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東京マラソン2021への道 224/224

東京マラソン2021の出場が決まって、リディアード式マラソントレーニングで練習してきた市民ランナーの日々のトレーニング記録224日目、完結編。

スタート前

前日からスタート地点付近のホテルに宿泊して迎えた「東京マラソン2021」当日。昨夜はゴール地点付近にあるランニングステーションのロッカーに着替えを置きに行くついでにゴール付近の設営状況を確認したり、

レース前日 ゴール前の時計を調整するスタッフたち

スタート地点付近のホテルにチェックインしたら、たまたま部屋からスタート地点が見えたので設営状況を上から見てたりしたにもかかわらず、

ホテルから見えたスタートゲートの設営風景

「明日、本当にレースあるのかなぁ…(まだ半信半疑)」

と思いながらも、イマイチ眠れず。

ふと気が付いたら朝4:30くらいになってて外を見てみたら、やっぱりスタートゲートは設営されてて、

「あ、本当に今日は走らなきゃいけないんだな(ここで確信)」

と、起床後のルーティーン(検温等の体調管理アプリの入力、トイレ、歯磨きなど)を済ませて、サポートに来てくれている妻も起こして、ホテルの朝食を取り、今日のレースの各地点の到達予想時刻のメモを渡したり、レース後の段取りを簡単に話し合ったりして、出発。

体重に合わせて食事の量や接種する水分量を調整している上に、ギリギリまでホテルでトイレに座っていたので、トイレ渋滞もスルー

2019年11月24日のつくばマラソン以来、約2年3か月ぶりとなる都市型のフルマラソンの公認大会「東京マラソン2021」のスタートブロックに立ちました。エリウド・キプチョゲ選手と同じブロックでスタートできる日が来るなんて今まで考えたことはありませんでしたが、それは目の前の現実でした。

周囲のランナーを見るとみんな静かに涙ぐんでいたりして、10分前から都知事の挨拶が始まり、陸連の会長からの言葉があったりして、スタート前のファンファーレが鳴り、号砲とともに紙吹雪が辺り一面に舞い散って、本当に走り出すことができました。もう、みんな半泣きで全力ダッシュw  スタート直後から思いっきり転倒しちゃってる人までいましたw  

「まぁ、こんなスピードで突っ込んだら最後までもたないだろうな…」

と自覚しつつも自分も流れに身を任せてほぼ全力でw  あとは成り行きでいけるところまでw (絶対ダメなやつwww)

いずれにせよ、日本の都市型マラソンに本格的な再起動がかけられて、たまたま自分はその中に混ざって走ることになりました。

レースプラン

今回は品川方面の工事の迂回で新しいコースになっていた東京マラソン。世の中の状況を踏まえてコースの下見には行かず、事前に Garmin のトレーニングメニューにある「コース」を使ってGPXデータを作成して高低差を把握。

Garmin トレーニングメニューにあるコース作成機能

さらに、Pace Pro という機能で、リディアード式マラソントレーニングの最初(半年くらい前)に設定された予想タイムで、高度変化に合わせたペーシングを計画してみました。

Garmin トレーニングメニューにあるPacePro機能

そのまま、少しペースの幅を持たせたペーシングをGarminのワークアウトとして作成し、さらにGarmin上のカレンダーに登録すると、レース当日にランモードを選択するだけで、ワークアウト「東京マラソン2021」が出現するようになります。都市型マラソンでは公認コースでも42.195kmぴったりにはならないことが多いので、最後に2kmほど多めに距離を設定しています。

Garmin のワークアウト「TOKYO MARATHON 2021」

レース前には自分の中で意味を持つ以下の3つの目標を設定しました。

・第1目標 2:54:42(リディアード式で指定されていたタイム)
・第2目標 3:15:00(ニューヨークシティマラソンの年代別基準タイム)
・第3目標 6:30:00(東京マラソンの制限時間 ≒ 完走)

レース結果

結果的は「第2目標」を達成し、マラソンのセカンドベストでした。

東京マラソン 2021 記録検索(速報値)

ゴール直後の感想としては、

「2年以上大会離れしてたわりには走れたかな(もっとがんばれたかな)」

という感想でした。

レース分析

レース全体の流れとしては、以下のような感じでした。

・スタート~ まったく緊張やプレッシャーはなく、単純に感動した
・  5~10km 人がかなり多いので流れに逆らわず淡々と
・10~15km 少し人が減ってきたので予定のペースで巡航開始
・15~20km 途中で差し込み発生、ペースを落として様子見
・20~25km モルテンを補給、差し込みもやや収まるが、日差しが強くなってくる
・25~30km 左足の裏の土踏まず付近にヒリヒリ(水ぶくれ)が発生、くすり指にもヒリヒリ(血マメ)が発生する。風が強くなってくる
・30~35km 日差しが強くなってきて、真夏の彩湖マラソンを思い出す。カフェイン入りのモルテンを補給。多めに給水してもハムストリングが攣りそうな気配なのでやや抑えながら走行。
・35~40km 風が強くなってきてほぼ走行不能。人の後ろについたりしてなんとか前進。途中から「あれ、もう終わり?」と通常のコースよりなんだか感覚的にちょっと短く感じる。
・~ゴール 最後の直線に入る辺り/前でGarminの計測値は42.195kmを記録、データ上はそこからゴールまでさらに950mほど追加で走る。

