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子どものハートに火がつく

子どもの頃から、冬になると
「葛城山に雪遊びに行こう」
と近所の子ども会で、葛城山に登った。
アイゼンを運動靴に装着して、滑らないよう歩いたが、なんともぎこちない。
それでも、この鉄のスパイクみたいなアイゼンがカッコイイと思った。
男の子は、だいたいそんなものだ。

息子が学校から帰ってきて
「お父さん、今日学校でベーゴマをまわしたよ」
「へー、ちゃんと糸まけたん?」
「うん。6年生で上手な子がいて、おしえてくれたんだ」
「おもしろかったか?」
息子は大きくうなずいて
「かっこよかった!」

すごくテンションが高い。
「あのね、ベーゴマが回転して、もう一個のベーゴマとぶつかるんだ。一個がはじき飛ばされるの」
「もっとスゴイのが、ベーゴマとベーゴマがぶつかって火花が散るんだ」
「ほー、それはスゴイなぁ」
「スゴイ迫力なんだ」

今の時代、ボタンひとつ押すだけでまわるベーゴマみたいなベイブレイドなど、進化したおもちゃがある。
「ベイブレイドのほうが簡単やろ?」
息子は首を振り
「ベーゴマのほうがカッコイイ!手でもったら重いんだ」
鉄の重み、飛び散る火花。時代は変わっても、男の子のハートに火をつけるものは、同じだった。


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