見出し画像

【気になる】あの文豪が愛用した万年筆 -その1-

みなさん、こんにちは! 今回は「あの文豪が愛用した万年筆」というテーマで、みなさんもご存知の有名な文豪の万年筆をご紹介したいと思います。第一回は、みんな大好き 太宰治先生 です!

太宰治について

今更ではありますが、まずは太宰治先生について簡単に紹介します。太宰治といえば、『走れメロス』や『富嶽百景』といった国語の教科書に載っている作品のほか、『人間失格』などが有名です。私生活は乱れ、心中未遂を繰り返した太宰。そんな太宰治という人間にしか書けない作品は、今もなお我々の心を惹きつけます。

私はなぜだかわかりませんが、『斜陽』の一節がくっきりと頭の中に焼き付いています。上品な家庭のお母さまがスウプを吸って「あ」と声を挙げるシーン。時が止まったかのような光景を浮かび上がらせる描写でした。

太宰治が愛用した万年筆とは?

では本題に入っていきましょう。太宰治は、ある万年筆を愛用していました。それがEversharp(エバーシャープ)の万年筆です。

このペンについては、太宰治の故郷である青森の、青森県近代文学館のHPで紹介されています。

画像1


https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/museum/meihin_dazai.html

エヴァーシャープの万年筆はもともと美知子夫人がアメリカ土産にもらった品であったが、いつからか太宰が使うようになった。透明な軸は途中で破損して取り替えいちいちインクをつけて書いていたが、軽く字を書く癖があった太宰は、1939(昭和14)年頃から最期まで、この万年筆1本で執筆を続けることができたという。
〜Vol.1 太宰治 愛用の万年筆〜

つまり、奥様がもらったお土産品を拝借して使い続けたということです。

余談ですが、私も妻が少し使ったノートを借りて、実質的に自分のものとして使い続けています。他人の使っているものは良さそうに見えてしまうのですよね……。

それにしても、1939年から、太宰が入水自殺した1948年までの10年近く、この一本で執筆をしていたというのですから驚きます。作家なのでその酷使たるや、我々ごときの普段使いの比ではないはず。普通ならペンの先が潰れてしまうところでしょう。幸い、太宰は字を軽く書く人だったので長持ちしたということです。

作品や私生活のエピソードからわかるように、太宰はとても繊細で脆い人。その性格がペンの扱い方にも現れたのではないかと私は思います。頬杖をつきながらさらさらと書いている光景が頭に浮かんできます。

インクの軸は壊れたようですが、それでもインク壺にペンを浸しながら使い続けたようです。普通ならもうこのペンは使わず、別のペンを使ったほうが便利です。

太宰はなぜここまでしてこの一本の万年筆を使いつづけたのでしょうか。それを知る手がかりはありませんが、よほど手に馴染み、愛着を持っていた一本であったことには違いありません。(あるいは、単に他のペンに替えるのが面倒だったのかもしれませんが。)

多くの女性を愛した太宰も、仕事仲間である万年筆は一本を愛用しつづけたというのがおもしろいですね。

太宰治が愛用した万年筆は手に入る?

現在、Eversharpというブランドは存在しません。1957年にパーカーに買収されてしまったためです。そのため、Eversharpの万年筆は入手困難となっております。

その代わりといってはなんですが、太宰治をモチーフにした万年筆は登場しています。

その一つが、ワンチャー万年筆とセーラーがコラボした「太宰治 生誕110周年記念 文豪万年筆」です。

画像2


https://jp.wancherpen.com/products/wancher-original-osamu-dazai-110th-birth-anniversary


もう一つは、テレビアニメ「文豪ストレイドッグス」の太宰治をモチーフにした、セーラーとのコラボ品です。

画像3


https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g301601003781/


どちらも在庫はないようですが、太宰治その人をイメージして万年筆にするというのは、おもしろい試みだと思います。

おわりに

今回は、太宰治の愛用した万年筆についてご紹介しました。

多くの女性を愛した太宰も、仕事仲間である万年筆は一本を愛用しつづけたというのがおもしろいですね。万年筆が10年近くも長持ちしたのは、太宰の繊細な性格によるところがあるのではないかと感じています。

太宰治のように万年筆を長く使いたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?