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【deflection effect B〜】第2話

                       試合翌日の放課後
下校中のタケルと享。

「昨日さ、試合の後誰と話してたの?」
タケル
「宇都宮バリスタ(プロチーム)U-15のコーチ。」

「凄いじゃん!誘われたってこと?行くの?」
タケル
「いや、行かないかな。」

「何で?!」
タケル
「俺はプロ目指してないから。」

「え〜、タケルなら行けると思うけどな〜。」
タケル
「俺は享とか樹里とバスケしてる方がたのしいし。」

「俺は嬉しいけどさ、何だかなー。」
タケル
「それに、“プロ”ってのは多分、樹里みたいな奴がなるんだよ。」

「??タケルのが上手いじゃん?」
タケル
「上手いとかじゃないんだよな〜。」

                          ある日の練習後
樹里
「タケ、1on1しようぜ!」
タケル
「またか?いいよ。」
タケルと樹里が1on1を始める。
啓斗
「あの2人またやってる。
アレン、どっちが勝つと思う?」
アレン
「タケル君。」
啓斗
「分からないぜ。樹里君が爆発するかもよ。」タケルのオフェンス。
タケルの緩急を突いたドライブに樹里
付いていけずタケル得点。2-0
樹里のターン。
左右に揺さぶりをかけるも、対応するタケル。
樹里
(う〜ん、やってみるか!)
右から左へ切り返し一瞬のコンタクト
スペースを作り左のランニングフック。
タケル、一同
(!?)
ガコンッ シュッ
樹里得点。2-2
樹里
「入ったー!!」
KJ
(ナイスプレー。)
タケルのターン。
スパッ
ボールを貰い、間髪入れずキャッチ&シュート。タケル得点。4-2
樹里
「うーわ。」
「折角頑張って決めたのに。」
悔しがる樹里。
見つめるKJと公平。
KJ
「あの2人はよくやってるね。」
公平
「はい、樹里にとってタケルは友達というよりライバルなんですよね。」
「タケルは間違いなくベストプレイヤーなんですけど、如何せん優しすぎるんですよ。」
KJ
「ふーん。今日はそうでもないみたいだよ。」

10-4タケルWIN。
樹里
「勝てねぇ!」
「上手くなってるのか?」
弱音を吐露する樹里。
タケル
「なってるよ。」
樹里
「え?」
タケル
「最初のフックなんて俺やアレンもまだ出来ないよ。」
樹里
「でもお前に勝ったことないじゃん?」
タケル
「俺の方が3年早く始めただけだよ。」
「今の3年はデカイけど高校とかになったら
この差は無くなってる。」
樹里
「」
「じゃあそれまで俺はお前に勝てないってことか?」
タケル
「。。。」
「そうかもな。」ニコッ
頬を膨らませる樹里。ニコッ
樹里
「何かアドバイスちょうだいよ。」
タケル
「うーん。強いかな?」
樹里
「強い?」
タケル
「フローターの時、前にジャンプするからそれにつられて勢いでボールも前に行っちゃってんだよ。ジャンプの勢いを殺して真上に飛ばす感じ。」
「カリーのアップ見てみろよ。
イメージはあんな感じ。」
「じゃ。」

樹里
(カリーのアップ?」)
携帯を取り出す樹里。ポチポチ
樹里
「これか!」
画面上にはワーデル・ステフィン・カリーの試合前ウォームアップ動画。
ヒョィッ スポーーーーーーーーーーーーン スパッ
観客「ワーーーー!!!」
リングやボードを遥かに越える高い放物線を描いたボールはリングに吸い込まれた。
樹里
(お〜〜。)
「ってか、これやりすぎだろ!」
タケル
「笑笑」
体育館を後にするタケル。
樹里
(なるほどね。)
「タk、は帰った?」

「帰ったよーん。」
樹里
「アレン、1on1しようぜ!」

                   練習後、アレンと啓斗
啓斗
「また樹里君と1on1してたな。」
アレン
「うん。」
啓斗
「勝った?」
アレン
「負けた。8-10。」
啓斗
「メッチャ競ってるじゃん。
樹里君も上手くなったよな〜。」
「でも試合じゃアレンの方が点取ってるよな?」
アレン
「タイプが違うだけだよ。」
「それと試合慣れかな?」
啓斗
「あーなるほどね。」

