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マーケターから採用広報へジョブチェンジした2つのきっかけ【2022年振り返り】

2022年9月から採用広報をしている都丸(@shoheitomaru)です。

私はコインチェックへ2019年11月に入社し、以降は自社サイトのSEOやASO、Webディレクション、データ分析などのデジタルマーケターらしいことを色々経験させていただきました。

具体的にどんなことをしてきたのかは以下の記事で紹介しています。

今回は、HR/PRが未経験な私がなぜマーケターから採用広報担当になったのかを、2022年の振り返りも兼ねて綴ってみました。

採用広報担当になったきっかけ

きっかけ1.以前から採用広報に興味関心があったため

2022年9月から採用広報へジョブチェンジしましたが、2020年後半くらいから採用マーケティングにも興味を抱いておりました。

理由は、当時の採用はマーケティング思考の戦術が行われていなかったことに課題を感じていたことと、自身のマーケティングの経験値を横展開したかったため(=市場価値を上げるため)です。

それを当時の上司へ相談したところ、ありがたいことに2021年からは人事部と一緒に採用強化の一環で取り組ませていただけることになりました。まだこの時は採用広報担当になったわけではなく、横軸支援の形で週に1回の採用広報定例に参加し片手間で実行していく程度でした。

当時はまだ採用広報コンテンツも少なく採用マーケティングはほぼ0→1のフェーズでしたので、ベストなタイミングで挑戦できる機会をいただけことを覚えています。


きっかけ2.タイミングが重なったため

2つ目のきっかけは、以下2つが重なっていたためです。


A.元ミクシィのCTOで
一般社団法人CTO協会の代表理事も務める松岡さんが入社したタイミング
B.Coincheck FM(podcast)の運営を任されたタイミング


【Aのタイミング】

下記はAの松岡さんが入社した直後に起こった組織・戦略の変化です。

  1. CTO室の立上げに伴うエンジニア採用と開発組織の強化が開始された

  2. エンジニア採用マーケティングの強化が開始された


この時、私だけかもしれませんが「ボトムアップなコインチェックカルチャーには珍しいトップダウンな意思決定だな」と思いました。今でもそうですが、松岡さんはかなりギラギラしてますね。


なお、上記についての具体的な話は下記の記事にまとめています。


【Bのタイミング】

BのCoincheck FMの運営を任されたタイミングについて簡単に触れます。

2021年12月に当時開発部門の執行役員だった飯田さんがCoincheckFMを立ち上げました。目的は「エンジニア採用の強化」です。

企画開始から1本目を公開するまでにわずか1ヶ月くらいだったと思います。(飯田さんのスピード力に圧倒されました笑)

それから半年以上が経過し、新規投稿頻度が落ち着いてきた頃、私は周囲のリーダー陣に「Coincheck FM運営に興味がある」ことを仄めかしていました。

そんな矢先、松岡さんが入社しエンジニア採用が強化されたタイミングで、ありがたいことにCoincheck FMのディレクションを任せてもらえるようになりました。

なぜエンジニア採用を強化しているのか?

そもそもなぜコインチェックはエンジニア採用を強化しているのでしょうか。

それは、技術的負債を返済し、技術投資も積極的に行い差別化をはかるためです。

そのためにはエンジニアを増やし開発戦力を拡大しなければなりません。

2022年7月時点で全社に占めるエンジニアの割合は約30%です。これは競合他社より若干低いため、割合40%を目指します。

出典元:コインチェク会社紹介資料

ただITエンジニアの採用は難しく求人倍率は右肩上がりになってます。

ITエンジニアの求人倍率10.45%

dodaの転職求人倍率レポート

dodaが毎月発表している求人倍率レポートによると、22年11月のITエンジニアの転職求人倍率は10.45%です。dodaが公開している最も古いデータの2019年1月以降で見ると最大値です。ただ、転職ドラフトをみるともっと倍率が高いように感じるのは気のせいでしょうか。

また、国内IT企業のほとんどは国内マーケットのみで優秀なエンジニアを採用しています。コインチェックも同じです。競争率が高くなるのも当然ですね。


2022年の採用広報振り返り

ここからは、コインチェックで2022年に取り組んだ採用広報施策を振り返ります。

①採用広報機能を人事部→マーケティング部へ移管

採用広報の機能が人事部からマーケティング部へ移管されました。採用活動には採用マーケティングを取り入れる必要があったためです。潜在転職者・顕在転職社に自社のファンになってもらうための仕組み作りが採用マーケティングです。

