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連載小説|ウロボロスの種

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 種があった。無限小の種。答えるための種。それは問いそのものだった。
 「答えなさい」
 この、無限小の問いに、私は答えようとした。影によって答えようとした。
 「答えなさい」
 そう言った種は膨らみ、自らを吐き出した。頭を吐き出し、胴を吐き出し、尾をくわえた大蛇になった。
 それを見て、私は言った。
 「やっぱり君だったか、リリィ」

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