[将棋]先手中飛車銀対抗vs後手穴熊②。先手▲5四歩の速攻の結果は・・・?
こんにちは、ゆに@将棋戦略です。
今回は前回の続きで、先手が最速で▲5四歩と仕掛ける展開を調べてみます。かなり激しい展開となります。
まずは前回のテーマ図を再掲します。
テーマ図から
▲6六銀 △6四銀 ▲2八玉 △3三角▲5四歩 △同 歩
▲同 飛 △4四歩(途中図)
▲3八銀を省略して▲5四歩
△3三角と上がる局面までは前回紹介した手順と同じですが、ここで▲1八香とも▲3八銀ともせず、いきなり▲5四歩と突きます。この手に対しては後手は△同歩▲同飛△4四歩と穏やかに指し、前回の結果図④の展開を目指します。
ここから先手がさらに攻め続ける展開を調べてみます。
途中図から
▲5五銀 △4三金▲4四飛 △4二銀 ▲4三飛成 △同 銀
▲4四金 △5五銀▲3三金 △同 桂 ▲5五角 △6四銀
▲7七角 △4二金(途中図②、評価値も併せて表示)
△4二銀の活用がポイント
先手は飛車を捨てる覚悟で▲5五銀と出ます。△4三金として飛車は死んでいますが、▲4四飛とする手があり、△同金なら▲同銀で好調、△5五銀なら▲同角が飛車取りになり、これも好調です。
▲4四飛には△4二銀と、銀を活用して玉の露出を防ぐのがポイントです。以下は飛車角交換となり、一旦収まって途中図②となります。
一旦収まってしまいましたが、先手はさらに攻めの継続を図ります。
途中図②から
▲4六歩 △8六歩 ▲同 歩 △7五歩 ▲4五歩 △7六歩(途中図③)
確実な4筋の攻め
先手は▲4六歩が確実な攻めです。これに対して△4四歩もありますが、歩切れになるため、一旦▲3八銀や▲3八金と締まっておいて、やや後手損でしょう。
後手は攻めの軸となっている角を攻めて途中図③となります。まずは▲4四歩と一直線に攻めてみます。
途中図③から
▲4四歩 △7七歩成 ▲4三歩成 △同 金 ▲4四歩 △同 金
▲7一角 △4五飛 ▲4六歩 △同 飛 ▲4七歩 △同飛成
▲3八銀 △7二飛 ▲4七銀 △7一飛 ▲6二飛 △4二歩
▲6三飛成 △5三金 ▲6二龍 △2一飛(結果図①、評価値も併せて表示)
歩が利くのが大きい
先手が▲4四歩とすると▲7一角までは一本道と思われますが、これには△4五飛の返し技がありました。△4五飛以下はまたも一本道で△7一飛まで進み、先手は持ち駒飛車銀銀の歩切れ。攻めをつなげるのが少し難しくなってきました。
▲6二飛以下、歩切れを解消する手順はあくまで参考ですが、後手は4~8筋に歩が利くのがすごく大きく、△6一歩や△5二歩で歩の城を築くことが出来ます。結果図①は先手の攻めが細く、後手有利です。
次に、途中図③から一旦▲6六角と逃げてみます。
途中図③から
▲6六角 △5四金 ▲4四歩 △同 銀 ▲同 角 △同 金
▲7一角 △4五飛 ▲4六歩 △同 飛 ▲4七歩△7二飛
▲4六歩 △7一飛(結果図②、評価値も併せて表示)
△4七同飛成はNG
▲6六角とかわす手には△5四金と受けてから△8六飛を目指します。先手はゆっくりしているわけにはいかないので、またも▲7一角の筋で攻めます。
後手は先ほどと同じように、△4五飛で反撃します。ここでポイントとなるのが、▲4六歩~▲4七歩の受けに対して、△4七同飛成と取らないことです。先ほどと異なるのは、先手が歩切れにならない点で、そのため▲4七歩を取ってしまうと4筋に歩を使えるようになってしまいますし、▲3八銀と銀を活用されてしまいます。
(なお、取ってしまった場合、評価値は先手プラスとなります。)
結果図②は飛車を手持ちにしている先手も戦えると思いますが、△7七歩成や△4七角が残っているのが大きく、評価値からも微差で後手有利でしょう。
というわけで、先手▲5四歩から飛車を捨てて攻める展開を調べてみました。実戦的には後手も相当大変と思いますが、攻めはやや無理筋のようです。気をつけなければいけないのは、攻めを受けきれたのは4九の金が浮いていたからである、という点です。そのため、▲3八銀とされたら▲5四歩と突かれる前に△4四歩と突きましょう。これは前回紹介した通りです。
それでは読んで下さり有難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。
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