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「観る将」が観た第79期順位戦B級2組 藤井二冠6回戦

10月21日に行われた順位戦B級2組6回戦、藤井二冠と村山七段の対局の感想です。村山七段は深い序盤研究で知られ、昨年の叡王戦七段予選で対局した際には、角換わりの秘策手順を披露してリードを奪い勝利を収めています。藤井二冠にとってはリベンジマッチとなります。

本局は、後手の村山七段が横歩取りに誘導しました。藤井二冠にとっては、先日豊島竜王や羽生九段に敗れた戦型でしたが、逃げることなく受けて立ちました。△7六飛とお互いに横歩を取り合い、更に角交換した後、ジリジリした駒組みが続きます。

夕休明け、ようやく8筋から開戦しましたが、難解な局面が続きます。両者熟考を重ね、22時過ぎまで形勢は互角に見えましたが、徐々に圧力を掛けていた藤井二冠が▲8四銀打ちから敵陣を突破し、23時過ぎ、ついに村山七段の投了となりました。

対局後のインタビューで村山七段は、序盤に▲2七飛と「と金」を払われた手が想定外だったと語っていました。藤井二冠が相手の研究をうまく外し、隙を見せずに相手を追い詰め、最後は一気に寄せ切るという、いつも通りの強さを見せた一局だったと思います。

これで藤井七段は5勝0敗となり、B級2組で単独トップに立ちました。昇級確定までまだまだ油断はできませんが、一期抜けに向け後半戦も期待したいと思います。

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