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社会人が今学ぶべきリベラルアーツ

先日、人事部長のご厚意でとある講義を受けてきました。

慶應義塾大学の丸の内シティキャンパス(社会人向けの講義を集めた専門キャンパス)で開かれている*夕学五十講という講義の中の1つでした。

90分のオープン講義にしてはそこそこの値段がする講義ということもあってか、受講者は40代以上が中心という印象でした。しかし内容はとても魅力的で、むしろこれからの時間がある20代の今だからこそ知っておきたい内容と思ったので、今週のnoteではその学びのシェアをしておきたいと思います。もとの講義タイトルは経営人材が今学ぶべきリベラルアーツだったのですが、その意味も込めて社会人が学ぶべき、としてみました。

リベラルアーツとは

「学士課程において、人文科学・社会科学・自然科学の基礎分野 (disciplines) を横断的に教育する科目群・教育プログラム」に与えられた名称である。【Wikipediaより引用】

私が大学に通っていたのはそう遠くない2012年〜2016年だったのですが、この世代にとって「リベラルアーツ」という言葉自体は大学でも使われていた言葉ではあり、そこまで遠いものと感じていませんでした。
ただ、受講早々に「みなさんは馴染みがないかもしれませんが」という話からスタートしたこともあり、リベラルアーツという言葉・概念自体が最近になって改めて重要視された言葉ということを認識しました。プログラムとしては昔から変わらずあったものの、最近になって「リベラルアーツ」という言葉で認知が広まった、という状況のようでした。

ではなぜ、今こそリベラルアーツが必要なのか。高橋先生はキャリアにおいての自立にリベラルアーツが欠かせないとおっしゃっていました。
少し意訳して先に先に述べてしまうと、リベラルアーツは持論、すなわち自分独自の意見や考えを持つための学習であるというわけです。

なぜリベラルアーツが必要なのか。講義の中では4つの目線で取り上げていました。

1. グローバル社会における社交で必要性が増しているから?
2. 勉強オタクが生涯の趣味にしたいから?
3. 変化の激しい時代に一流のビジネスパーソンにとって、
  基本的で広範な能力を身につけるため?
4. 物事の本質を理解し普遍性の高い発想の引き出しを増やすことで、
  自身の世界観形成につなげていくため?

リベラルアーツの4つの側面

この講義では、上の目線に伴って「ワイン」を例にリベラルアーツの4つの側面について解説が有りました。

1. 社交のための教養としてのリベラルアーツ
昔のように国内で、自分の会社だけでキャリアが完結していたならば良いものの、今は世界中でグローバルな社交が求められている時代です。この時代において、社交に欠かせないのが「教養」としてのリベラルアーツ。
ワインの例で言えば、産地はどこだ‥特徴は‥など、コミュニケーションの糸口になる知識を蓄えておくことがリベラルアーツの1つ目の側面です。

2. 生涯の趣味としてのリベラルアーツ
これは例1からの派生とも言えますが、そこから更に熱意が増していわゆる「オタク」と転じたリベラルアーツの例です。産地や特徴だけでなく、そこから世界中のワインを収集したりだとか、ソムリエを始めとする各種難関資格を取ったりだとか、ワイン好きが集まるイベントに通ったりだとか。生涯の趣味として、自己満足のための学習がリベラルアーツの2つ目の側面です。

3. 能力向上のためのリベラルアーツ
ここからがよりキャリア自立に近づくエッセンスとしての側面になります。ワインを例で取り上げていた3つ目の側面としては、テイスティング能力を向上させるためのアクションとしてのリベラルアーツでした。鼻から嗅ぐ香りと、嚥下したあとの上がってくる香りは違うとか、嗅覚だけではなくて視覚‥つまり色から味を予想するだとか、総合的な知識だとか。能力を高めていくためには複合的な知識や経験が必要で、それらをまとめてリベラルアーツとも呼べるとのことでした。

4. 自身の価値観を形成するためのリベラルアーツ
さて本題です。上記の3ステップにも現れていますが、リベラルアーツにおいて大切なことに「追究」がありそうです。何かを極めること、これが価値観形成の要だと高橋先生はおっしゃっていました。最後の側面をどんな風にワインの例で上げていたかというと、ワイン界におけるWESTの試験においては、正解・不正解を問う当て物ではなく、ワインに関する総合的な知識の引き出しと、その統合による持論形成力が問われている、という話でした。
国際的なジャッジでは、○×よりも、あなたがこれまでの知識や経験からどのように目の前の事象を考えているか?が要点ということです。そしてこれはワインの話だけでなく、様々な事象に通ずる大切なエッセンスで、だからこそ今、社会人が学ぶべきはリベラルアーツなのだというお話でした。

どうやって持論を高めていくか

オチとしては、高橋先生が開いているよりアドバンスドなセミナーへの導線だったのでここでは学びきれないというものだったのですが笑

曰く、

とにかく本を読み、そこから自分の考えをアウトプットし続ける。
そして読むべき本は、ファクトについて書かれた本に限る。
持論は誰かから借りるものではなく、自分で作るもの。

こうおっしゃっていました。
そして本を読み、6つの世界観を鍛えて行くことを進められています。リストは最後の章にまとめたいと思いますが、どれも読み応えのありそうなものばかりでした。その際大切なのが、やはりファクトが重視された本であること。著者の解釈が極力少ないところから、自分でしっかり知識を纏い、持論を形成していくことが、社会人に求められているリベラルアーツの真髄ということを学べた講義でした。

おすすめ書籍リスト

以下は6つのカテゴリに分けて記載しておりますが、その順番どおり(世界観→日本観→(日本の)組織観→人間観→社会観→経営観)でインプットしていくことがおすすめとのことでした。
そして必ず、読んだら自分のアウトプットを作り、議論を誰かとすることが大切らしいです。議論を通じて自分の価値観が出来上がっていくとのこと。
以下、普通に自分で生きていたら少なくとも20代には手に取ることのなさそうだった本ばかりです‥時間をかけて読み進め、noteを通じてアウトプットをしていけたら良いと思っています。どなたかぜひ一緒にやってみませんか!

1. グローバル観形成のための推薦図書

2. 日本観形成のための推薦図書

3. 組織観形成のための推薦図書

4. 人間観形成のための推薦図書

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5. 社会観形成のための推薦図書

6. 経営観を形成するおすすめ書籍リスト


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