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パートナーとお金の話、できていますか? お金が貯まりやすい「共通財布」の作り方

突然ですが、結婚されている方や、もしくは結婚に近い関係にある方にお聞きします。

パートナーと「お金の話」できますか?

昔はこんな質問自体考えられなかったのかもしれませんが、子どもができても共働きが当たり前になった今では、相手の収入や貯蓄額を知らないなんてことも珍しくないようです。

新型コロナの影響で昨年よりも時間外労働時間が「減った」人は20%以上との調査(日本生命アンケート結果)もあり、特に、相手の収入や支出が分からない家庭では「貯めていると思ったら全く貯金がなかった」という悲惨な結末は避けたいところです。

このコラムを担当するのは、この話を聞いて「エッ! 一緒に暮らしているのに相手がいくらお給料をもらって、いくら貯金があるのかも知らないの?」ととても驚いた、編集部独身代表⁈ の倉橋です。

今回は、わたしが編集をして12月7日に翔泳社から刊行される『書けば貯まる!共働きにピッタリな一生モノの家計管理』の本から、実際の本ではボツになったけど面白かった話や、今どき夫婦の家計改善策などをご紹介したいと思います。

家族のお金に「縄張り意識」!?

夫婦間のお金の話をするときに「お財布は一緒」「お財布は別々」という言葉を使いますが、一緒に暮らすようになったときに最低限話すのはこの「お財布を共通にするか、別々にするか」ではないかと思います。

次の一文は、この本の著者で、共働きの世帯の女性を中心に年間200件の家計相談をしているFPの塚越菜々子さんの、わたしがボツにしてしまった原稿の一部です。

財布・共通財布はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、どちらがよいというのは一概に言えませんが「俺の金」「私の金」という縄張り意識を取り払い、全体の把握をすることを始めましょう。

不公平感が生まれやすい「別財布」

塚越さんが推奨する夫婦円満の財布は「共通財布」でした。ページ数の関係で本への掲載は「共通財布」だけにして、結局、未掲載となった「別財布」をこの場でご紹介します。以下、これもわたしがバッサリとボツにした原稿からの抜粋です。

「別財布」とは、それぞれの収入をそれぞれが管理し、共通の支出に関してお金を出し合うスタイル。大きく分けて2タイプあり、一つは、例えば「住宅ローン」「水道光熱費」「通信費」は夫が負担し、「生活費」「教育費」は妻が負担するなどの「費目負担制」。もう一つは、二人で取り決めた定額を夫婦の共通口座に入金する「生活費拠出制」です。

生活費拠出制は共通財布じゃないの? と思われがちですが、共通口座から引き落とせないものを個人で支払っていたり、個人費が明確ではなく全体が把握できていないなどの特徴があります。

「別財布」のメリット・デメリット

夫婦どちらも自制してお金が使えるタイプであったり、夫婦どちらも十分な収入が持続してあるケースは別財布でもうまくいっていることが多いようなので、本書が推奨する「共通財布」で上手くいかない夫婦は試してみてもいいかもしれません。

◆「別財布」のメリット
・自分の収入に干渉されない
・比較的自由にお金が使える
・管理されていると感じにくい

◆「別財布」のデメリット
・相手の収入や支出が分からないので「貯めていると思ったら全く貯金がなかった」(当事者にとっては怒り心頭でしょうが、独身の身としては笑えました)
・「費目の負担割合に不満がある」「自分は節約しているのに相手は自由に使っている」など、不公平感を抱きやすい(これも、あるあるかなと思います)

夫婦円満、お金が貯まりやすい「共通財布」とは!?

では、「共通財布」とはどんなものかというと、夫婦どちらの収入も「家族のお金」とみなし、そこから支出や預金をする方法です。

次の図を見てもらえればわかるように、お互いお小遣いは別々に取っているのがポイントです。夫婦であってもお互いに大人なので、「個人的な支出」については秘密があって当然です。重要なのは、個人的な支出に口を出さなくて済むようにすること。そのためにも「家族のお金」「個人のお金(お小遣い)」を明確に分けていきます。

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「共通財布」は話し合う順番が大切

支出を減らして預金を増やそうとしたときに一番やってはいけないのは、お小遣いから話し合いをしようとすることです。お小遣いをいくらにするかは根拠がないと納得しにくいものです。

根拠を明確にするためにまずは、子どもの教育やどんな暮らしがしたいかのビジョンを確認し、そこから必要な貯蓄額を割り出します。このときに固定費や変動費などの支出を知る必要があります。そして最後に、個人で使えるお金(お小遣い)の話し合いをする手順で進めていきます。

『書けば貯まる! 共働きにピッタリな一生モノの家計管理』では、共通財布で家計全体を見渡せるようにし、夫婦で話し合いをする土台ができるように、4ステップで「貯まる仕組み」を作っていく構成です。

実際に書き込みシートを順番に埋めていくことで、夫婦で話し合いをしながら「今」から「将来」まで見通すことのできる家計作りができるようになるのです。

理解や納得を得られやすい、お金の話の進め方

お金の話は何かとセンシティブなので、カップルで話し合いが進まないということも多いようです。

つい使ってしまうNGワードが「不安だ」「何とかしないといけない」「もう少し預金を増やしたい」「一緒に考えてほしい」など、抽象的な言葉ではないでしょうか?

しかし、抽象的に言われると具体的に何をしたらいいか伝わりにくいため、相手は「自分の収入が少ない」「自分が使いすぎている」と責められているように感じる人も多いようです。

こんなときのポイントは、感覚ではなく事実としてとらえてもらうために、パートナーに話をするときには「根拠」と「数字」を準備しておくこと。

「収入が〇万円に対し支出が□万円。△万円不足しているから、どこを調整すればいいか意見が欲しい」というように、少々ビジネスライクに提案するといいようです。

数字で説明するほうが納得を得られやすいことが多いようです。

また、パートナーのお金の使い方に不満があり改善を提案するときは、「日常の生活で相手がどのようにお金を使っているのか」「相手がやりくりなどで大変に感じていることはないか」などをよく聞くようにするとスムーズに話し合いが進む傾向があるようです。

いずれにしても相手をねぎらうことから始めることをお忘れなく!


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