見出し画像

GN Athlete Interview #4 廣瀬俊朗

GRIT NATIONがもっとも大切にしている在り方(Value)は「進化を楽しむ(Positive Attitude for Transformation)」ということ。目標設定はもちろん大事だけれど、本当に高みに達する人たちはそのプロセスすらも楽しんでいる。だから僕たちはトップアスリートの生き方に学び、人々の生き様を肯定するブランドでありたい。実際にGRIT NATIONでトレーニングするアスリートへのインタビューを通じて、GRIT NATIONの思想を伝えていきたいと思います。

第四弾は元ラグビー日本代表主将で、現在はラグビーの普及や社会貢献、俳優活動に奔走する「大義と文化の伝道者」廣瀬俊朗さん。

【体型を最高に美しく見せる!生き方を肯定するカスタマイズTシャツ】
▶︎クラウドファンディングに挑戦中。是非プロジェクトをご覧ください!
https://camp-fire.jp/projects/view/227182
※184%達成で終了しました!

画像1

Shoe: トシ(廣瀬俊朗)とはもう20年の付き合いになるのか。5年前にトシの本(なんのために勝つのか。)の出版をサポートしていて、目次のタイトルを一緒に考えていた時に生まれた言葉が「進化を楽しむ」で、この言葉をGRIT NATIONの理念に据えているから、いつも君のことは頭のどこかにいる気がするよ。
長い付き合いだけど、どこで自分が変わったと思うのかって話を聞きたいなと。俺が大学で一緒にラグビーをやっていたキャプテン廣瀬と、日本代表キャプテン廣瀬はなんだか別ものになっていたような気がする。自分のキャプテンライフをどんな風に評価してるのか?もし変化があったとしたらどこにポイントがあったのか?

Toshi: 一番変わったのは東芝時代だと思うけどね。高校・大学は一番上手い人がキャプテンだとある程度うまくいくっていうのが一つあるのと、僕の考え方として、ある意味で選手を大人扱いというか、少し冷めているというか、一人一人がちゃんとやればいいよねというスタンスが、学生のチームには物足りなかったかもしれない。   
社会人になって、自分よりもうまい人とか外国人とか年上の人がいっぱいいる中で、キャプテンとしてどうやってチームを作っていこうというのはやっぱり難しいこと。そのとき冨岡さん(冨岡鉄平)っていう前キャプテンがいて、大義やWHYについてすごく深く言ってくれて、自分の価値観が変わっていった気がする。そうして自分のスタイルができて日本代表までいったから良かったのかな。東芝のキャプテンをやったことで学んだことはもちろん、むしろキャプテンになる前の冨さんから学んだことが大きかった気がする。 そこで変わったと思う。 

Shoe: あの頃の東芝は本当にどんどん強くなっていく時期だったよね。

Toshi: 冨さんのときはそうだね。冨さんがキャプテンになって、チームが強くなっていった。俺のときは、その強さをなんとか維持する感じやったかな。

Shoe:  強い時の東芝には偉大なキャプテンがいて、メンバーもタレントがたくさんいて、そしてチームビルディングや勝ち方だって分かってたはず。だけどどうしてそれがずっとは維持できない、落ちていくのだと思う?

Toshi: 一つの難しさはリーダーが替わっていく中で、大義とかミッションとか、心からそれがいいと思って、自分の言葉で話してるかどうか。もう一つは他のチームも進化しつつあった中で、東芝は次にどこを進化させるか見えなかったのかもしれない。変化を楽しむっていうよりも、割と今までのものを大事にしたということがあるかな。

Shoe:出来上がったものをキープするっていうことは、実は退化しているっていうことか。

Toshi: それはある気がする。

Shoe: それはすごい重要な示唆だよね。だからやっぱり進化を楽しむ必要があるんだと思うけどね。うん、なるほど、凄い納得した。本当に不思議だったのが、冨岡さんも素晴らしい、廣瀬も素晴らしい。そしてリーチも勿論素晴らしいって言われている中で、でもずっと勝ち続けられるわけではない。

