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【読書】走る道化、浮かぶ日常【ピン芸人九月さん】

前書きで笑いを堪えられなかった本と出会った経験はありますか?

わたしのそんな貴重な読書体験となったエッセイ「走る道化、浮かぶ日常」72時間ライブ1000本以上にも及ぶYouTubeへの動画投稿などで噂のピン芸人である著者「九月」さんについて、一ファンの立場からご紹介させていただきたいと思います。



九月さんのプロフィール

☑旧twitter(X)にて時々バズる
72時間にも及ぶ長時間ライブ
☑このたび初著作「走る道化、浮かぶ日常」を発売


九月さんは青森県出身京大卒ピン芸人
時折核心を突いたSNSがバズっている事務所無所属のコント師で、全国各地でライブを行っています。

特色は何と言ってもライブの形態。
ライブの公演時間は短くて60分、長くて72時間にも及びます。

イタコを思わせる憑依型の芸風も相まって、著作でもご自身を「だいぶ不思議」「やや妖怪」と評されています。


どんな本なの?

☑九月さん独特の世界観に惹き込まれる
☑「言われてみればそう/そうとも言い切れないだろ」この中間くらい
☑愛嬌たっぷりの揚げ足取り

九月さんのコントは、老若男女を自在に演じて独自の世界観へ観客を没入させてくれる魅力がありますが、今作のエッセイでは更に読者を惹き込んでくれる、不思議な引力が働いているように感じました。

その魅力の一因として、帯にも抜粋されている「言われてみればそう/そうとも言い切れない」この中間くらいを狙った、絶妙な突っ込みのチョイスが九月さん独特の面白みに繋がるのではないかと思います。

「不毛さをキープし、揚げ足をとる自分の馬鹿馬鹿しさを自覚し、程よく間違うことを許容することによってのみ、揚げ足を取ることが楽しさへ繋がる」

「万物の揚げ足を取りたい」より抜粋

九月さんは、明文化されていない問題の言語化に非常に長けておられます。
しかし、揚げ足を取ることで一方的に相手を言い負かすのではなく、むしろ突っ込みを無意味さを共有する歩み寄りのコミュニケーションにされているのです。
この辺に愛嬌たっぷりなお人柄が現れているようで、末席のファンとして勝手ながら嬉しく感じました。


終わりに

最後に、何と言っても面白いです。
面白すぎる。問題を提起した直後の、短い突っ込みは一々的確で面白いし、何なら前書きの時点で全力の「九月さん」です。

余談ですが、わたしは通販で届いた著作を持参し、勇み足で喫茶店のカウンターで著作を読もうとしました。
けれども、前書きから既に面白すぎて真顔を保てず、泣く泣く自宅へ持ち帰って読み切りました。本当に面白いです。出来れば沢山の方の目に留まって欲しい。

ご自宅など人目のない場所、もしくは真顔を保てずとも許容してもらえる方とご一緒の環境をおすすめいたします!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

著作「走る道化、浮かぶ日常」の通販ページ

https://amzn.asia/d/bsHmGmJ

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