見出し画像

第37期竜王戦決勝トーナメントの展望

竜王戦は、1組から6組のランキング戦を勝ち上がった11名による変則的なトーナメントを行い、決勝は挑戦者決定三番勝負が行われます。トーナメントは下図の通り上位の組に有利な形となっており、下位の組から勝ち上がるのは大変な道のりになります。しかし名人戦とは違い、下位の組から一気に挑戦者になれる可能性もあります。前期は伊藤匠七段が5組優勝から挑戦権を獲得し、竜王戦ドリームを実現しています。

今期もランキング戦を勝ち上がった11名が出揃い、組み合わせが発表されていますので確認しておきたいと思います。

日本将棋連盟HPより引用

左の山からの挑決進出有力候補には、第35期挑戦者で1組4位の広瀬章人九段を挙げたいと思います。今期ランキング戦では3回戦で敗れたものの、出場者決定戦で木村九段、森内九段を降して決勝トーナメントに進出しています。1組優勝の山崎隆之八段、1組5位の斎藤慎太郎八段ももちろん有力ですが、今期はタイトル戦常連の羽生九段、渡辺(明)九段、豊島九段、永瀬九段、菅井八段、伊藤匠七段らが相次いで姿を消しており、6組優勝の藤本渚五段にもチャンスがあるかもしれません。

右の山からの挑決進出有力候補には、期待も込めて2組優勝の佐々木勇気八段を挙げたいと思います。元々いつタイトル挑戦してもおかしくない逸材ですが、昨年度は初参戦の順位戦A級で残留し、NHK杯では藤井竜王を倒して初優勝を遂げ、徐々にその才能を開花させつつあるように思います。1組2位の佐藤(康)九段、1組3位の久保利明九段、2組2位の郷田真隆九段らベテラン勢にも注目したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?