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自分の成功はたまたまだったと思うべき理由

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という格言があります。そして、勝ったときも負けたときも、その原因を探そうとするのが人間です。
 勝ったときは自分のおかげ、負けたときは周囲の環境のせいというのが大体の相場です。問題なのは、自分の行動が成功の要因だと思い込んだ時です。そうなると、勝ったときの自分の行動に縛られてしまいます。

 「開業してから道行く人たちに毎日元気に挨拶をしていたら、お客さんが増えた」と言っている人がいました。その後、その人は経営者側になり、部下にそれを強制し始めます。
 これなどが典型例で、お客さんが増えたのはお店の場所が良かったからかもしれませんし、競合が存在しなかったからかもしれません。それらをすっとばして、あいさつでお客さんが増えた、になると非常に危険です。

 いい昔話があります。【守株】という古代中国のエピソードです。

宋国に田を耕している人がいた。その田の中に株が有った。うさぎが走ってきて株にぶつかり、首を折って死んだ。その人は耒(鋤の意)を捨てて株を守り、またうさぎが死ぬことを待った。うさぎが来ることはなく、その人は宋国の笑い者となった。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%9B%BD%E8%AA%9E_%E6%BC%A2%E6%96%87/%E5%AE%88%E6%A0%AA

 過去の成功に固執し、進歩しなくなった人間を皮肉っています。

 成功したのはたまたま、と思うくらいでちょうどいいのかもしれません。成功者にスピリチュアル好きが多いのも、「成功譚」に固執しない性格が成功には必要なことを示しているような気がします(私の感想です)

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