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NiSi Close-up Lens | マクロで見る自然の芸術

はじめに

こんにちは。今日は自然風景の撮影で役立つフィルターを紹介します。
NiSiフィルターさんから販売されている「Close-up Lens」というフィルター。普通の円形フィルターと同じようにレンズに装着することで、被写体により近づいて撮影することができます。
同じような用途でマクロレンズという最短撮影距離の短い接写用に作られたレンズがありますが、このフィルターを持てばレンズ一本の代わりにもなります。さらにステップアップリングを使うことで様々なフィルター径にも対応でき、実質マクロレンズ数本分をこの小さなフィルターのみで賄えてしまいます。
厳密に言うとこのフィルターでレンズ自体の最短撮影距離を伸ばすわけではなく、虫眼鏡のようなフィルターによって被写体を拡大しているということになります。なのでマクロレンズよりもピント位置がとてもシビアになっています。少しずらすだけでピントが合わなくなり結構撮影時時間がかかることもしばしば。ただ改善法もあるのでこの記事で紹介していきたいと思います。

なぜ今回このフィルターを紹介したか

昨今の絶景ブームは少し落ち着いて足元の風景やアート系の作品を見かけることが増えてきました。
さらにGFXなど中判ミラーレスを持つ方も多くなってきています。そんな自分もフルサイズから中判へと移行してきましたが、ある問題にぶつかりました。

それは最短撮影距離の壁。

そうなんです。GFレンズは最短撮影距離が地獄のように長く、GF32-64では50cm~60cm、GF45-100では65cm~82cm、GF100-200に至っては60cm~1.6m、、、
中判の解像度を生かして小さな風景を撮ろうとも、50cm〜1m以上離れなければいけないんです。
このフィルターに出会うまでは足元の風景はピントの届くぎりぎりに置いてあとはトリミングを使ったりしていました。GFX100Sは1億画素でトリミング耐性はあるといえどちょっともったいない気もしていました。
そんな時にこのフィルターを手にして、まさに、本当に、自分の中で革命が起きたんです。

ということで今回、最短撮影距離に悩んでいる方や、足元や小さな風景を撮影したいという方に向けてこのフィルターを紹介しようと記事を書いています。

クローズアップレンズの本当の魅力

自分はこのフィルターを手にして、撮影の幅が広がるだけでなく、被写体に向き合う時間も物理的にも心理的にもかなり長くなりました。
普段自然風景を撮影するとき、朝早くから日の出を狙ったり、朝の現象を狙いますよね。そのピークが終わった後って皆さんどうしてますか?
撮影の仲間たちと朝ごはんだったり、夜の長い運転での疲労から仮眠したり、夕景のポイントまで移動したり、様々だと思います。確かにご飯や仮眠、移動は大事かもしれませんが、かなり暇になりませんか?昼の時間は太陽の光が強くて、幻想的な作品は生まれづらいかと思います。
そんな時にこのフィルターがあると意外にもまだ小さなとこにいい光が入っていたりして撮影することができます。
いつも自分は朝の撮影が終わるとこのフィルターを出して足元を見て歩き回ります。
例えば秋、特にこの季節は足元の風景撮影がかなり捗る季節で探すと色々な発見ができます。紅葉した葉っぱが地面に落ちていたり、水溜りが凍っていたりもします。そういった場所を探してひたすら歩き回ります。

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凍った水溜りに埋まる葉っぱを撮影
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落葉した葉と水の流れを撮影

撮影風景を見ても先ほど書いたレンズの最短撮影距離よりもかなり近くで撮影できていることもわかります。
こんな風に普段撮影に熱が入らない時間帯でも自然と向き合いさらに今までよりも作品の幅が広がり、増えました。

Close-up Lensの概要

このフィルター、最初に虫眼鏡のようにと話しましたが見た目も虫眼鏡のようです。

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カーペットのような短毛生地で可愛い

こんな可愛いケースに入っています。コンパクトなので撮影の時はポケットに忍ばせています。

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手のひらサイズです

厚さ約2cmほど、重さも200gほどで持ち運びやすいです。

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そしてレンズへの取り付けは円形フィルターと同じようにくるくると回して装着するだけ。これだけでマクロ撮影を可能にします。
もちろん、CPLの上からでも装着することができ、光の反射を調節しつつマクロ撮影もできます。

セッティング

フィルターの装着が終わったらいざ撮影。
ピント合わせは普通のマクロレンズよりも難しいです。
ピント合わせで自分はパノラマレールを使っていて、大体の構図を決め雲台の上にパノラマレールをセットし、その上にカメラを置いています。
パノラマレールでカメラを前後させるだけなので三脚の細かい位置調整なんかもしなくて済みます。

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こんな感じでセッティングをします。
簡単にマクロ撮影ができちゃいます。

作例

クローズアップレンズの魅力は伝わったでしょうか?
今回最短撮影距離の壁に立ち塞がった時にこのフィルターを使いましたが、フルサイズのレンズはもう少し寄れると思います。望遠レンズを使えばなんちゃってマクロ撮影もできると思いますが、もっともっと小さい世界も見てみたいと思いませんか?
というわけで、ここからはこのクローズアップフィルターを使って撮影した作品たちをご紹介したいと思います。
解像度の低下などほぼ気にせず撮影できるので本当におすすめのアイテムです。

こちらは秋に撮影した1枚。
朝の撮影が終わり、車へ戻ろうとした時に落葉した葉が道路脇の水溜りに密集していたのを見つけて撮影しました。
様々な色をした葉と水面の揺らぎが美しいですね。

これも秋頃に撮影。
同じく朝の撮影が終わり車へ戻る時に発見しました。(大体こんなタイミングで見つけます笑)
水面に浮かぶ油膜に落葉するとそれがひび割れました。
望遠じゃないと撮れないけど微妙な距離感、、そんなときにもこのフィルターが役に立ちました。

これは初冬。先ほど載せた撮影風景の写真の時に撮れたものです。
ピーカンの真昼間にこんな美しい光景に出会うことができました。

窓についた霜を撮影。
PLフィルターとクローズアップレンズを使って虹色を表現しました。

小さな世界ということで、森の中に広がるもう一つの世界。
きのこがここの住人のように見えてファンタジーでした!

作例は以上です。
いかがでしたでしょうか?
普段はあまり見ることのできない世界を写し出してくれるフィルターに出会えてまたさらに表現の幅が広がりました。

以上、おすすめしたいアイテムでした!
皆さんも一枚カメラバッグの中に忍び込ませておいてはどうでしょうか。

NiSiフィルター Close-Up Lens
https://nisifilters.jp/product/close-up-lens/

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