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肩関節挙上時に重要な肩甲骨の筋活動

どうも!しーご(@Hs041300)です。

STMマガジン第4段!

初めて拝読される方もおられると思いますので、これ何のマガジンだ?と思った方は下記の記事を是非ご参照ください!

それでは始めていきたいと思います!


今回は肩関節挙上時に重要な肩甲骨の筋活動についてお伝えしていきたいと思います。

肩関節挙上時の肩甲骨フォースカップルについて

前回肩関節挙上時の肩甲骨動態についてご紹介しました。

肩甲骨は
・上方回旋
・後傾
・外旋する。

※スキャプラプレーン上ではない、肩関節屈曲においては肩甲骨の内旋・外旋が両方生じる。

このような特徴があります。

肩甲骨動態については下記に詳しく解説していますので以下をご参照下さい。

肩関節屈曲時の肩甲骨動態では

肩甲骨上方回旋・後傾が主に生じ、それに少しだけ外旋が生じます。

その時の筋活動である肩甲骨のフォースカップル機構についてご紹介します。

1.上方回旋

僧帽筋と前鋸筋が共同して働く。

このとき先行的に

前鋸筋が働き
僧帽筋中部線維
僧帽筋上部と下部線維は拮抗するように共同して働きます
(森原ら:肩関節 2011年.35巻3号p.715-718)

上方回旋の筋活動

僧帽筋の上部線維が先行的に働いてしまうとスムーズにフォースカップル機構が働かないとも言われているので要注意です。

2.後傾と外旋

後傾では

前鋸筋
僧帽筋下部線維の収縮
(Brazilian Journal of Physical Therapy
Volume 23, Issue 6, November–December 2019, Pages 459-466)

肩甲骨後傾 筋収縮

外旋では

前鋸筋
僧帽筋中部線維の収縮
(Brazilian Journal of Physical Therapy
Volume 23, Issue 6, November–December 2019, Pages 459-466)

肩甲骨外旋 筋収縮

このように

「前鋸筋」と「僧帽筋」の収縮がかなりKey pointとなります。

しかし、これらの筋肉は各線維で作用が変化し肩関節挙上時の阻害因子となる可能性もあります。

前鋸筋の筋線維における作用の違い


「前鋸筋はsuperior part・middle part・inferior partの3つのパートに分けられる」と言われています。

3つのパートを以下に示します。

superior part:第1~2肋骨から起始し、肩甲骨上角に付着。肩甲挙筋と前鋸筋上部は連続している。

作用:下方回旋
middle part:第2~3肋骨起始し、肩甲骨内側縁へ付着。middle partは他のpartと比べて薄い。長胸神経からの神経支配も少ない。
inferior part:第4~9肋骨から起始し、肩甲骨下角に付着。そして菱形筋と連続する。また、inferior partは長胸神経以外に肋間神経に支配される。

作用:上方回旋

前鋸筋の各部位

(Anatomical Science International.93, pages98–107.2018)

このように

肩関節挙上時、上方回旋に働く筋肉はinferior partであることがわかります。

ここでの注意点は

superior partなどを含む下方回旋に作用する筋肉の過緊張は抑制すべき要素!
いわゆるフォアードヘッドの姿勢は前鋸筋のsuperior partなども姿勢異常に関わっていることが考えられます。

ここのフォワードヘッドとの関連に関してはまた違う機会にご紹介させていただければと思います。

前腕肢位の変化が肩関節挙上時の肩甲骨筋活動にどのように影響を与えるか


皆さんは肩関節挙上の改善が何に繋がるとお考えでしょうか。

肩関節挙上への介入の目的は生活動作の改善にあります。

・洗濯物を干す
・頭上の物を取る/置くなど

目的は様々で対象者のニーズはそれぞれ異なってきます。
着目する点として前腕肢位!

この時の肩甲骨周囲筋の筋活動について解説します。

洗濯物を干す動作では、前腕回内位で肩関節の挙上を行います。
この時僧帽筋下部線維の働きが強くなると報告されています。

その一方で

物を頭上に置く動作では、前腕回外位で肩関節挙上を行います。
この時前鋸筋の働きが強くなると報告されています。
(井尻ら:筋電図波形の詳細な波形で見えてくる臨床的なヒント.関西理学 17.p.41-46.2017)

このように前腕肢位の関係が肩関節挙上で肩甲骨周囲の筋活動は変化すると述べられています。

この関係については前腕回外位がより肩関節の外旋を強調させ、肩甲骨の後傾が生じさせる。
その結果、前鋸筋の働きが強くなったのではないかと述べられています。

このように前腕肢位の変化が肩関節挙上時の肩甲骨周囲筋の活動を変化させます。

まとめると…

肩関節挙上時は

⚫︎前鋸筋と僧帽筋の働きが重要
⚫︎先行的に前鋸筋のinferior partが働く
⚫︎僧帽筋上部線維の早期過活動は挙上時の阻害因子
 その時重要なのは僧帽筋下部線維の筋活動
⚫︎前腕の肢位によって前鋸筋、僧帽筋の筋活動が変化する

このように考えると

前鋸筋のinferior part僧帽筋下部線維の働きが重要であることがわかります。

是非、これらを加味して機能的な評価も行ってみて下さい。評価方法などのご紹介も今後できればと思います。

静的な評価方法についてご興味がある方は是非以下をご覧ください!

今回の知識を臨床に生かして頂けますと幸甚です。

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PS

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今後の記事の続編は

私の方では肩甲骨の筋活動を加味した評価についてお伝えしていければと思います。

最後まで読んで頂いた方々、貴重なお時間を頂き有難う御座いました。


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今後とも宜しくお願い致します。


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