まぁ、フィーリングだけの感想文では次のレースにつながらないと思うので、Strava ラップを見てみると、

Strava 東京マラソン2021のラップ

ラップごとの計画と実績との差異

 0-  2km 4:14-4:20/km ⇔ 4:08/km (-0:06/km)
 2-  7km 4:07/km ⇔ 4:13/km (+0:06/km)
 7-14km 4:10/km ⇔ 4:16/km (+0:06/km)
14-16km 4:06/km ⇔ 4:13/km (+0:07/km)
16-19km 4:10/km ⇔ 4:29/km (+0:19/km)
19-24km 4:07/km ⇔ 4:20/km (+0:13/km)
24-32km 4:08/km ⇔ 4:31/km (+0:23/km)
32-33km 4:13/km ⇔ 4:16/km (+0:03/km)
33-37km 4:06/km ⇔ 4:35/km (+0:29/km)
37-42km 4:07/km ⇔ 4:51/km (+0:44/km)
42-GOAL 4:07/km ⇔ 4:27/km (+0:20/km)

ということで、

・最初のラップ(スタート直後)でオーバーペース
・16kmすぎから差し込みが来てペースダウンして様子見
・30kmくらいから復活して急激なペースアップ
・33km以降は日差しがキツくなり強風も吹いてきて思うように走れなくなる
・37km以降は左足に異変(足の裏に水ぶくれ、薬指に血マメ)を感じて減速

いった辺りがレースのターニングポイントだったと思います。

細かくStrava のスプリットを確認してみると、

Strava 東京マラソン2021のスプリット

振り返ってみて「これはあり得なかったよな…」と思ったことを少し絞っていくと、

・序盤の急なペース変更の連続
・差し込みが少し治まった20kmくらいからの急なペースアップ


の2つ。

ペースを上げるにしても、下げるにしても、急な変更はご法度。これではせっかくのハイテクを駆使した高度別のペース配分も台無しです。

逆に、うまくいったな…と思ったことは、

・カーボおよびウォーターローディング
・20kmと30kmのモルテンの補給
・水分補給(水とポカリスエットの取り方)
・ゴール直後のリカバリーのための水分・栄養補給

の4つで、細かくなるので詳細は割愛しますが、体重に合わせた食事と水分補給を徹底していたので、ホテルを出てからレース中はもちろんゴールしてしばらく時間が経つまで1度もトイレに行くことがなく、レース終盤で「糖質が枯渇して動けない」といった(いわゆる30kmの壁と呼ばれる)感覚もとくになく、日差しが強くて脱水が進んでいたのかちょっとがんばっちゃうと足が攣りそうな感覚もありましたが実際に攣ることもなく、翌日の身体のダメージもほとんどない状態でした。

最後に Strava のスプリットテーブルを見ておくと、

STRYD 東京マラソン2021のスプリットテーブル

とくに右下にある「Time in Zones(各ゾーンの時間)」ですが、

Z5 0%
Z4 0%
Z3 9%
Z2 65%
Z1 26%

となっていて、

・ほぼジョグ(65%)か、リカバリー(26%)
・レースパワーはわずか9%

という分布で、STRYDのワークアウト履歴に基づく推奨レースパワーは 205 W でしたが、実績としてはレース全体の平均で 182 W でした。また、目標心拍数は172bpm前後の予定でしたが、実績としてはレース全体の平均で 166bpm でした。もっと真面目に走らないとですねw

今後の課題

なんとなく規模縮小開催になって出場できなくなってしまった別府大分毎日マラソン大会に合わせてピーキングしてしまったところがあって、逆に東京マラソンは開催するよ!みたいな流れになって、なんとかピークを引き延ばす感じで東京マラソン2021に合わせてみたものの、当日走ってみると、言葉で表現することが難しい感覚ですが「ピーク時の調子の良さはすでに通り過ぎていた」ように思いました。

来年度以降は、

・開催可否がどうであれ、スケジュールを動かさない

といった強い意志をレース当日まで持ち続けることが大切かもしれません。

また、東京マラソン2021のレース運びに限って考えると、

・レース序盤は抑えて走る
・急なペースの上げ下げはしない
・東京マラソンは1kmくらい長くなるのでライン取りを再考する
・パワー出力を改善する(パワートレーニングに取り組む)

といったことが重要に思いました。次の東京マラソンは2024の出走権をいただいているので、今年走れたことで実際の新コースの走行データも得られたし、2年後までにまたいろいろとフィードバックしてがんばりたいと思います。

それにしても、久しぶりの都市型マラソン(しかも、東京!)は楽しすぎて、あっという間に終わってしまいました。普通は30~35kmすぎからツラいもの(とくに練習不足の時は顕著w)だと思いますが、今回の東京マラソンは40kmすぎた辺りで、

「あ、もうすぐ終わってしまう!(どうして速く走ろうとか思ってたんだろう)」

という不思議な後悔が生まれていました。わりといつも大きな大会ではタイムを追求しがちだったので、初めての不思議な感情でした。「もっとこの楽しさをじっくり味わいたかった…」みたいな。

まぁ、久しぶりに公道を走れたし、本当に楽しい時間だったからなんだろうと思いますが、たまたまその時の様子がラストの直線(丸ビル前付近)で妻が撮影した動画に映ってました(撮影してるとは思ってなかったw)。

ちょうど、時計を見て

「3時間15分には間に合うな…なんで速く走ろうとか考えちゃったんだろう(ゆっくり走ってもっと楽しめばよかったなぁ…)」

と思いながらペースを落としている瞬間がバッチリ映ってて、ゴール後に妻に見せてもらった時に思わず笑っちゃいましたw。

最後に、本大会を開催していただいた関係者各位、スタッフの皆様、いろんな役割を担われていたボランティアスタッフの皆様、沿道で小さな声で「がんばれ」と声をかけてくれた人たち、noteをいつも読んでくださっていた方々、TwitterやFacebookで「いいね!」やコメントで応援してくれたみなさん、調整レース等で一緒に走ってきたTEAM LOVE RUNのみなさん、そしていつもサポートしてくれた家族、とくに妻に、この場を借りて感謝を申し上げます。

"どうもありがとうございました。"


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