個性があって楽しい。
英語の多様性
日本語は日本でしか話されないためか、一種の占有意識があるように感じる。日本=日本語という図式が成り立つから。
英語に関しては、イギリス英語にアメリカ英語、オーストラリア英語など同じ英語圏でもそれぞれの国に訛りがある。さらにインドやフィリピンなどローカルの言葉に加えて、英語を公用語とする国もある。
また、国際公用語としての地位を確立している英語は、非英語圏話者同士のコミュニケーションでも頻繁に話される。
英語は特にさまざまな国と文化圏と繋がりのある言語だからこそ、広く多様性を認めていくべき言語なんだと思う。
外国人の日本語
外国語だとやたら気になってしまう発音だが、では日本語を話す外国人はどうだろう。
もちろん日本人ばりに完璧な発音とイントネーションで話す外国人もいるが、大多数の外国人日本語話者は程度の差はあれど、日本語ネイティブの我々からすると訛りがあるように感じると思う。
訛りがあったとしても、会話がちゃんと成り立つなら、「すごい!日本語ペラペラ!」と称賛の的になるはず。
だったら、英語だってちゃんと話せているなら、少しくらい訛りがあっても評価されるべきじゃないだろうか。というか英語ネイティブはそこまで気にしてない。
伝える能力の大切さ
言語はコミュニケーションのためのツールである。
発音をネイティブに近づけることはもちろん外国語学習において、大切なことだ。せっかく知識があっても、間違った発音のせいで相手に伝わらないのはもったいない。
一方で発音にこだわりすぎて、話すこと自体に恥じらいを感じたり、ましてや「あの人発音下手だよね」と相手をジャッジしてしまうのは極めてナンセンスだと思う。
日本語訛りだっていいじゃない。ちゃんと伝われば。
ひとつの個性になり得る。
結局のところ、英語をはじめとする外国語を話すときに、なにより大切なのは、自分の意見を相手に伝えようとする姿勢、そして相手を理解するためにちゃんと耳を傾ける姿勢だと思う。
それができていなければ、いくら発音がネイティブに近くても「ダサい」英語に陥ってしまう。
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