Toshi: まあそうだね。マイケルも最初は東芝でキャプテンをして、あんまりキャプテン経験なかったし。日本代表でキャプテンになったときも、なんやろね。なんかあんまり目的を大事にしてる感じはなかったね。どっちかというと勝つか負けるか、シンプルにそれだけみたいな。そういうスタイルだったから、勝ってる割にはみんなが何かおもんないなーみたいな。 おもろいけどおもんない。そんな感じだった。
けどマイケルも大きく変わった。フィールド外のコミュニケーションや活動も多くて、日本のことも調べに行ったりとか、すごくいいリーダーだなって思う。でもW杯のときは多分プレッシャーもあったし、周りのこと考えすぎて、自分のパフォーマンスが落ちて。落ちたけどそのときラブスカフニがゲームキャプテンを担ってくれて、自分はリザーブになったときに自分のパフォーマンスに集中できたから、もう一回アイルランド戦では自分を取り戻して、スコットランド戦でキャプテンになってみたいな。すごいいいシナリオがね、できたなと思う。

Shoe: 結構トリッキーな判断じゃない?聞いたことないがないからさ。あれはジョセフの判断?

Toshi: ジョセフだけのアイデアかはわからないけど、あれができるのもリーダーシップグループがあるからだと思う。普段からシェアしてるから。普段から色々なことをマイケル1人でやっててバイスキャプテン2人くらいとかだったらできなかったと思うし。グループがあってみんなで話し合ってきたから。  

Shoe: 日本の会社、特に俺がいた大企業なんかは、個性とか個人というものにあまり頼らないようにしてきたと思うんだよね。再現性やリスク管理みたいなことを徹底した結果、人を部品のように扱う組織になったのかなと。でもじゃあ1人のカリスマに頼ればがいいかっていったら、その人が抜けたり間違えたりしたらおしまい。今聞いたリーダーシップグループっていうのは、何かラグビーとかスポーツにとどまらず、組織が成長し続ける、あるいは不測の事態にも対応できるという何か一つの鍵のように思えるね。

Toshi: このアイデアは凄く良いと思うし、おっしゃるようにサステイナブル(持続可能)な企業が生まれる要因になるんじゃないかって思う。

Shoe: リーダーシップグループだけで別のミーティングがあったりするの?

Toshi: 試合終わった瞬間喋ってたもんね、あの人ら。円陣になって。多分今日の試合のフィードバックと翌週に向けて簡単なプレビューとかやってたと思う。マイケルがアイルランド戦に勝ったあと、30分だけ喜んだら次の試合の準備に向かうみたいなこと言ったのもその流れだと思う。

画像2

Shoe: 良いチームを作るということが、これからのトシのテーマの一つだと感じるけど、ポイントはどういうところにあるのかな?

Toshi: やっぱりWHYのところ。存在意義とか目的とか、大義が大事。チームの大義にみんなが納得してくれて、もしくは自分の人生の大義みたいなものと、ちゃんと親和性があってほしいなっていうのはある。自分自身の大義を持ってない人がいっぱいいたら、多分弱いチームになる気がするね。ラグビーで言えば現場の選手、ここ(GRIT NATION)で言ったら何やろな、コーチかな。コーチにスタンダードをちゃんと作れる人がいるかどうかってのが大事な気がするね。指導者や経営者が「勝つためにはこれぐらいやらなあかんやろ」みたいなこと言ってるようじゃ駄目だと思う。自分たちで「こんなじゃアカンからここまでやろう」みたいに、現場の人が言えるってのはすごい大事。

Shoe: 現場がちゃんとものを言える雰囲気というか、何を目指すのかという大義もそうだし、現場が本音を言っていい文化みたいなものがいるよね。
トシと話す中で何度も「大義」と「文化」ってキーワードが出てくるんだけど、俺なりに考えていくと、大義ってチームによってあったりなかったりするんだろうなと思う。だから意図的に設定することがすごい大事。コンパスみたいなもので、これが無いとどこに向かっているか分からかくなる。
一方、文化は勝手にできちゃうもの。無意識の後ろ向きな発言だったり、サボったりとかちょっとしたことが全部文化に影響しちゃってる。だからこそ変えることが難しいし繊細なもの。トップが喚いてもできるものでもなさそうだし、現場が自発的に当事者意識を持つのを待つ時間はないし。どうすればいいんだろう?

