Netflix 恋愛リアリティーSHOW 『ラブ・イズ・ブラインド JAPAN』を楽しく観ています
立春を過ぎ、寒中見舞いも出しそびれ、買ったハガキは来年使おうなどと引き出しにしまったけれど、きっとその事も忘れて来年また新しいハガキを買ってしまうんだろうな、等と感じつつ未だ厳しい寒さを耐える日々が続いております。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ご機嫌はよろしいでしょうか。
そんな心身凍える時期には電気毛布に包まりテレビの恋愛リアリティーショーに向かってウダウダと己の見解、いわゆる野次を飛ばすのが最適な過ごし方、ではないでしょうか。アーモンドクランチ入りビターチョコなんか食べながら、うっすいホットレモネードで喉を潤したりして。
2020年にNetflixで公開された本家アメリカ版の『ラブ・イズ・ブラインド』も楽しく拝見致しました。このリアリティーショーの特色は男女がお互い一切顔を見せずに会話だけで自分の好みかを判断して、意気投合したら結婚に向けての真剣な告白するという見た目要素を完全に排除した、お見合わないお見合いパーティー。
【恋愛とは何か?】【見た目なんて重要ではない?】を問いかけるコンセプトが議論を巻き起こし米国ではその年のエミー賞にもノミネートされました。
「結婚して下さい」とお気に入りの相手に告白、OKをもらった後にようやく対面しお互いの姿を確認できる、というドキドキ感もこの恋愛ショーの大きな見どころ。その後は、婚前ハネムーンに同棲生活と結婚前の準備を重ね、一か月後には結婚式を迎えるというハードな展開に出演者たちは翻弄され、素敵な未来に期待を膨らましつつ、圧倒的不安に押しつぶされそうになる様子を視聴者にさらけ出すのであります。
『ラブ・イズ・ブラインドJAPAN』シーズン1はNetflixで配信中。
ラブ・イズ・ブラインドJAPANの感想
まず出演者たちのコミュニケーションの取り方やリアクションが割と地味。これは本家アメリカ版やブラジル版と比べてですが。10日間という短い制限時間内でお互いの理解を深め結婚を申し込むに至るまでには、結構突っ込んだ弾む会話が必要かと思うのですが、海外版に比べると、どこかフンワリ落ち着いたというか、静かに様子を伺っているだけのようでアグレッシブな議論が少ないので物足りない、
ですが、良くも悪くも日本人だとこのぐらいの会話が普通だろうな、と冷めた目線で比較的冷静に観察することができます。
最初に、お互いの顔が見れないように中央が壁に阻まれたポッドと呼ばれる小さな部屋に男女1名ずつ入り、壁を挟んだ全くお互いの姿が見えない状態で一対一の対話が始まります。
その時の会話は、盛り上がりは多少あるのですが、お互いに遠慮しているのか、ハッキリとした主張が少なく、カップルが成立したにも拘わらず本気で意気投合しているのかが見ていて疑問に思えてしまいました。
自己アピールもあっさり気味で、一見すると本気で結婚相手を探しに来たのかな?と思うほどの飲み会的な軽いノリだったり、ウケだけ狙ったような幼稚な質問を投げかけたり、と真剣味はあまり伝わって来ず。
この事についてあなたはどう思う?等のやり取りが少なく、表面的で曖昧なまま進んでいる印象が強い。結婚する為に異性を探しに来たというより、ちょっと付き合うにはいいかな位の人を探しに来たのか、といった程度の熱量しか感じず、まあ遠慮や恥ずかしさもあると思うんですが、やっぱり本心を表にすぐ出せる人少ないよな感が全面に漂う前半戦。
しかし、傍から見ているワタクシ一視聴者としては、本気度のあまり見えないジンメリした出演者たちの行く末が違った意味で楽しみになってきます。
「ほら見れ、そんな熱量だとやっぱりすぐに破滅、思った通りだ」とテレビ画面に向かってお説教する楽しさ、大変下劣な部類の視聴者ではありますが、「そんなコミュニケーション能力と我がまま性格で簡単に結婚相手見つかると思うなよ、ざまあみさらせ!一昨日来なさい!」というのが一番の醍醐味になり、この中途半端な日本のラブイズブラインド展開が大好きになったのです。
私の注目カップル
アヤノとシュンタロウ
アヤノ 30歳 外資系会社員
シュンタロウ 56歳 コンサルタント
最年長おちつき系おじ様シュンタロウと控えめに言って独特の雰囲気が持ち味のアヤノとの26歳年の差カップル。私、俵省太郎(46歳)も22歳年下の女性とお付き合いしていることもありシュンタロウに最も感情移入することとなった。
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以下、※少しネタバレあり
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柔らかい口調と大人の雰囲気を醸し出す絶対的大人男性のシュンタロウであったが、物分かりが良すぎるのか、いつも一歩引いた客観的視点で状況を見ており、アヤノの風変り口調や言動にも取り乱すことなく冷静に対応。私も個人的にシュンタロウを見習わなければならない部分も多少あるが、自分が冷静な大人だと自覚し過ぎているようであんまり好感は持てず。
それらしい洒落た画集などをアヤノに見せて尊敬されたりするが、シュンタロウ自身の自己主張が少なく相手に求めるのは「誠実で嘘を付かず本音で接してほしい」のみ。シンプルで強い言葉だが、何か、それ本当に本音?というやや胡散臭く芝居染みたものを感じたし、「お前さんのしょうもない嘘ぐらい簡単に見破ってやっぜ!」ぐらいの勢いと攻めの姿勢がほしい。
一方のアヤノはというと、目に感情を出さず淡々と業務をこなしているような印象で令和の石原真理子といった雰囲気。これは厄介なことになったなシュンタロウ、と不安は尽きない。
そして、シュンタロウの真剣な想いなど知る由もなさそうなアヤノはハネムーン旅行を終え、今日から同棲開始という大事なときにシュンタロウを部屋に一人残し、「犬の世話をする」という理由で実家に2日も帰ってしまったのだ。
他のカップルが同棲一日目を楽しく賑やかに過ごすなか、孤独に耐えるシュンタロウは、既にアヤノの本性を見破っているかのような言葉をスタッフに云い放つ。大人な感じで、じめっとしながら。
シュンタロウの勘が当たっていて、アヤノは大した恋愛感情など持ち合わせていないのかもしれないが、もしかしたら最終回までは分からない、のかもしれない。
それがアヤノのやり口、と言ったら言い過ぎなのかもしれないが、あの喋り方の女性は要注意だ、と太古の時代から言い伝えられているのだし、それごときはシュンタロウには全てお見通し、なのかもしれない。
何だか、どっちがしたたか勝負みたいになっている、このカップルだけ。
そして余談ですが、現在46歳の貧困男性であるワタクシ俵の省太郎が高給取りのシュンタロウより幸せを感じている自信があるのは、やはり自分の年齢を全く意識せず22歳年下の女性と楽し気に接しているからでありましょう。年上だから何かを上から目線で教えてあげたり寛大である必要はないのです。
まあしかし、来週には全ての結果が分かるので、それまで「だから言わんこっちゃない」とテレビに向かって言い放つ練習をしておこう。
最終章
episode10 結婚式へのカウントダウン
episode11 決断の時
2月22日配信開始
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