「ってかさ、来年のキャプテンどうなると思う?」
「俺もアレンもマイカも似合わねーだろ。」
「光洋(4年生)だったりして。笑」
アレン
「光洋もいいけど、啓斗だと思うよ。」
啓斗
「俺か?そうかな〜?」
まんざらでもない様子の啓斗。
啓斗
「てか人数どうすんだよっ?」
「そもそも足んねぇじゃんかよぉ〜。」
頭を抱える啓斗。
アレン
「。。。」
2人の前方に光洋の姿
啓斗
「あっ光洋だ。おーい光洋!」
駆け付ける啓斗とアレン。
啓斗
「今、光洋の話してたんだよ。来年のキャプテンは俺か光洋か?って。」
光洋
「5年生が3人いるのに僕がキャプテンなんて出来ないよ。」
啓斗
「でもお前が1番しっかりしてるし向いてるじゃん。俺達は学年なんて気にしないし。」
光洋
「でも、、、僕は啓斗君だと思うよ。」
啓斗
「え〜、そうか〜?。」

話題を変えるアレン。
アレン
「光洋ってNBA好きだよね?」
光洋
「うん。」
アレン
「あのコーチのことも知ってる?」
光洋
「うん、お父さんが好きだったから知ってるよ
。」
啓斗
「へー、どんな選手だった?」
光洋
「シューティングガード(SG)。」
啓斗
「あんなデカイのに?!」
光洋
「NBAだと小さいんだって。」
啓斗
「は〜、すっげぇな。」
アレン
「プレースタイルは?」
光洋
「うーん、アレン君と正反対かな?」
アレン
「と言うと?」
光洋
「スラッシャー。(ドライブイケイケタイプ)」
啓斗
「へ〜。同じポジションでも違うんだな。」
「アレンももっとアタックしてみればいいじゃん?」
光洋
「アレン君はシューターが好きだもんね。」

                          後日、放課後
上級生と地域の大人が混ざっての
地域のピックアップゲーム帰り。
帰宅途中のタケルと樹里。
樹里
「今日は惜しかったろ?」
タケル
「分かったって!でも俺の勝ちだろ?」
視線を逸らす樹里。
樹里
「あれって、マイカ?」
2人の視線の先には1人公園でドリブルを突くマイカの姿。
樹里
「やっぱマイカだ!おーいマイカー!」
駆け寄る2人。
マイカ
「こんにちは。」
タケル
「うん。」
樹里
「マイカって放課後何してんのか?って思ってたけどこんなとこで練習してたの?」
マイカ
「えぇ、はい。」
樹里
「家、こっから遠いよな?何で?」
マイカ
「皆さんの足を引っ張らないようにしたいので、、、」
樹里
「にしてももっと近い公園とかあるだろ?」
タケル
「おい、しつこいぞ。」
樹里
「えっ?ゴメン。」
タケル
「マイカごめんな。こいつも悪気がある訳じゃないんだ。」
「ま、悪気が無ければ良いのかって話だけど。」
マイカ
「いえいえ。」
タケル
「それに君が足を引っ張ってるなんて気に病む必要ないぞ。」
「8ターンオーバーしてもケロッとしてる奴もいるし。」
樹里
「まだそれ言う〜?」
マイカ
「フフッ」
和やかな雰囲気。

タケル
「練習してたらさ、
誰かに試したくなるだろ?」
「そうなったらこっち来てみなよ?
ゲームやってるしそこまでピリピリじゃないからさ。」
マイカ
「はい、分かりました。」
タケル
「じゃ頑張って!」
樹里
「風邪引くなよ〜。」

                      ある日の練習後
KJ
「シューティングゲームをしよう!」
「やる人〜?」
参加者
KJ、アレン、マイカ、永久
KJ
「僕に勝ったらジュースを買ってあげるよ。」
「永久には少しハンデをあげよう。」
ミニバスゴールで容赦なくシュートを沈めるKJ。しかし
永久
「やったー!」
KJ
「負けた〜。」
1位 永久
2位 KJ
3位 アレン
4位 マイカ 
外の自動販売機で好きなジュースを買ってもらう永久。
体育館で佇むアレンはプライドが傷付いた様子。トンッ
アレン
「?!」
アレンにジュースを差し出すKJ。
KJ
「お疲れ。」
アレン
「何で?」
KJ
「永久のは賞品。これは参加賞。」
「ま、敗者に選ぶ権利は無いけど。」ニヤッ
「またやろう。今度は味が違うかもよ。」
アレン
「Thank you.」
ケイト
「こんなジュース初めて見た。」
口にするアレン。
ケイト
「旨い?」
樹里
「マッズ!」
体育館反対サイドにてマイカから一口
ジュースを貰った樹里。
アレン
「あんな感じ。」
ケイト
「ハハッ!」

栃木県大会の対戦カードが決まった。
UBCは地区大会でメンバーが揃わなかった
名門チーム“club MH”と初戦で衝突することとなった。
                                                                   第2話 完
第3話
https://note.com/shogun0189/n/n519d73073a1f


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