Toshi: 文化作り…そこはキャプテンとかリーダーが大事になるね、自分たちはどんな集団になりたいのか。あと、「何を残したい」みたいなのも結構大事なポイントかな。自分たちはここを去ったときにどんな人って言われたいの、 みたいなこと。

Shoe: なるほど!指示ではなく、問いかけなのかな。なるほどね。

画像3

Shoe: 何で君はそういう人間になったんだろうね?

Toshi: 親の影響も大きいし、ラグビーに外国人の人が多いのは良かった気がするね。チームメイトにニュージーランドもトンガもフィジーもオーストラリアもいて、日本人の常識が当たり前じゃないということを、社会人入って22歳ぐらいからずっと一緒に感じられた。これは良かった気がするね。

Shoe: 確かに、慶應の仲間なんか特にそうだけど、同一性が高い、似た者同士が集まってる時ってなんか安心するよね。でも、多分これじゃ駄目だなっていう危機感も感じる。

Toshi: ある人はね、そうじゃない人もいるけど。

Shoe: 多様性が当たり前の環境に適応したんだね。

Toshi: 例えばニュージーランド人はラグビーより家族が大事だと堂々と言うけど、日本人は最初理解できない。家族よりも仕事でしょ、ラグビーでしょみたいな。
一方でニュージーランドの人って結構レガシーって言葉を使うよね。このジャージに自分の何の価値を加えて何を残したいんだろうみたいな。そうすると自分の取るべき行動が決まってきたりとか。自分の世代はそんなにハッピーじゃないかもしれないけど、次の世代では子どもがラグビーやりたいと思えるような環境を作りたい。じゃあ俺ってどうあるべきなのかなみたいな話をすると、今は俺ら大変なところだけど、子どもたちが日本代表のジャージを着たいと思えるような世界を作りたいってなると結構みんな頑張ろうってまとまる。未来に貢献できてる実感みたいなのが良かった気がする。そうすると変わらん文化というか行動指針みたいなものがだんだん培われてくる。そして子供も大事にするし、ファンにサインもちゃんとするみたいなところに繋がったり。薬物みたいなところには行かへん気がする。あれびっくりだよね。なにしてんねん。

Shoe: 何なんだろね、あの薬物問題は本当に…

Toshi: 協会の対応も良くなかった。リーダーでも現場でも、どんな人間になりたいかとか、何のためにラグビーやってるみたいなものをちゃんと持ってるべきだと思う。GRIT NATIONのコーチもどうやって生きたいとか、どんな人生歩みたい、なんでここでコーチしてるんだろうとか、ちゃんと持ってた方がいい。

Shoe: トシについて語られるのってエディー後のことが多いけど、フェーズゼロというか、カーワン(ジョン・カーワン元日本代表ヘッドコーチ)の時も代表に呼ばれて外されて、あの頃のことも聞いてみたいな。

Toshi: あのときチームがすごい強くて、まあまあパフォーマンス良かったんやけど、でまあちょっと勘違いっていうか、なんかね、もう選ばれるんちゃうかなみたいな雰囲気に、俺がちゃんと現実見てなかったから外されたと思う。周りの人の、評価する人じゃない人の評価に踊らされてたって気がする。 失敗したっと思って。いい勉強だったよ。外されて。

Shoe: そういう時は傷つくの?

Toshi: まぁ傷つくけど、いつか時を経て、消化するんやろうね。その期間はどれくらいかわからないけど、しょうがないか、頑張ろうってね。

Shoe: どうにもならないことって分かってるけど辛いじゃん、 外されるとか評価されないって。どうやってそれを消化して次に行くの?

Toshi: 自分が悪かったって思えるかどうかかな、まずはね。人のせいにしてたら進めないよね。自分が悪い。だから次同じような思いをしたくないから頑張ろうって。あとは一生懸命頑張ってきたなら、それでいいじゃないかなみたいな。次頑張ればいいやって。

Shoe: そういう時期があり、でまたエディーに呼び戻されて。彼と濃密な時間を過ごした影響をトシからも凄く感じるけど、人にそんな強烈に影響を与えるって人ってなんか凄いよね。

Toshi: たいしたもんだよ、普通はそこまで関与してくれないし、嫌われるのも怖いし。本当すごいと思う。あのエナジー、なかなかいない。あの人はすごい。

Shoe: 何が1番の学びだった?

