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➡矢印を自分に刺す/紅茶に角砂糖


02:➡やじるしをじぶんにさす

 以前つぶやいたこのツイートを、よくわからないという方がいらっしゃったので、ゆっくり噛み砕いていきますね。➡矢印を自分に刺すお話です。


1、「攻撃された!」と感じるとき

 誰かのつぶやきを見て、「これは自分への攻撃にちがいない!」って思ってしまうとき、ありませんか? ここでは、その相手が、「自分を含めたどこかの誰かを、攻撃するためにツイートしたかどうか?」は、置いといて。「攻撃された!」と感じてしまう心の方について考えていきます。

 人の言動が、やたらと自分に向けられてると感じてしまう時は、誰にでもあります。どういうときかというと、「自分のこと」で心がいっぱいのときです。

< こころの中のイメージ >
「どうして自分は、〜できないんだろう?」
「どうして自分ばかり、〜しなくちゃならないんだろう?」
「どうせ自分は、〜だから」「自分だって、〜があれば」
「自分は……」「自分が……」「自分の……」
「自分」「自分」「自分……」

――心が、「自分のこと」であふれていて、
何を見ても、何を聞いても、「自分のこと」と結びつきやすい。

 こんなふうに。心の中が「自分のこと」でいっぱいになってしまっているので、「人のこと」と「自分のこと」とを、離しておくスペースがないのですね。


2、➡矢印を自分に刺す

 「誰かの言葉が自分に向けられてると思い込む」「そして、傷つく」――わたしはこういう状態を、「➡矢印を自分に刺す」と言っています。他の人々に向けられた言葉や、誰かがご自身の反省として記した言葉、誰宛でもないものまで、「自分宛だ!」と決めつけてしまう。

 twitterのタイムラインに流れて来た、自分と面識のない人の話も、自分のことと結びつけてしまい、傷ついてしまう。あっち⬆こっち⬇向いてるはずの矢印を、全部自分に向けて➡➡➡自分で、自分の心に突き刺していくような。

 これは、「言葉の刃物」による自傷行為のようなものです。 


3、感情の棚卸し

 他人の言葉を、「自分への攻撃だ」と解釈して、自分に突き立てるナイフにしてしまう。これによって、「自傷行為」なのに、「(その言葉を発したり、その言葉を支持する人々を含めた)他人からの攻撃」だと思い込んでしまう。人の言葉を借りて自傷することで、犯人が他にいるかのように装ってしまうのですね。

 このとき強いのは、「自分を傷つけたい」という思いよりも、「被害者になりたい」という気持ちです。そして、はじめの言葉を放った誰かや、その人物を支持してる層を、加害者に見立てて。「自分は傷つけられた!」「だから、怒りを吐き出したい!」「みんなの前で悲しみをぶちまけたい!」「誰かに労られたり、慰められたりしたい!」って。

 そこが、目的なのですよね。労られたい、慰められたい、だいじにされたい……というのが。

 勝手に傷つきにいって、勝手に怒って、優しさを乞う――

 心に、余裕がない状態です。感情処理が追いつかず、様々な気持ちを抱えて、いっぱいいっぱいです。誤動作でもいいから衝動的に発散し、ごちゃごちゃになった感情を棚卸しして、整理してしまいたい。空っぽになりたい。心にスペースを空けたい。それくらい、「自分の心の力」にやられてしまってるのです。

 これは良いとか、悪いとかの話ではなくて。そうした状況は、誰にでもあるものです。なので、あんまり心配しないでも大丈夫です。

 つぎ、対処法いきますね!


4、心の余白づくり

 いっぱいいっぱいの心に、スペースを作っていきましょう。
 対処法は、以下のみっつです。

対処1)キライを避ける

 嫌な物、嫌いな事、嫌いな人、嫌いな言葉……
 ありとあらゆるシーンで、「キライ断ち」をする。

 「キライ」を心に入れず、イヤな思いをぐるぐる回さない。
 これ以上、「自分なんか」とか「自分だって」を増やさない。

対処2)スキを開拓する

 好きなものに、接してみる。
 「熱烈に好きなもの」「ゼッタイの推し」みたいな、
 すでにLOVE値がカンストしてるようなものではなくて。

 「なんとなく好きそうなもの」を探して。
 「好き」って気持ちを、レベル1から育成していく感じ。
 「考える」より、「体感」していく。

3)ガツンじゃなくて、ふわっとはじめる

 「誰かへの反応」ではなくて、「自分の言葉」からはじめてみる。
 「どこかの誰かが、こう言ったから」「許せない!」とかではなく、
 「自分から」アクションして、「自分のこと」を話してみる。

 そのとき、無理に自分の状態を伝えることはなくて。

 「いま、余裕がなくて……」
 「ちょっと誰かに聞いてほしかったんだ」

 ――みたいな。
 自虐するのではなく、悲劇に酔うのでもなく、相談でもなくって。
 普段の会話として、「ふわっと」素直に話してみる。


5、まとめ

 まとめます。無関係な人々の言葉を借りてまで、自分を傷つける……そんな「➡矢印を刺す癖」が出てしまって苦しいときは。心が、くたびれてる証拠です。

 twitterで偶然見かけた誰かのつぶやきを、「自分への攻撃にちがいない!」と、カッとなって突進するほどなら。その前から、「イライラ状態が長引いてる」ということです。少しのきっかけで爆発してしまうほど、心がいっぱいいっぱいになっています。

 ご自分の心と、向き合いすぎているのですよね。

 「ご自分を責める心」に、すっかり痛めつけられています。いまは、そういう状態らしいと知って、「どうせ自分は」とか、「自分だって」みたいな言葉ではじまる、劣等感や、焦りばかりを見すぎないように。過ごし方を変えます。

 自分を心地よくしてくれそうなアイテムや、気が合いそうな人や、面白そうな出来事や言葉と、新しくお付き合いをはじめて。自分の中の可愛いところ、ユニークなところ、不思議なところ、ちょっと自慢できるところを、引き出してください。そしてそれを、面白いものだとか、良い感じだとか、愛でてください。

 楽しい時間を過ごそうってことですから、怖くないです。今からでも、明日の楽しい約束ひとつ、「一駅くらい、ふらっと歩こうかな?」とか、「コンビニの新商品、試してみよう!」とか、思い浮かべておやすみくださいね。

 長くなりましたが、これで下山終了です。
 みんなが、心にあったかい言葉を選べますように。

いただいたサポートは、今後の創作活動のために大切に使わせていただきます。