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自転車屋開業マガジン(短い記事)

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自転車屋の開業に役立つ記事を投稿しています。主に短い記事が中心です。
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#日記

自転車屋、倍働いたら倍儲かる訳ではない職種説

いろいろ例外はありますが、自転車屋はビックマネーを稼げる職業ではありません。多店舗展開やチェーン店化など資本家側にまわれば可能ですが、一個人事業主を貫く場合、大金は稼げません。  理由としては、収益の要である修理に時間がかかってしまうからです。たとえばパンク修理1000円としても、一件当たり15分(接客、修理作業、お会計)、一時間当たり4000円の利益です。また、工賃仕事はレバレート6000円くらいです。   じゃあ、高額なスポーツ車を売ればいいじゃんと思われるかもしれません

店主のストレス軽減策は重要

夏真っ盛り、セミがミンミンとうるさく鳴いています。じっとり滲む汗、蒸れるマスク。自転車屋は基本肉体労働なので、夏はとにかくしんどいです。  お店にくるお客さんも、暑い中自転車を持ってくるのでイライラしています。店主とお客さん両方イライラしていると、接客も荒くなり、売り上げにも影響しますよね。  ということで、店主のストレス軽減策が非常に重要になってきます。私は今年からクーラーを使用しているのですが、これが快適。非常に快適です。  クーラーがなかった頃は暑くて暑くて仕事をしてい

失敗が許されにくい時代になってきた:人の噂も7000日くらい

 2018年頃ですが、ロードバイクのコラムカットに失敗したお店が炎上してしまいました。たしかに対応が悪かったのは否めないのですが、その後Googleレビューを荒らされたりして閉店しました。  当時から悪ノリでツイッターで荒らし行為をしている人もいてずいぶんとブロックしたものですが、さすがにしつこすぎますよね。  ちょっと検索してみると2020年くらいまでそのネタが擦られており、うんざり。閉店に追い込まれたその後も評判を荒らされ続けているようです。人の噂も七十五日と言いますけ

自転車の歴史を学べる「自転車物語スリーキングダム」を読んで

 自転車のなかった時代から、戦前までの日本における自転車の歴史がまとめられた良書です。  物語風の文体で、子どもでも読みやすいのではないかと。  陸舟奔車(りくしゅうほんしゃ)という日本製の自転車に近い乗り物の話やドライジーネ、ペダル駆動車(オーディナリー、ペニーファージング)、チェーン駆動、チューブの発明、自転車の成り立ち・歴史も学べます。  その後は、日本における自転車の導入、製造に至る歴史が描かれます。。丸石、ミヤタ、アラヤ、シマノなどの今も現役の自転車企業の成り立

最近ヒリヒリしてないって話

自転車屋を開業して約5年、なんとか事業も安定してきたのですが、安定したことによって、開業当初に毎日感じていたヒリヒリ感が完全になくなってしまいました。 開業してすぐに近くに競合の自転車屋さんができたりして、かなり切羽詰まった感じで仕事をしていました。もちろん、赤字だったので、貯金通帳の残高もかなりヒリヒリしていました。  今はコロナ禍もあり、やや客足が落ちているとはいえ、値上げや改装も行い、うざいお客さん塩対応で追い返したりなどで、かなりいい環境になってきました。利益に関し

いま、自転車屋をやっていて不安なこと

シマノさんが値上げを発表しました。まぁ仕方ないといえば仕方ないのですが、独占企業ってガッツリ儲けてらっしゃるようで羨ましい限りです。 翻って、我々のような零細個人店になると日々大変な訳であります。 値上げにつぐ値上げ、ここ10年で新車の仕入れ価格は1.5倍ぐらいになってしまいました。5%の値上げが10年間続くと大体1.6倍ぐらいになるようです。となると、ここ10年で毎年5パーぐらい上がっていたということで、シマノの値上げはまぁそんなものかという感じです。 で、本題です。自転

