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仕事術(翔泳社の福祉の本)

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翔泳社の福祉の本が扱う「仕事術」をテーマにした記事を収納しています。
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記事一覧

傾聴迷子から脱出する3つの方法

傾聴はビジネススキルとして活用されるほどのブームとなりましたが、カウンセラーや看護師、介護士など、対人援助職の方にとってはそもそも仕事に欠かせないスキルです。 ですが、「他人の話をちゃんと聴く」のは存外難しく、傾聴しているつもりでもうまく話を聴けておらず、相手が戸惑ったり不満を抱えていたりすることがあります。 『心理学に学ぶ鏡の傾聴』(翔泳社)の著者、岩松正史さんは傾聴しているはずなのにうまくできないと悩んでいる人を「傾聴迷子」と呼んでいます。 本書では傾聴迷子の人が正

自分の心の声を聴くと、どうなるの?

「自分を大切にする」「自分に優しくなる」「自分を知る」といったことが、どうにもイメージできずに今まで生きていました。 周りからは猪突猛進タイプと言われ、中学校の先生には「エレベーターガール」と呼ばれていました。名前の由来は、私の成績がエレベーターのように最上階から最下階までアップ・ダウンして安定性がないということらしいです。 イノシシのようにあとさきを考えずに勉強に熱中するときもあれば、まったくやる気が出なくなるときもあり、今でもその傾向は残っています。 宵越しの銭は持

令和型の管理職、どんなコミュニケーションがNG?

今の職場は昭和、平成、令和の価値観が混じり合い、自分がどのようなマネジメントやコミュニケーションを望ましいと思っているか、上司も部下も一致しづらいことが大きな課題となっています。 例えば、上司が現代ではハラスメントに分類されるような言動を適切なコミュニケーションだと考えていたら、20代の部下は心身に不調をきたしたり、嫌気が差して転職したりするかもしれません。 そうした事態を防ぐには、令和の時代にふさわしいマネジメントとコミュニケーションが必要です。その前提として重要なこと

12年前、忙しい介護職の人でも楽しくスキルアップできる本を作ってみたら

11月11日は国(厚生労働省)が定めた「介護の日」です。 これは、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけているとのこと。覚えやすいですね。 また、この日にちなんで厚生労働省は「介護の日」の前後2週間を「福祉人材確保重点実施期間(11月4日~11月17日)」に指定しています。これは介護や福祉の仕事を「やりがいのある、魅力ある仕事」として発信するためだそうです。 そこで、翔泳社も福祉の本を刊行している出版社として、少しでもその取り

ささいなミスで重大なITセキュリティ事故を起こさないための対策

日頃、情報漏えいのニュースを見聞きすることがありますが、その中には信じられないほどのうっかりミスが会社の信用や存亡を危うくするような事例も少なくありません。 パソコンやネットワークに悪意のある攻撃を仕掛けられたという大がかりなものではなく、重要なデータが入ったUSBメモリや鞄を紛失した、メールの宛先をBCCにするつもりがCCにして何百人の顧客に送ってしまった、など──。 そうした人為的でささいな、でも笑えないミスでITセキュリティ事故を起こさないことは、リスク回避の観点か

援助職の人がすぐ使える具体的な「傾聴」の方法

対人援助の仕事をしている方にとって、相手の状態や考えを知るための傾聴はとても重要です。コミュニケーションが苦手で難しいと感じている方は少なくないかもしれませんが、スキルとして身につけておけば役に立つこと間違いありません。 以前、『対人援助の現場で使える 傾聴する・受けとめる技術 便利帖』(翔泳社)という書籍から傾聴するのに必要な心構えと基本的なテクニックを紹介しました。今回は本書から、より具体的ですぐ実践できる傾聴のテクニックを解説します。 著者の大谷佳子さんはこれまで援

援助職なのにコミュニケーションが不安なら、まず聴く力を高める

対人援助職にとって、援助対象者と良好な関係を作り信頼を得るためのコミュニケーション能力は最も大切なスキルの1つです。しかし、コミュニケーションに苦手意識のある方も多く、どうすればいいのか分からず困っている方もいるのではないでしょうか。 コミュニケーションの悩みを「自分が上手に話せないこと」だと感じ、会話上手になろうとしているのだとしたら、まずはそこから認識を改めたいところ。コミュニケーションが上手な人は自分が話すことよりも、相手の話を傾聴することに重きを置いているのです。

