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開かずのトビラを開けたら

神棚を掃除したときのことだ。毎年年末になると、私が神棚をタオルで拭いたりする。気になることがあった。
「この扉は開けてええのか?」
ずっと、開かずの扉になっていた。
「神社の本尊の御扉(みとびら)も開いてないなぁ」
神棚の扉を閉めておいたほうがいいのか?

「令和になったし、開けて掃除しよう」
意を決して、開けてみた。
「なんやこれ?」
中には、旧いお札がいくつも閉じ込められていた。
「大晦日に石上神宮に持っていこう」
12月31日は石上神宮で年に一度だけ、禁足地に入れる神庫祭(ほくらさい)がある。

神庫には御神宝が収蔵されている。有名な七支刀(しちしとう)も納められている。
社務所で
「神棚から、あちこちの神社でいただいたお札があるんですが」
「これはお寺やなぁ」
ひとつだけ、返された。
弘法大師 一千百年 御遠忌記念品 高野山櫻池院

年が明け、高野山宿坊櫻池院(ようちいん)に電話してみた。
「お尋ねしたいのですが、旧いお札のようなものが神棚から出てきまして、櫻池院と書いてありましてお電話させてもらいました」
「神棚から?お焚き上げさせてもらいますから送ってください」
「宜しくお願いします」
開かずの扉を開けて、収まるべきところに収まった。

コロナもきっとおさまる。

感謝

あなたが読んでくれたから、また書けます。

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