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一般棋戦の同一年度完全制覇の偉業に挑む藤井竜王

2022年度も年度末を迎え、藤井竜王が4つある一般棋戦を同一年度に完全制覇する可能性が高まっています。既に将棋日本シリーズ(JT杯)と銀河戦に優勝し、朝日杯将棋オープン戦(朝日杯)とNHK杯将棋トーナメント(NHK杯)ではベスト4に進出しています。

一般棋戦は基本的にトーナメント方式となっており、優勝するには1つも負けられない難しさがあります。また持ち時間の短い早指し棋戦なので、トップ棋士と言えども終盤まで正確に指し続けるのは困難という側面もあります。

過去に一般棋戦の完全制覇を成し遂げた棋士がいるのかと気になったので、銀河戦が始まった1992年度以降の一般棋戦の優勝者と準優勝者を調べてみました。

日本将棋連盟HPから筆者が一覧化

結論から言うと、1992年度以降に一般棋戦の完全制覇を成し遂げた棋士はいませんでした。2011年度に羽生九段が朝日杯、NHK杯、JT杯の3棋戦を制覇しているのが最高です。この年の羽生九段は、銀河戦では惜しくも準決勝で敗れています。銀河戦が非公式戦だった時代を含めると、羽生九段は1997年度(全日本プロトーナメント、銀河戦、NHK杯)、1998年度(銀河戦、NHK杯、JT杯)にも3棋戦を制しています。

表にはしませんでしたが、2002年度まで行われていた早指し将棋選手権、2007年度から2012年度まで行われていた大和証券杯ネット将棋・最強戦、タイトル戦に昇格する前の叡王戦も確認してみました。それでも同一年度に3棋戦以上で優勝した棋士は羽生九段以外にはいませんでした。

藤井竜王はタイトル戦に初登場して以来、一度も敗退したことがないという前人未到の記録を更新中で、全八冠制覇を視界に捉えつつあります。そんな藤井竜王にとって、もしかするとそれ以上に難易度の高い一般棋戦の同一年度完全制覇まであと4勝です。ベスト4まで勝ち上がってきた強敵を相手に4連勝することは容易ではありませんが、期待して見守りたいと思います。

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