日常会話のこなし方 2

良い人間関係は良い会話から。

でも、無理に話を続けようとして空回りすると相手にも気を遣わせてしまい、緊張感で包まれることも多々ありますよね。

駅のホームで電車待ち、そこに近所の奥様が

奥様「まあ、こんにちは」

良子「あら、こんにちは」

奥様「今日はお出掛け?」

良子「ええ、ちょっと」

奥様「お買い物?」

良子「いえ、少しぶらぶらと」

奥様「……そう、じゃあね」

電車が来るまで些か時間が余ってしまいましたね。気を利かせた奥様は、ガラス張りの待合室へ入ってしまいました。

一言付け加えてみましょう

奥様「まあ、こんにちは」

良子「あら、こんにちは」

奥様「今日はお出掛け?」

良子「ええ、ちょっと」

奥様「お買い物?」

良子「いえ、少しぶらぶらと、お天気もいいですし」

奥様「ほんと、天気が良くてお出掛け日和だものね」

良子「日差しが強すぎるのは気になりますけど」

奥様「そうよね」

良子「それ、いい日傘ですね」

奥様「そう?ありがとう」

良子「私も日傘欲しいんですけど、傘はすぐになくすので」

奥様「お帽子でも被ってくれば良かったのに」

良子「帽子はわたし、ガッチャマンみたいのしか持っていなくて」

奥様「え?ガッチャマン?」

良子「あの、自転車乗るときに、目の前すっぽりガッチャマンみたいにする帽子です」

奥様「ガッチャマンって何なの?」

良子「あの、昔のアニメで」

奥様「うんうん」

良子「科学忍者なんですね、彼ら」

奥様「彼ら?たくさんいるのね」

良子「彼らが被ってる物が、目の前がこう」

奥様「科学忍者って、何なの?」

良子「忍者を科学的にした方ですね」

奥様「色々研究してらっしゃるのね」

良子「そうですね」

奥様「あなた、科学的に作られた帽子を被ってらっしゃるの?」

良子「そうですね、顔まで覆って紫外線を遮断しますから」

奥様「フフ、ウフフ」

良子「どうしました?」

奥様「ガッチャマンぐらい、私も知ってるわ」

良子「やだ、奥様、人が悪い」

奥様「ウフフ、ごめんなさい、ね……」

良子「どう、なさいました?」

奥様「……ジョー、確か、コンドルだったわ」

良子「え?」

奥様「昔の彼がそっくりで、だから覚えてるの」

良子「素敵な方だったんですか?」

奥様「私の初恋ですもの、もちろんよ」

良子「まあ、存じませんで」

奥様「ありがとう、あなたのおかげで淡いものを思い出すことが出来たみたい」

良子「いえ、私はそんな」

奥様「あら、電車が来るわ」

良子「来ましたね」

奥様「どう?街でお茶でもいかが?」

良子「そうですね、行きましょうか」

奥様「ウフフ」

良子「フフフ」


一言付け加えることにより、あんなによそよそしかった二人が愉しげにお茶の予定までたてましたね。

会話に大切なのは自然な繋がり、皆さんも無理せずリラックスした会話を心掛けましょう。

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