Toshi: 嫌われる覚悟みたいなことも凄いし、あと準備もすごいなーと思ったね。練習の準備もそうだし年間のプランニングをそうだし。これこそあの人も進化を楽しんでるんかわかんないけど、進化しまくってる気がする。常に学んで学んで、チャレンジしてみたいなとこはすごいと思う。いつもどっか行ってる。一方でグラスルーツみたいなものも大事にしてくれて、ワールドカップ期間中も日本の高校生とかにラグビー教えてくれたりしてる。

Shoe: 彼は何を大事にしてる人だと感じる?

Toshi: その仕事のミッションを徹底的に突き詰めるって感じ、プロフェッショナルイズムみたいな。それがあれば何もかもいとわないでやる。

Shoe:尊敬するポイントっていったらどこ?

Toshi: 自分にはないものを持ってる気がするね、嫌われるもそうだけど。あんな風にいけへんもんね、俺は。今日、俺電車に乗ろうとしてさ、上に荷物おいてるときに、おっさんにぶつかられて横に座って、俺が座るスペースこんなになってさ、これは絶対エディーキレるところだったけど、俺諦めてそこで降りたもんね。降りて電車を待つ。俺はそういう人だから。そこで争うエナジー勿体ない。エディーならまくしたてて、追いやるよ。

画像4

Shoe: スポーツというものを学校単位、企業単位っていう抱え方がやっぱり限界があるじゃない。北野高校のラグビー部もそうだし。 やっぱり地域の中に色んなスポーツが内包されてる状態がすごく大事。子供のうちは地域の中でいろんなスポーツに触れる、その上で中学校2,3年ぐらいで競技の絞り込みみたいなのができてくる。そうやって出てきた代表をみんながおらが街の代表としてこう応援していくみたいなことが多角的に起きないと、ラグビーだけでプロ化して頑張るみたいのは本質的じゃない。

Toshi: その話は今ユウト(銅冶勇人、廣瀬が理事を務めるNPOの代表)としてるんだよね。地域のクラブまでいくかはわかんないけど、アカデミーみたいなのはどうかって言ってる。色んな競技を楽しめる場を作りたいねって。それはそこに近いかもしれないね。
ラグビーも本格的にやりたい人と、ビギナーの人と。例えば本格的なサッカーとサッカービギナー、あとは座学みたいな、そんな感じのからスタートして。MAX週3ぐらいで学校みたいなスクールをつくりたい。それがいろんな地域にできて、いろんなスポーツを教えれる人がどんどん増えてくれれば。しまいにはクラブハウスみたいなものができたらね。

Shoe: めっちゃいいじゃん。ちょっと俺その議論にはすごく興味があって、別で動いてるプロジェクトもあるので、ぜひ議論に混ぜてよ。

Toshi: もちろん!プラットフォームを作りたいけど、コンテンツとしても使えるようにしたいっていう思いもあるから。

画像5

今輝いている人はずっと輝いているかのように見えてしまうものですが、そんなことは全くなくて、傷ついたことも失敗したこともたくさんあって、でも諦めないで努力を続けるから今この場所にいる。これからの時代の生き方のお手本のような彼の内面に触れて、かつて一緒にベロベロになるまで酔っ払っていた頃を懐かしく思うのでした。

生き方に誇りを持ち、その結果として表れる体型を肯定すること。GRIT NATIONは次なる事業として、その人の体型を最も美しく見せるカスタムメイドアパレルに挑戦します。

その仕組みを作るためのクラウドファンディングに、廣瀬俊朗さんのサイン入りラグビーボールが抽選限定1名様に当たる特別企画を展開しております!

【体型を最高に美しく見せる!生き方を肯定するカスタマイズTシャツ】
▶︎クラウドファンディングに挑戦中。是非プロジェクトをご覧ください!
https://camp-fire.jp/projects/view/227182
※184%達成で終了しました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?