※注意!9月号ひよこクラブ付録の赤ちゃんの姿勢の問題点。

前回の記事、『4歳児の窒息事故。食べさせない、カットして提供する、だけでよいか?』を大変多くの方にお読みいただいており、本当にありがとうございます。

前回記事で、窒息事故防止のためには食形態だけでなく食環境や食行動全体を考えることが必要であることを述べました。
ちょうど9月号のひよこクラブの付録に赤ちゃんの食事時の姿勢が掲載されているのですが、写真をみてびっくり・・・。

「赤ちゃんが食べやすい姿勢」の手本として、
間違った危険な姿勢ですわる赤ちゃんの写真が使用されているのです。

前回記事にも書いたとおり、食事の時の姿勢は赤ちゃんを含め基本的に、

足の裏がぺったりついて足首が90°、
膝が90°、
腰も90°でまっすぐすわって、
テーブルの高さは腕をおろした時の肘の高さになること。


これを「三つの直角」といいます。

しかしこの別冊のp.33にある7〜8ヵ月ごろの赤ちゃんの姿勢写真は、
足がつかないイスで、前傾姿勢になり、テーブルの高さも高すぎていて、
写真では一見まっすぐ座れているように見えますが、
この姿勢のままで食事を摂ると顔は上向きになりやすく、気道が開いてしまいますので誤嚥、窒息の可能性が高まりとても危険です。

同じくp.42には9〜11ヵ月ごろの赤ちゃんの姿勢写真がありますが、
こちらは足置きの工夫としてジョイントマットを差し込んでいますが、
足はきちんとついておらず膝が伸びており、テーブルの高さもやはり不適切で、こちらも同様に誤嚥、窒息の危険性が高まると思われます。

監修は管理栄養士さんとのことですが、うーん、気づかないことはないはずなんですけどね・・・。
使用されているテーブルの広告も掲載されているので、
本紙面同様、広告記事なのかもしれません。
そのため使用するイスが予め決められていて
それをなんとか工夫したけれど、ということなのかもしれませんが、
「育児情報誌」としてはこれははっきり申し上げてアウトです。
正しくない姿勢を正しい姿勢として発信してしまうのはありえません。

これについて「たまひよ」の担当部署に指摘をさせていただいたところ、
『現在の家庭環境などを考慮し高価な離乳食用の椅子を購入する家庭ばかりとも限らないので、そのような状況でもできる工夫をメインに紹介した』
とし、
『座り方だけでなく、併せて与え方をしっかりと解説することにより、窒息などの危険がないよう配慮した』
との回答がありました。

結果的に危険な姿勢を手本として掲載していることが問題なので
この回答にももっとつっこみたい気持ちはヤマヤマなのですが、
以前に「授乳・離乳の支援ガイドの問題」の記事に書いたように

残念ながら「たまひよ」はすでに育児用品企業との関係性が強く、
必ずしも「正しいこと」の発信を優先しないと思われますので、
微力ながらこちらのnoteにまとめて発信をしている次第です。

なお、「ひよこクラブ」はすでに10月号が発売されており、
この件は先月号にあたる9月号のお話なので、お間違いなく。

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