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形(かた)の稽古の面白さ

 初心者の方やブランクがある方が、乱取り(実戦練習)で投げたり、投げられたりするのは簡単ではありません。無理な技のかけ方をしたり、受身がタイミング良くとれないと怪我にもつながります。そこで、咲柔館の中高生・大人クラスでは良い技と受身をしっかりと身につけるために、「形(かた)」の稽古を取り入れています。


 形とは、柔道の代表的な技を体系的にまとめた伝統的な練習法です。取(とり:投げる側)と受(うけ:投げられる側)に分かれ、決められた手順で攻防を行います。一連の攻防を反復練習することで、取は技の合理的なかけ方を頭だけでなく、体で理解することができ、受は受身の上達につながります。
 形は乱取りと違って、お互いの動きが決まっている分、一見簡単に思えるかもしれません。しかし、取と受が息を合わせて正確に動くことは、想像以上に難しいです。2人の呼吸が合わないと、技は上手くかかりません。そこが形の奥深さ、面白さです。


 今月は「浮落(うきおとし)」「支釣込足(ささえつりこみあし)」という技を練習しています。まずは、組み合わずに取、受それぞれの動きの確認からスタートです。ある程度動けるようになったら、次は組み合って技をかけてみます。やはり相手がいると緊張するものです。左右逆の動きをしてしまったり、タイミングがずれたりと、うまくいかない場面が沢山出てきます。しかし、そういったことこそが大きな学びです。どうしたらうまい技、安全な技がかけられるのかを考えるきっかけになります。
 何度も練習を繰り返すことで、少しずつ動きが体に入っていくものです。1つの技を1ヶ月位稽古すると、考えなくても自然に動けるようになります。お互いの息がぴったりと合い、技がきれいにきまると、とても気持ちがよいですよ。

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 柔道では「形は文法、乱取りは作文」という関係に例えられます。形で技の原理原則を理解する。そして、理解したことを他の技にも応用し、乱取りで使ってみる。この一連の稽古を繰り返すことで、力だけに頼らない良い技が身につき、潔い受身も習慣化されます。
 今後、昇級・昇段審査を受ける予定の塾生様もいらっしゃいます。審査の際に、自信を持って美しい形ができるようになるためにも、こつこつと稽古を続けていきたいと思います。形ができるとすごくかっこいいですよ。みんなで形の稽古を楽しみましょう。


「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館




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