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[将棋]居飛車穴熊vs4四銀型四間飛車 懐かしの戦型をAIで解析してみた③
前回[将棋]居飛車穴熊vs4四銀型四間飛車 懐かしの戦型をAIで解析してみた②|ゆに@将棋戦略 (note.com)ではテーマ図から▲6八銀に対して△5三銀の変化を調べ、居飛車有利であることが分かりました。今回は△5五歩と仕掛ける変化を調べてみます。
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テーマ図以下の指し手
▲6八銀 △5五歩 ▲同歩 △4六歩 ▲同歩 △5五銀 ▲2四歩
△同歩 (分岐図、評価値も併せて表示)
とりあえず前々回示した分岐の場面(▲3五歩 or ▲5六歩)までは概ね最善手順になっています。評価値は300点ほどで、▲6八銀の時点と大きく変わりません。また、分岐図での有力手はAI的にも▲3五歩か▲5六歩の2択になっています。まずは▲3五歩から調べてみます。
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分岐図以下の指し手①
▲3五歩 △4六飛 ▲3四歩 △4四角 ▲2四飛 △2二歩 ▲2五飛
△4五歩 ▲3七桂 △6五歩 ▲5六歩 △6六銀 ▲4五飛 △同飛
▲同桂 △6七銀成 ▲同銀 △7七角成 ▲同金 (結果図①、評価値も併せて表示)
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![](https://assets.st-note.com/img/1713665263675-LEw6oxd1T4.png?width=800)
最善手順を追っていくと、▲2五飛△4五歩までは昔の手順で良かったようです。人間も中々やるなぁと思っていたら、次の▲3七桂にびっくり。もちろん、自然な手ではあるのですが、昔の認識では後手から飛車成や△8五桂、△6五歩などがあって緩い手とされていた印象で、私自身も指したことがありますが、大体ボコられていた気がします。ですが、例えば△4七飛成には▲4五飛△3七竜▲5六歩で悪くないですし、△8五桂には▲8六角△6六銀▲同金△同角▲6二歩△7一金▲5二銀で良いです。△6五歩がAI的には最善のようですが、上記に示した手順で居飛車有利になります。▲3五歩以下の分岐の感想としては、こんなに普通の手順で良かったのかぁ、という感じですね。
分岐図から▲3五歩の変化は一旦お終いにして、次に▲5六歩の変化を調べてみます。
分岐図からの指し手②
▲5六歩 △4六銀 ▲6五歩 △同桂 ▲3三角成 △同桂 ▲2四飛
△4五桂 (途中図、評価値も併せて表示)
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![](https://assets.st-note.com/img/1713667812089-291g8590Wa.png?width=800)
▲5六歩以下、最善手順を追っていくと途中図となり、ここまでは昔の定跡と一致しました。問題は途中図で、昔の定跡の▲2三飛成は第3候補となっていて、あまり良くない手のようです。最善手の候補はまさかの▲3三角。後手から△5七桂成が狙われている場面で、こんな緩い手でいいの!?って自分なら思ってしまいます。どんな狙いでしょう?ここから6六に馬を引き上げたりするんでしょうか?もう少し進めてみましょう。
途中図からの指し手
▲3三角 △4一飛 ▲2二飛成 △5七桂左成 ▲3二竜 △6七成桂
▲同金 △4五飛 ▲1一角成 △5七歩 ▲4七歩 (結果図②、評価値も併せて表示)
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先手は6七の金をはがされた上に、▲同金と味の悪い形が残ってしまっていますが、飛車を成りこんだ後に▲1一角成と悠々と駒を拾っておきます。実はこの香車の補充が意外に大きく、△7八金や△7八角と絡んでくる手に対して▲7九香の受けを用意しています。また、先手はあまり攻め駒がないように見えますが、手順最後の▲4七歩が狙いの手で、△同銀成なら▲5五桂がきつすぎます。ということで、▲5六歩の変化も居飛車有利の結論になりました。▲5六歩以下の変化を調べた感想ですが、こちらも先ほどと同様、こんなに普通の手順で良かったのかぁと、いう感じです。▲3三角のような手は人間的にはどうしても緩い手に見えてしまいますね。
さて、最後に私のマル秘研究(前々回の記事で紹介しました)についてもAIさんに評価してもらうことにしましょう。
途中図からの指し手(失敗作)
▲2三飛成 △5七桂左成 ▲同金 △同銀成 ▲同銀 △同桂成
▲5五桂 △7三金 ▲6二歩 △7一金 ▲5四角 △4一角!(衝撃のラストの図)
![](https://assets.st-note.com/img/1713670182926-OmF4rzLYHQ.png?width=800)
手順を追っていくと、あっさり▲5四角が実現してしまいました。これは居飛車が勝ちだろうと思っていたのですが・・・何とそこで△4一角という妙手がありました。失敗図以下、竜が逃げると△4八飛成でスピード負けのようです。評価値は-600点程度。まさかのオチでした。
というわけで、▲6八銀以下の変化を調べてみた結果、AI的には居飛車有利という(現時点での)結論になりました。△5三銀の変化では▲3三飛成からと金を作って4三の地点を狙うのが印象的でした。また、△5五歩の変化では▲3七桂や▲3三角など一見緩い手が評価されていたのが印象的でした。
以上、読んでいただきありがとうございました。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
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