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カイシャと生きることを選んだ人たちへ

以前、学生たちに自分のキャリアを説明する機会がありました。その時に、自分のキャリアを通して彼らに伝えたいことを考え、結果として、「メディアで取り上げられるようなキラキラしたキャリアでなくても、悩んだり迷ったりしながら働いていても大丈夫」ということを伝えることにしました。

それでも、ただ悩みながら働くのも辛いものです。「なんでこんな仕事を・・・」とか「こんなことをやるためにこの会社に入ったわけじゃない」とか。そういう気持ちになったときに自分がやってきたことを学生にも紹介したのですが、そこからもっと思考を深めてみたのでまとめました。

仕事の価値と自分の夢を重ね合わせる

私も皆さんも何かしらの夢や希望を持って就職されたと思います。「〇〇を作って社会に貢献したい」とか「〇〇でみんなを幸せにしたい」とか。ですが、いざ入社してみると思ってたのと違うということがけっこうあります。私は異動がめちゃくちゃ多くていろんな部署を経験してきました。そのたびに、「なんでこの仕事をしているんだろう」という気持ちに襲われました。前部署と同じラインの業務であればまだ良かったんでしょうが、畑違いのところに異動させられるのでよりいっそうその気持ちは強かったです。

そうは言っても仕事はしなければなりません。でも、鬱々とした感情を抱えながら働くのもしんどいものです。そこで、私が仕事を嫌になってきたらやることが「そもそもこの仕事は何なのか」とその仕事の意義や価値を考えることです。世の中のだいたいの仕事には、やる意義や価値があります。まずそれは何なのかを考えます。

次に、「その意義や価値は自分のやりたいことと重なる部分があるか」ということを考えます。この部分はダメだけど、この部分は共通するなというのがあれば、その共通する部分を頼りに頑張ることができます。

ここで重ならなかったらどうしよう、、、という感じなのですが、私は幸いなことにこれまで少しでも重なってきたのでなんとか働いてこれています。サイボウズ青野さんの著書「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない」では、「会社のビジョンと自分の夢を重ね合わせる」というもっと大きな視点で紹介されています。もっと知りたいという方はぜひ読んでみてください。(良書なのでオススメです!)

「辞めちゃえばいいじゃん」と言いますがね

そんなめんどくさいことをするよりも、「そんなに仕事で悩んでいるなら、その仕事を辞めたり変えたりすればいいのでは?」という方もいらっしゃると思います。正直、私自身もそう思います。学生たちに話したときも「仕事を辞めたいと思ったことは無かったんですか?」と聞かれました。その時は「もちろんあるよ。でも、考えた結果まだやれると思ったり、辞めるほどじゃないなと思った。あとは家族がいるから辞めると生活が、、、」と夢も希望もないド現実な回答をしてしまいました。あの時の学生さん、ごめんなさい。(でも、それが本音です、、、)

今では転職のハードルも下がったと言いますが、それでも会社を辞めることにはなかなか踏ん切りがつきません。気楽に「辞めちゃえ」と言いますが、現実問題「辞めます」と会社に言うのは相手なので、そんな気軽に言われても大変なのはこっちだぞという気持ちもあります。

ただ、私も「家族」のことを出したり、「辞めるための勇気」とか「辞めた後の生活」とかを辞められない理由の一つとして挙げていますが、それって現状を変えたくない言い訳にしているんじゃないかなとも思います(ここらへん、なんかアドラー心理学っぽいですね)。これはなんかカッコ悪いですね。

機会の大小

リクルートの有名な社訓で「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」というのがあります。自分で機会を作るというのは素晴らしいことだと思いますが、大小あれ機会というのは毎日のように私たちに訪れています。

リクルート社訓での「機会」というのは「チャンス」のことを指していますが、私は「ピンチ」も「機会」だと思います。単なる認識の違いの話ですが、ある出来事を「チャンス」と捉えるのか「ピンチ」と捉えるのか。毎日のように、何かしらの出来事は起きています。それを自分がどう感じるのかでそれがチャンスにもなるし、ピンチにもなる。

仕事での異動で望まない部署に配属になった。それを「左遷された」と考えるのか「自分の働き方や仕事の意義について考える機会をもらった」と考えるかで、異動という出来事の意味が変わってきます。私は幸いなことに異動の機会をたくさんいただいているので、自分のキャリアについて考える機会がたくさんありました。そのたびに、自分の仕事観や人生観というものと向き合ってきたので少しずつ自分の軸というものが見えてきました。

皆さんも、仕事や人生で悩むことがあれば、それをチャンスと考えて一度自分とじっくり向き合ってみてほしいと思います。

こういうことまで学生たちに伝えれば良かったですね…