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自然と経済の類似

自然の中には、経済システムを
理解するためのヒントが
たくさん隠されています。
ちょっと考えてみましょうか。

1.ルール(安定した秩序)作り

まず、経済はまるで生態系のよう。
色々な要素が絡み合い、
生き物のように動くんですよね。
自然界のように、
経済も勝手に秩序を形成します。
これを自己組織化ともいいます。

誰かがルールを決めたわけでもないのに、
まるで川の流れが自然と道を作るように、
経済も新しい会社や企業が
新しく設立されては倒産を繰り返し
自然と最適化されたものが生き残ります。

2.エネルギーの循環構造

自然界では、
生命はエネルギーの循環によって秩序を維持します。

経済も同じ。お金や情報が流れ、
循環することで健全に機能するんです。
まるで、
水車が川の流れの中で回転し続けるように。

3.情報によるアシスト

生物が進化する過程では情報を記録し、
選択の可能性を広げたように、
経済もまた情報を利用して
より強固な秩序を築くんです。
例えると、
法律や条例のように文字という情報を使って
盤石なルールを作ります。

この3つの性質
(秩序作りエネルギー循環情報のアシスト)
を持つ経済は、
生命•細胞•国家•企業などと同じように、
無数の個が集まって機能する
有機的なシステムです。

情報はこのシステムの「DNA」のようなもの。形は変わっても、
その情報が残る限りシステムは生き続けます。

フラクタルな構造

フラクタル(自己相似)

入れ子な構造

自然の中に社会があり、
社会の中に企業があり...といった具合に、
小さな構造が大きな構造を形作る
まるでロシアの
マトリョーシカ人形のようなものです。

ただし、注意が必要です。
自然の秩序に反したルールは
悲劇を生む
ことも。

例えば、
社会主義のように私利私欲を否定し
政府が経済をコントロールするシステムは、
新陳代謝が起きず
機能不全に陥ることがあります。
資本や人材の流動性を高めないシステムは、
結局は停滞してしまいました。

ダウィンチやライプニッツには見えていた?

かつて、レオナルド・ダ・ヴィンチが
見ていた世界を想像してみましょう。

彼は、建築から解剖学、天文学に至るまで、
あらゆるものが互いに
繋がり合っていると感じていました。
このダヴィンチの視点から、
現代の経済を見ると、新たな発見があります。

恐らく彼が現代に生きているとしたら、
自然経済の三つの要素が、
それぞれ膨大な個体から成る
有機的なネットワークとして
存在していることに間違いなく気づくでしょう。

ライプニッツもまた、
ダヴィンチと似たような思考を持っていました。
彼は17世紀後半の哲学者、数学者、
そして初期のコンピュータサイエンスの先駆者であり、
2進法を発明したことで今日の
計算機械の発展に大きく貢献しました。

彼は様々な学問
(法学、政治学、歴史学、哲学、数学、経済学、物理学など)を
普遍学として統合しようと試みました。
これは、異なる分野の知識が互いに影響し合い
新しい理解を生み出すことを目指していたのです。

彼らのように
いろんな分野の知見を
全く異なるものとして捉えるのではなく
共通したパターン普遍に通じる規則性
を見出すことで
新たな洞察根底にあるメカニズム
発見できるかもしれません。

創発的思考

創発」という概念があります。
これは、個々の要素が互いに影響し合いながら、
全く新しいものを生み出す現象です。

近年、AIの分野では、
まさに「創発」が起きています。
AI技術は単なる計算やデータ処理のツールを超え、
新しい知識アイデア
さらには芸術作品を生み出しています。
これは、個々のアルゴリズムデータポイント
互いに影響し合い、想像もしなかったような
創造物を生み出しているのです。

たとえば、ディープラーニングの分野では、
AIが自己学習を通じて新しいパターンを発見し、
それを基にしてさらに進化します。
これは、まるで自然界の生物が進化するようなもの。
個々のニューロンが複雑なネットワークを形成し、
全く新しい知識技能を生み出すのです。

AIだけでなく
経済、自然、脳も、
この創発の一例と言えるでしょう。

これからの時代では経済だけでなく、
自然や脳、あらゆるものが相互に影響し合い、
新しい創作物が次々と生まれるでしょう。

ダヴィンチやライプニッツのように、
異なる分野を横断する思考は、
現代の複雑な世界を理解する鍵となるかもしれません。

異なるものの間に隠されたつながりを見つけ出し、
それらから何を学び取ることができるのでしょうか。
創発的思考を通じて、私たちはより
豊かな理解を得ることができるのです。
まるでダヴィンチやライプニッツがそうであったように。

しかし…実験は必要

このように異なる分野間でのつながりを見つけ出し、
共通のパターンや法則を探求するアプローチには、
注意が必要です。

過度にパターン化し、
すべてを一つの視点で統一しようとする試みは、
実際には逆効果をもたらすことがあります。
なぜなら、世界は常に変化し、
一つの理論モデル
すべての答えを提供することはないからです。

実際のビジネスや社会の現実においては、
理論やモデルはあくまで道具であり、
その有用性は現実の複雑さ
常に対話しながら評価される必要があります。

仮説を立て、それを実世界でテストし、
結果を検証すること。
このプロセスを通じて、
私たちは理論の限界を認識し、
より実践的な知見を得ることができます。


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