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読書メモ:客観性の落とし穴/村上靖彦

本の概要

『客観性の落とし穴』

データによる可視化や比較の問題点が語られている。現代社会によくある数値化は結果的に良くない影響もあるという主旨であり、「統計は集団に対するラベル付けであり、個人の数値とは別物であるため、数値の比較にこだわるべきではない」とか、「ヒトが可視化・比較をすることを選ぶようになって、あるいは可視化・比較できるような仕組みを作ったことで、便利になった反面でこれができることの弊害が社会に悪い影響を与えている」といった指摘がされている。

全編を通して客観性の盲信が批判されているが、客観性自体を批判・軽視しているわけではない。読み手はこのような考え方があることを学び、共感できる部分は受け入れつつ、全体を盲信することなく取捨選択することが求められる。

個々の主張の理解は難しくないが、文の表現が冗長気味で読むのに時間がかかってしまったせいか言いたいことが見えづらかった。4章までは精読したが、5章以降は精読が苦しくなったため周辺視的な飛ばし読みをした。

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