②採用広報のインプット

採用広報は未経験なのでインプットは必須です。私がもっとも学ばせていただいていたのはてぃーびーさんの『ITエンジニア採用入門』です。エンジニア転職市場の話からマーケティング思考的な採用マーケティングファネルをベースとした考え方、EVPの深堀方法まで、有料書籍化してもいいほどの情報が詰まってます。

エンジニア採用、採用広報が未経験でも、この入門書を読んでおけば行動へ落とせるはずです。

Employee Experience Engineer / 従業員体験をエンジニアリングする人 前職は人事(エンジニア採用、制度設計運用等) 前々職以前はウェブエンジニア

てぃーびーさんプロフィール


あとは、Podcast『fukabori.fm』もおすすめ。何らかの技術・組織・マネジメントについて様々なゲストを招待し話しているエピソードが多いです。

パーソナリティはNTT Comでアジャイル開発・プロダクトマネジメントの全社推進・支援をされているiwashiさん(@iwashi86)がされており、鋭い質問と流暢な切り返しトークは聞きやすいです。

またエンジニア採用や技術広報をテーマにしたエピソードも公開されているので、これからDevRelを目指したい方にもおすすめでしょう。


③新しく目標を設定

※当社独自の目標設定であるため、「こんな考え方もあるのか」と参考程度に読んでいただけますと幸いです。

採用広報が責任を持つ最重要目標を自社経由応募に定めました。コインチェックの採用広報で目標を設定することは初めての取り組みです。

  • 自社経由応募:採用広報が責任を持つ

  • リファラル採用:CTO室が責任を持つ

※CTO室はエンジニア採用を担っています。

背景として、エンジニア求人への応募流入元は、エージェント経由が64%と最も多く、自社経由は約9%ほどです。

これまではエージェント数を増やしたため、大変ありがたいことに応募者も増加しました。

ただ、その分の採用コストも上がっています。また、エージェントだと顕在転職者層にしかアプローチできないため、長期的な効果は期待できません。

そのため、「潜在転職者層へのアプローチ」「採用コストを節約」ができる自社経由応募とリファラル応募を増やしていく必要があり、採用広報チームでは最重要目標を「自社経由応募」に設定しました。

さらに、やるべきことを明確に定義するため、KPIをツリー構造にして、太字で記載している箇所をKPIに決めました。

雑に描いたKPIツリー


施策と成果の紐付きを精度高く振り返りたいため、現時点のKPIは定量にすることをマストで設定しています。(ただ、エンジニア採用市場は不確実性が高く、あらかじめ決まっている古典的な正解はないため、KPIの設定は四半期ごとに振り返りとブラッシュアップを行なっていきます。)


なお、指名検索*はKPIから除外しています。なぜなら、他のテックブログやイベントにてコインチェックが認知されないと指名検索数も増えないため、まずは潜在転職者層にもアプローチできる「テックブログ」「note」「Podcast」「イベント」が重要だと考えています。

*指名検索とは、「コインチェック 採用」「コインチェック 求人」で検索して採用サイトへ訪問し応募する指標を指します。

④施策とアウトプット

ここからは採用広報の各施策と、3Q(2022年10月〜12月)で実行したアウトプットを記載します。

なお目標に対する実績は2023年4月頃に報告しようと思います。


1.テックブログとnote

【目標】
テックブログとnoteはセッション数に設定。記事の公開本数を追うこともできますが、本数がノルマ化してしまうとペルソナ設定があいまいになってしまい目的が不明瞭で品質の低い記事が増えてしまう傾向にあるためです。

【役割】
noteは、2022年の1月〜9月は人事部で運営、10月〜12月は人事部からマーケティング部への移管期間でした。ほとんどがインタビュー記事ですが、社員個人アカウントでアウトプットしていただいた記事も紐づけています。

2023年1月からは内製強化とセッション数を増やすための新規記事公開に注力していきます。

テックブログは、私が入社する前から運営しています。ネタの起案はほとんどボトムアップ形式で、書きたいネタが思いついたら挙手していただき社内エンジニアに自発的に書いていただいてます。

【アウトプット】

  • note

    • 2本公開

      • グループ会社で公開していた記事の転載ですが、異動したての広報グループメンバーと初めて一緒に制作した記事です。

  • テックブログ

    • 7本公開(過去平均:1~3本 / 四半期)

私は拙い文章でCTO室通信を書いてみました。


2.Podcast

【目標】
Podcastは月の公開本数にすることを目標にしました。なぜなら、Podcastは記事メディアとは異なり横に広がりにくいため視聴回数は稼ぎにくいが、特定のターゲットに刺されば候補者体験のフェーズをより押し上げてくれる可能性があるためです。

