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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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#自転車

「安売り」は記憶にこびりつく

 どうも自転車屋の人間です。  先日やってきたお客さんなんですが、「タイヤ2000円で交換して」と言われました。  「いやいやそんな安くないですよ」っていう話をしたんですけど、「いや前に2000円で変えてもらったよ!」って言われました。  今の価格を言うと、「高い!よその店へ行く」とのこと。  記憶の奥底を探ったところ、どうやら8年近く前の開店記念セールの一ヶ月だけの特別セール価格でタイヤを交換した時のことを言っておられたようです。  確かに2000円でやってたよな気がし

コンサルは誰でもできる(価値があるかは別)

 SNS見ていると、やたらと他人にアドバイスしたり、プロでもないのにコンサル名乗って小銭を稼ごうとしている人をたくさん見かけます。  ある程度その分野の経験や知識があると(なくても妄想みたいなレベルなら)、「こうしたら成功する」「こういう方法はどうだろう」みたいなアイデアが湧いてくるんですけど、それが実現可能なのかと価値があるかは別問題になってきます。言いっぱなしなら誰でもできますし。  例えば、自転車屋だと「高いロードバイク置かないの?」とか「お客さん集めて走行会イベン

【自転車屋】いつまで続く?深刻な値上がりについて考える【これからどうする】

 値上げ値上げでもう値札を書き換える気力すらありません…いつまで値上げが続くのでしょうか?   3、4年前は10000円程度で仕入れられた自転車が今や15000円以上になっています。しかも、これからも上がっていく可能性が高いです。  「裾もの」と呼ばれ、数年前までだいたい13000円前後で販売されていた自転車が今や20000円超え。シティーサイクルの最高峰ブリヂストンサイクルのアルベルトはもはや約10万円です。やばい時代になりました…。  もちろん、所得が上がっていればなん

#自転車屋的に滅びてほしいもの

ツイッターにて、いいハッシュタグが誕生していました笑。共感できるもの、かつ、自転車業界の方のツイートを抜粋(togettterでやれよと言わないでください) 何でもかんでもバック広げ工具を使う人

中古自転車作りを減らしたわけ

中古自転車販売をしている自転車屋さんはわりと少数派になると思いますが、私は暇つぶしにもなっるのでやっています。  しかし、開業して5年半を超えましたが、かつての全盛期より販売台数が3分の1以下になっています。なぜそんなに減ったのか、減らしたのかを3つの理由で解説します。 時間・コストが掛かるものを排除  開業当初はとにかく台数を多く売ることが正義だと思っていたので、コストが掛かって利益が少ないものや、時間がかかるものも整備していました。    たとえば、2時間の整備時間、

自転車の値段はどこまで上がるのか?

値上げ止まりませんねえ…。まあ、自転車だけではないんですが、あるゆる値上げが止まる予感がしません。というところで、いいアンケートツイートを見かけたのでシェアします。  自転車の価格はいくらくらいを想定しているかをアンケートされています。結果は10000~24999円が50%という結果に。  一昔前なら、10000~24999円が70%くらいになったと思いますが、50%。意外な結果というより、値上がりしているという感覚がお客さんにも浸透していっているのかもしれません。  最近

【禁止事項】ローラーブレーキグリスに代用品はありません【危ない】

 主にシティーサイクル、軽快車に使用されているローラーブレーキ。雨天でも制動力が落ちにくい、音鳴りがしにくい、長持ち(安価なリムブレーキに比べて)などメリットの多い後輪用のブレーキです。  いいことづくめなローラーブレーキですが、メンテナンスが全く不要なブレーキは存在しません。制動力が落ちてきたり、音鳴りが発生することがあり、その際には専用の「ローラーブレーキグリス」を注入する必要があります。  高い!高いのですが、必ず純正専用品を使用してください↓  昔、ローラーブレーキ

自転車屋は斜陽産業か?

 サイクルベースあさひに関する記事が出ていました。その中の見出しで、自転車業界が斜陽産業だという指摘がありました。記事タイトルはズバリ「自転車専門店「サイクルベースあさひ」が好調 “斜陽産業”のイメージ覆して急成長した理由」でした。  実際はどうなのでしょうか、いくつかネットで出てくるデータを基に検証してみたいと思います。  まず自転車屋の店舗数ですが、下の記事から引用すると2009年に約19500件から2017年には約14750件にまで減少しています。  別のページでは

自転車屋さんの組み立ての話

 「自転車を買うなら専門店で」よく聞く言葉ですが、はたして本当でしょうか?私は長年自転車業界にいますが、この言葉ほど信用ならないものはありません。根拠として…  まず第一に自転車屋さんの腕がピンキリであること。地域に根差して30年!みたいな店の店主が素人レベルのレベルだったりします。逆にチェーン店に勤める若い整備士がすごくいい腕していることもあります。長くやっていれば腕が上がるとは必ずしも言えません。逆も然りです。  次に、自転車の組み立てには時間がかかるということです。

自転車が高級品になる日

 普通、メーカーや問屋の価格改定って年一回が基本だったんですが、去年、今年と何回も値上げされてます。ちなみに値下げは一切ないです。   原因は様々。コロナ禍での品不足、為替、運送会社の送料値上げ、ガソリン価格の上昇、などなど。下がる要素は一切ありません。  今後もどんどん値上がりしていくでしょう。  ここ10数年でどれくらい上がったかというと、私が自転車業界に入ったのが15年前一番安い自転車は8980円(税込)でした。仕入れ値は約6000円(税込)くらいだったかと思いま

切るべきお客さん

 お客様一人一人を大切に。よく聞く言葉で、できるならそれに越したことはないのですが、実際にはリソースが限られているので無理です。自転車屋をやっていると、いろんなお客さんが来ます。なぜなら客層が広すぎるゆえ、老若男女老いも若きも、です。  グッチとかエルメスみたいなハイブランドはその豪華な店構えでもって、客層をコントロールしています。  ですが、個人の小さい自転車屋でそういったスクリーニングは難しいです。そして、たいていが路面店舗で解放されているため厄介客の来訪に事欠きませ