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マウスにオペラを聴かせたら

心臓移植をしたマウスにオペラを聴かせたら生存期間が延びた、という話をご存じですか?

2013年にイグノーベル賞を受賞した新見先生のご研究です。以下、新見先生の解説を引用します:
心臓を移植したマウスは、免疫の拒絶反応によって平均7日間で死んでしまいますが、ヴェルディのオペラ「椿姫」を聴かせたところ、生存期間が平均で40日間にまで延びました。次に長かったのがモーツアルトで、平均20日間でした。エンヤの歌では平均11日でした。ほかにも英語のリスニングCD、工事現場の音、周波数音などでも実験しましたが生存期間には変化は見られませんでした。音楽が効果的でした。
この研究結果から言えることは、音楽が脳を介して免疫系によい影響を与えている、ということです。病気には、医学的対処はもちろん大切ですが、脳に影響を及ぼすような環境、希望や気合い、家族のサポートなどが大切であることに通じる結果です。
(引用ここまで)

新見先生の研究グループは2012年に研究論文を書かれていて、そのメカニズムの生物学的な説明もきちんとされています。あれから10年経ちましたが、論文内容のエッセンスを近著(*)で取り上げて解説しているので、多くの人に知ってもらいたいと思いお知らせしました。
 
*)音楽する脳と身体(田中・伊藤)p.54
https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339078268/

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