また、まずは継続して発信していきたいため公開本数にしています。

【役割】
私の役割はディレクション担当です。ゲストのアサイン、ショーノート(収録のアジェンダ)、音声編集、アップロード、エピソードの公開、公開後の拡散の担当をしています。

収録で話していただくのは司会進行の松岡さんとゲストで呼ばれた方です。


施策の流れは以下で実施。

  1. ゲストをアサインする

  2. 収録日と公開日を決める

  3. ショーノート作成

    1. ペルソナと訴求点を掴む

    2. 収録アジェンダの構成を作る

    3. 話したい内容をテーマとゲストと相談しながら作成

  4. 収録

  5. 音声の編集

    1. Auphonic Productionsを使用。音声ファイルを選んでワンクリックするだけでそれなりに満足できる音量に調整してくれるので、とても作業が楽。

  6. 公開

  7. Twitter拡散

    1. 会社の公式Twitterと役員・社員の協力を得ながら発信

【アウトプット】

  • 合計5本公開


3.イベント協賛

【役割】
新規協賛先の開拓、窓口対応、登壇者サポート業務などをしています。新規協賛先は自分で探すこともありますが、社内エンジニアから「FYIです〜」とイベントを共有いただくこともあります。ありがたいです。

今後は登壇数も増やしていきたいところです。

【アウトプット】
新規協賛イベント・開発コミュニティ数:9件

  • Developers Summit2023 様

  • JaSST'23 Tokyo 様

  • Railsガイド 様

  • YAPC Kyoto2023 様

  • Ruby Association 様

  • Developers CAREER Boost 様

  • Kaigi on Rails2022 様

  • フロントエンドカンファレンス沖縄2022 様

  • Droid Kaigi2022 様


4.エンジニア採用サイト

【役割】
notionという流行りに乗ってエンジニア向け採用サイトを作りました。ベンチマークしている企業の採用サイトを参考にさせていただきながら、Superというサードパーティーツールを使い独自ドメインで公開。

エンジニアのリーダー陣にプロフィールの入力や、カバー画像の写真撮影もご協力いただきました。

後日、サイト制作の振り返りも書こうと思います。

【アウトプット】
notionエンジニア採用サイトの公開



5.Twitter運営

【役割】
採用アカウントの運営です。コインチェックの認知を広げる手段としてツイッターは相性がいいので投稿頻度は重要です。広報グループのメンバーにご協力いただきながらなんとか運用してきました。私がツイート文を作成することがあればメンバーが書いたツイート文をレビューすることもあります。

現状、ツイートしたり協賛先アカウントのツイートをリツイートすることしかできていません。だれがTwitterのフォローワー数と拡散させるコツを知っている方いたらコンサルお願いします笑

【アウトプット】

  • インプレッション数:439,967件

  • いいね数:438

  • 平均エンゲージメント率:1.5%


6.記事出稿

【役割】
テック系メディアへの記事掲載対応全般を担当しました。ただ、エンジニア採用目的で記事を掲載できたメディア数は1媒体のみでした。

2023年はコインチェックのEVPを言語化した上で品質の高いコンテンツを掲載いただけるようにしていきます。

【アウトプット】

  • エンジニアtype様:記事2本

(松岡さん、出演協力いただきありがとうございます)


7.合同イベント

【役割】
Gincoさんからお声がけいただき、Gaudiyさんも含めて合同イベントをさせていただきました。Gincoさんにはイベント運営の全体ディレクションや集客、イベント当日の司会進行をしていただきました。改めて感謝いたしますmm

イベントはオフラインで開催。前半は各社のブロックチェーンエンジニ3名に登壇していただき、後半は懇親会が行われ、30名〜40名ほど参加されました。


【アウトプット】

コインチェックからはブロックチェーンエンジニアの山崎さんが登壇しました!人生初の登壇だったようですが流暢なトークで素敵でした。ご協力いただきありがとうございました。これを機に当社もイベントへの露出も少しづつ増やしていきたいと思います。

イベントレポートも公開してますのでご覧ください。


2023年の抱負

2023年はCTO室の松岡さん高橋さん戸井田さん大村さんと強力なメンバーと一緒に引き続きエンジニア採用に力を入れていきます。特に私は自社経由応募を増やすことに注力します。

個人としては、本をたくさん読むことと、実績を積んでいる方々へ会って1次情報を交換しあえる人脈形成を意識していければと思ってます。


最後に宣伝させてください。

コインチェックではエンジニア全領域のポジションで採用中です。ちょっとでも興味を持っていただけたら、カジュアル面談でも気軽にご質問いただけます。(履歴書・職務経歴書は不要です)

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