残存者利益を狙っていく

 自転車業界は斜陽産業か?という記事を書いたのですが、結論としては、斜陽産業であることは間違いないと思っています。  ただ、自転車業界がなくなることはありえません。これほど、効率のいい乗り物はほかに存在しないからです(いまのところ)  ということで、自転車業界自体は電動自転車、スポーツ自転車をのぞき、今後も斜陽産業化は進むと思われます。  その結果、自転車販売店の数は減るでしょう。しかし、自転車はメンテナンスなしでは使えない乗り物です。自転車修理の需要はあり続けます。  た

【自転車屋開業】想定より経費は掛かる

 開業前に資金計画や、毎月の収支の予測は必ずすると思うのですが、「当初思ったより掛かるな」と後からなる確率はほぼ100%近いんじゃないかと思います。  想定されるものとして、まずは産廃処理費用。合い見積もり必須。とくにタイヤチューブの処分費用は想像するより高額です。  つぎに、税理士さんや会計士さんなど確定申告や税務にかかわってくれる方への報酬です。  そして、保険。事業保険や物件によっては火災保険など。営業車をもつなら車両保険も必須ですが、事業用だと自家用車よりも保険料が

「安い」はサービスではなく「宣伝」

 値引きや安売りはサービスではありません。なぜならそれ単体では特に何も生み出していないただのコストだからです。  ただ、値引きや安売りによって商品が余分に売れるというケースもあるのでその場合は、サービスというよりは宣伝広告費と言えるかもしれません。 つまり、コストを払って宣伝広告をしているというイメージです。  私は値引きや安売りが嫌いなので、ほとんどしませんが、払ったコストに見合う宣伝効果があるのであれば、やるのもいいかなと思います。  ただ、値引きや安売りというのは往々

電動自転車のバッテリーも盗まれる時代

 最近始まったことではないのですが、電動自転車のバッテリー盗難が相次いでいるようです。メルカリなんかでも検索してみると、バッテリーの出品がけっこうあります。  もちろん、すべてが盗難品だとは思いませんが、盗難品も出品されていることは、逮捕されたバッテリー泥棒がフリマアプリで売ったと証言していることから間違いないようです。  バッテリーは年々高容量化、高額化しており、泥棒の格好の標的です。  しかも、自転車本体と違い、フリマアプリで出品されているものが自分のものであること

小さな得で大きな損をする

 小利大損という言葉をご存知でしょうか。  読みと意味は… しょうり-だいそん【小利大損】 わずかの利益のためにあくせくして、かえって大きな損をしてしまうこと。また、わずかな利益を得ようとして、より大きな利益を逃してしまうこと。  私の以前勤めていた会社(自転車屋)の社長は非常に細かく、メーカーなどの取引先に事あるごとにクレームを入れていました。少しでも自転車に傷があれば返品、値引きを迫り、保管汚れ程度でもクレームを入れる始末で怒鳴りつけることもしばしば。  すごく嫌

現代のお店の身だしなみとは

 以前、ブログ記事で自転車屋の身だしなみ的な記事を書いたのですが、汚いスニーカーを履かないとか襟のついた服を着るとかそういう見た目的なことがメインでした。  店構え、スタッフの身だしなみ等を気をつけるっていうのは基本的なことなんですけれども、これからの時代はネット上の身だしなみというのも大事になってくると思います。  まずは検索すると店の情報が出てくるということ、店にとって適切なSNS運用をしていることなどです  隠れ家的なバーとか身内だけに開いているお店などのあえての秘匿ブ

撤退ラインを考えて開業する

 私は開業5年目なのですが、売上に関しては頭打ち感を感じています。自転車屋はローカルビジネスなので大体の客数が決まってしまっており、プロモーションなどで劇的に売上を爆発させるというようなことができない業種だと感じています。  開店1年目、2年目というのは認知度が上がっていくにつれて客数が増えていく傾向にあるのですが、3年目からは緩やかにしか増加しない、または停滞してしまうのが大体のパターンです。実際に昔勤めていたチェーン店でもそういう傾向が表れていました。  ということなので

自営業のいいところはお客さんを選べること

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