転倒事故で亡くなる高齢者は交通事故の4倍、介護支援でフットケアが重要に

転倒事故で亡くなる高齢者は交通事故の4倍、介護支援でフットケアが重要に高齢になると足や爪が変化したり衰えたりし、段差だけでなく平面を歩いているときにも転倒することが多くなります。 厚生労働省の「人口動態調査」(2014~2020年)によると、2020年に交通事故で亡くなった高齢者は2199人、対して転倒事故では8851人という約4倍になっています。そのため、介護をしている方が高齢者の足の健康を維持するフットケアを行なうことが大切です。 ですが、介護現場では「何をどうしたら

上司ガチャで外れたと思われないために大切なのは、上司の側が変わること

先輩や上司、管理職の立場にある人が年齢の離れた後輩や部下を持つと、世代間ギャップによってコミュニケーションに悩みを抱えることが少なくありません。 特に近年働き始めたばかりの若手世代と40代以降の世代では価値観の違いが大きく、若年層の間では自分で上司を選べないことを「上司ガチャ」と表現することも。いい上司に巡り合えば当たりで、嫌な上司に出くわすと外れということです。 上司からすれば「若いやつらは分かっていない」「根性がない」と思ってしまうかもしれませんが、むしろ変わらないと

その接し方で大丈夫?『新人保育者の育て方』であなたの先輩力をチェック

翔泳社から好評発売中、新人保育者の育成担当として必要なスキルと心構えを解説した『安心して仕事を任せられる!新人保育者の育て方』。 この春、新人保育者を育てる立場になった方は「自分がうまく育てられるか」「新人との接し方が分からない」と不安を抱えているのではないでしょうか。 今回は本書から、「序章 あなたならどうする!? 新人育成力チェック」を紹介します。 すぐに落ち込む新人、いつも指示待ちの新人……どうすれば信頼され仕事のできる保育者へと育てることができるのか、ヒントを掴

訪問介護のマネジメントを担う「サービス提供責任者」に期待されていること

2021年度の介護保険制度の改正や新型コロナウイルス感染症の拡大などによって、この数年で介護サービスの現場は大きな変化に見舞われました。 具体的には、感染対策の強化、自立支援・重度化防止に向けた科学的介護の推進、認知症専門ケア加算の導入、看取り期のサービス提供の算定特例などが挙げられます。 特に訪問介護において現場のヘルパーの負担は大きく、一方でこれまで以上に安全で安心なサービスを提供しなければなりません。そのため、訪問介護のマネジメントを担う「サービス提供責任者」(サ責

なぜか相手に怖がられる…対人援助職の人が言葉以外で気をつけたいこと

対人援助の仕事をしている方にとって、言葉遣いは相手とよい関係を作るうえで非常に大切です。 ですが、コミュニケーションにおいては言葉だけでなくちょっとした表情や態度も相手にさまざまな印象を与えます。例えば、以下のような項目に覚えがある方もいるのではないでしょうか。 □  ただ黙っているだけなのに、「怒っている?」と誤解されることがある。 □ 「疲れた顔をしている」とよく言われる。 □ 困った場面で、とっさに笑い顔になっている。 □ 座っている相手に、立ったまま話しかけること

「接客が怖い…」と感じている登録販売者のための基礎知識

ドラッグストアや薬局だけでなく、家電量販店やコンビニなどでも市販薬が販売されるようになり、登録販売者の活躍の場が広がっています。 現在の登録販売者試験は、受験前の実務経験が不要になっているため、合格後に「研修中の登録販売者」として現場に出ることに不安を持つ新人さんも少なくありません。 特に、お客さんの話を聴いてもどんな症状か分からない、あとになって「正しい商品をおすすめできただろうか?」と心配になるなど、接客の場面で悩む方が多いようです。 今回は、登録販売者講師として、

対人援助職の人が「質問力」を高めるには? 相手とよい関係を作る3つのポイント

人とコミュニケーションすることが仕事の多くを占める対人援助職。適切なケアのためには相手がどんな状態かを知ることが欠かせませんが、そのとき重要になるのが質問の仕方です。 介護や医療の現場では、質問次第で相手との関係が左右されることも。その一方で、質問の技術について学ぶ機会は多くありません。相手が答えやすい、サポートに役立つよい質問をするには、どんなことを意識すればいいのでしょうか。 質問力を高めるには経験だけでなく、コミュニケーションする際に心がけるべきことを知っておく必要