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【無償案件】はありかなしか!?

こんにちは!
白田将悟@令和歌謡&City Pop作曲家・編曲家です。
いつもありがとうございます。

先日Twitterで、とても興味深いツイートが流れてきました。

無料には飛びつくのに有料になると途端に興味がなくなる人。サービスの質や内容よりも値段しか見てない人が多い。無料無料で搾取しようとしている自分のマインドに気づいていない。だから見極める目がなくなり結局搾取される側になる。そして自分には無料がお似合いと、自分で自分の価値を下げている。

あぁ、制作関係でもよくあるなぁ…
そしてさらに思い出したのが、文化芸術関係でよく目にする、
「有償案件と無償案件論争」
について。
自分の中での整理も兼ねて、思うところを書いてみたいと思います。


①無償案件の例

そもそも「無償案件」って身近な所でどんなことがあるかというと、
・結婚式やパーティーの余興
友達から「音楽やってるんだよね!?ちょっと演奏してよ!」のようなもの。
・イベントステージ
商業施設のイベントや野外イベントでよく見るステージでのライブ演奏ですね。私も時々出演することがあるのですが、インディーズ系ミュージシャンはノーギャラが多い印象です。
・音楽制作
いろんな窓口から制作についての問い合わせが来るのですが、中には無償でやってくれるものだと思っている方もいまして、金額を伝えると音信不通になるケースも…w


②無償案件についての様々な意見

これは依頼する側も受ける側も様々な意見があるように思います。
聞こえてくるそれぞれの主な意見は、
【依頼者側】
・アマチュアにそもそもお金をかけるという考えがない
・自分がアマチュア(趣味)で活動してるのだからお金を要求されるのに納得がいかない
・友人知人だから
・好きでやってることだから無償でも気楽にやってくれるだろう
・短時間のサクッとやってもらえることだから

【受ける側】
・自分はアマチュアだからお金は受け取らない主義
・最初の実績作りやキャンペーンのためには無償で引き受けることも必要
・お金の話をすると相手に不快に思われそう


③無償案件はあり?なし?

これはネット上でも激しい論争を見かけますが私の意見は単純で、
双方の条件が一致するのであれば無償でもOK。
例えば、
・「●●のイベントステージにノーギャラで出演してくれる方募集!」という依頼者に対して、演者が応募する。
・「期間限定で無償の作曲するのでご依頼大歓迎!」というクリエーターに対して、依頼者が応募する。

こんな所でしょうか。
ただし、下記のように、双方に留意するべきポイントはあると思います。

【依頼者側】
・プロアマ問わず、相手は様々な所に時間と労力を費やしていることは事実なので、有償が前提であることを理解する
・無償で依頼(募集)するのであれば、高望みし過ぎないこと

プロでもアマチュアでも依頼に応えるために、
練習したり、道具を準備したり、様々な時間と労力、そしてお金が発生しているので、
それはきちんと留意した方が良いと思います。
また、無償の募集をかけた時に、
できる限り「経験と実績が豊富で、腕前も抜群の方」に応募してもらいたいと思われるかと思います。
ただ、そういった有能な方が「無償の案件に応募してくるか?」というのは、
立ち止まってよく考えた方が良いと思います。
「有能な方」が「無償で応募してくる」ためには、その募集案件に「大きな魅力や価値」が必要になります。

【受ける側】
・少しでもプロとしての自覚と責任を持っているのであれば、堂々と報酬を求めること
・逆に「無償でも大きな価値がある」と思った案件には積極的に取り組むこと

日本にはチップ文化もないですし、恐らく「お金」に関する後ろめたさって誰にでもあると思います。
そのせいで、お金(報酬)を受け取ること、お金の話すら躊躇してしまうというのがあると思いますが、
堂々と話していくべきだと思います。(むしろお金の話を嫌がるような相手は縁を切るべき!)

逆に、「このイベントは規模的に大きな出演実績になるし利益にも繋がる!」、
「日頃お世話になっている方、大切な方を喜ばせるためなら、どんなことだってやる!」
といった、大きな魅力や価値があることなら積極的に取り組むべきだと思います。
ただ、
「一部のクリエーターが積極的に無償案件に取り組むせいでそっちに客が流れ、有償の自分に依頼が来なくなるだろ!」
という意見もあります。
気持ちはわかるのですが、私はこれはちょっと違うんじゃないかなと思ってまして…
「無償の誰か」と「有償の自分」を比較されて、「有償の自分」を選んでもらえるような、
「お金をかけてでもこの人にお願いしたい」という存在になるのが、クリエーターの本来の姿だと思うんですよね。


④最後に

これはSNSでも昔話したことなんですが、とあるお世話になっている先輩ミュージシャンの数年前のエピソード…
私とその先輩ミュージシャンが一緒にいた時に、とあるイベント企画者からこんなオファーを頂きました。
「今度私の主催するイベントに是非出演してください!報酬はないのですが、お金をかけて良い機材と音響スタッフを入れますので快適に演奏できます!」
ここでその先輩はこう返事しました。
「演者たちのことも機材やスタッフと同列に扱って、お金を出せるようにしてください。」

これはその当時私はまだ駆け出しだったので、
「インディーズミュージシャンはノーギャラでやるもの」みたいなイメージがあり、
ここまで堂々とお金の話をする先輩の姿には衝撃で、今でもはっきり覚えていますし、心から敬服する光景でした。

最近は変わりつつあると思いますが、
依頼する側と受ける側の、報酬に関する概念や他業界(職種)への理解が未熟なせいで、何かと有償・無償に関するトラブルが起きたり、議論が盛んになりがちです。

双方がそれぞれ相手の立場になって考えたり、他業界の情報を積極的に調べることで、この辺りの理解が深まり、気持ち良い取引ができるようになると思います。
一人ひとりの「意識改善」をきっかけに、どの業界もいい方向に変化していくことを祈ります☆

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