夏の練馬怪談①　『割り込み女』

今朝のことなんですけど、私、仕事で業務スーパーに買い出しに行ったんです。
でも、すっごい会計待ちの行列がレジ前にずらーと。２０人は並んでいたでしょうか。

皆さん重いカゴを持って、まだかなぁ、まだかなぁ、と待っていました。

私も、ヨーグルト６個と食パン８個マルコメのインスタント味噌汁５個をカゴいっぱいに入れて並んでて、まだかなぁ、まだ順番来ないなぁ、カゴ重いなぁ、って並んでいまして。

「お次お待ちの方～、お待たせしました～」

10分以上待ったでしょうか、ようやく長い時間待った甲斐あって、やっと順番が来た、とホッとした顔でレジに向かおうとすると、

するとですね、４分の１カットスイカを持った５０代後半ぐらいのマスクをした女性が私の斜め後ろからスッと私の前に出て

「すみません」、と

会釈をしながら横切ろうとする感じでやって来まして。

私はそのとき、てっきり、行列の向こう側にある野菜売り場にでも行くのかなぁ、と思って、そのー、その女性が通れるように、少しばかりスペースを空けて、道を譲ってあげたんですよ。

その女性、また会釈しながら、

「すみません」と

私が空けた通り道を横切って、

スススッ、スススゥーッ　と、

足早に野菜売り場へ行くのかなぁ、と何気なく見守っていましたら、

そしたら、ねぇ、、、そしたらですよ、、、、

その５０代後半の女性がですよ、、、

スぅ～～～　と、静かに方向を変えて、

４分の１カットスイカを片手に持ったままレジに行ったんですよ！！！！

ギャーーーーーーーーーーー！！！！！！！！

あああああああああーーーーーーーーーーーーーーー！！！！！！

そして、そのまま何事もなかったように

会計を済ませたーーーーーーー！！！！！！！

ブキャーーーーーー！！！！！！

あまりの出来事に私、呆然と立ち尽くして、金縛りにあったみたいに、なーんにもできなかったんですよぉぉぉ　

そのとき、不思議なことに、声も出せず、身動き一つできなかったんですよぉぉぉぉ

ほら、あなたの後ろにも、

４分の１カットスイカを持った５０代後半の女がぁぁぁ！！！！！！