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第81期順位戦A級4回戦 ~佐藤天彦九段が反則負け~

順位戦A級は全員が4回戦の対局を終えましたので、状況を確認しておきたいと思います。

最年少名人獲得の期待が掛かる藤井聡太竜王は、10月12日に斎藤慎太郎八段との対局がありました。齋藤八段が角換わりで9筋の端攻めを絡めた工夫の仕掛けで早々に馬を作って攻め込みましたが、藤井竜王は9筋から"と金"を作って反撃し、5筋の継ぎ歩攻めで挟撃態勢を作って寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 豊島将之九段 - 糸谷哲郎八段
 広瀬章人八段 - 稲葉陽八段
 菅井竜也八段 - 佐藤康光九段
 永瀬拓矢王座 - 佐藤天彦九段(マスク不着用による反則負け)

豊島九段、広瀬八段、菅井八段、藤井竜王の4人が3勝1敗でトップに並んでいます。斎藤(慎)八段、永瀬王座、稲葉八段の3人が2勝2敗で追っています。次の5回戦で、豊島九段vs菅井八段、広瀬八段vs藤井竜王の対局が組まれていますので、誰が抜け出すのか楽しみにしたいと思います。

なお佐藤天彦九段の反則負けについて、日本将棋連盟は3日後に経緯と詳細を報告しています。

個人的には、この臨時対局規定は目的を見失っているのではないかと思わざるを得ません。対局者にマスクを着用させたいのであれば、対局相手や記録係が気軽に着用を依頼できる雰囲気を作れば良い(権限などという堅苦しい言葉を使わなくても声かけとかできますよね)のであって、マスク未着用のまま誰も注意しないで30分も放置し、いきなり反則負けにするより実効性があると思います。対局者は盤上に集中しており着用を忘れることはあるかもしれませんが、注意されても着用しない棋士はいないと信じています。

私は当日YouTubeの映像をリアルタイムで観戦し、佐藤九段が優勢ながらもどちらに転ぶかわからない展開にワクワクしていましたが、思いもよらない結末にものすごく残念な気持ちになりました。将棋ファンの期待を裏切るようなこの規定については、存続させるのかどうかも含め即刻改善されることを切に願います。

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