最近の記事

深夜高速

SCRAPが完成し、MapのMVを撮る事になった。 その撮影の為のロケハンに監督やプロデューサーと 向かった深夜。 その車の中で2人にリリース前のSCRAPを聞いてもらった。 Years&Yearsから始まってOil。エレキが流れてskitの後にMapそして流したミシン。 この日車の中で聞いたミシンが一番よかった気がする。お世辞でも褒めてくれるプロデューサーの声が心地よかったし、冬が好きだから暖房をつけた車内でも感じる外の冷たい風が気持ちよかった。 ミシンを作って本当に

    • Oil、SCRAP

      「3ヶ月は歌わないで下さい。食事制限も設けます。」 乗った事のないバスをいくつか乗り継いだ先にある 大学病院で先生にそう言われた4月。 僕は青ざめた。 4月からは色々やってやろうって思ってた。 何が何かわからなくなるまで全力で打ち込むつもりだった。 でも僕の喉は思ったより状態が悪くて僕は僕の全てである音楽から一時的に離れないといけなくなった。 ひどく不安だった。怖い。休む事は本当に怖い。 何もしない事は恐ろしい。血反吐を吐いて頑張る方が何倍もマシだ。そう思った。

      • 君たちはどう生きるか考察/ネタバレ注意

        宮崎駿監督の作品「君たちはどう生きるか」 の僕なりの考察をまとめます。 この物語は様々な事をメタファーしているが その全てを通じて 僕は宮崎駿さんの人生そのものを作品で表しているように感じる。 そしてそこに戦争という当時のリアルな出来事が少し絡まってくる。 眞人は宮崎駿だったと言えるが 今、眞人は僕達なんだ。 そして宮崎駿は大叔父になった。 受け継がれてきているのだ。 こう僕が考察した理由を細かいストーリーと併せて説明していく。 あくまで僕の考察であり全く見当違いかもし

        • ダンボール

          朝早くにインターホンが鳴った。 もちろんその時は寝ていたのでその大きな音に飛び起きて目をこすりながら荷物を受け取った。 ネットで買い物をした覚えはなかったがこのダンボールの中身は僕の荷物で、その人が僕に返す為に送ってきた物だとすぐに分かった。 もう終わった事だったし俺は特に何も気に留めずダンボールを開ける事が出来た。小さなカバンやヘッドホン、部屋着など見覚えのある僕の物を取り出しそれぞれを部屋にしまった時、ダンボールの底の方にその小さな手紙は入ってた。 僕らの時間を背負う

        深夜高速

          君がくれた鍵

          俺は鍵をいつも腰につけて外に出歩くんだけどその人がくれた鍵は車の鍵みたいに大きくて重たかった。 僕の鍵とセットにした君の鍵は腰に付けるだけでずしりと重量感がありキーチェーンを付けるズボンのベルトループが千切れないか心配する程だった。 でもその重たさが僕にとっての安心感になっていた。 鍵が二つ付いてキーホルダーも着いて重たくてごちゃごちゃしてるその鍵が僕は結構好きだった。 何度か喧嘩をした。些細な事であるがあまり詳細は書きたくない。僕らの秘密。 「会いたくないならそうやっ

          君がくれた鍵

          さよなら

          自分が二人いると感じることがある。 強く君の手をひいて夢を叶えると言い切る俺と、 なくなったものや失った物を数えて君にもおっくうになってしまう僕。 大変な事は重なるんだ。 夢や目標のために僕が僕を追い詰めていた時、僕の身体は異常をきたして遂にちょっとした病気になった。 俺の夢はもう俺一人の夢じゃなくなってるから俺は焦った。病院に通っても完治まで早くて三ヶ月。 それも全てがうまく行った場合で三ヶ月。一度も歌わないで、一度も曲を作らないで三ヶ月。 冷静じゃなかった。 僕は最

          さよなら

          約束

          俺が22歳になったばかりの頃。ほんとに毎日が苦しかったのを覚えている。音楽とどれだけ向き合って真剣に曲を作ってもろくな曲ができない。部屋は狭いしお金もギリギリだし。寝てなかった。 曲が作れないという事は僕の人生でもっとも苦しい事であり、死ぬ理由としては十分すぎる。 俺よりうまく行ってお金を稼いで、夢にどんどん近づく仲間や他のアーティストが心底羨ましかったし、俺にはもう出来ないと思った。 自分が自分に寄せた期待や、夢。 行ってきた努力がその時の僕を苦しめた。 その日の事は詳

          約束

          THE TELESCOPEからの日々1

          俺は傷付いて悲しくて,その時間から逃れるために音楽を作った事があったがもうそんな事はしていない。 正しくはそんな事はもうできない。 苦しい事から逃れるために音楽を作るわけでも、 音楽が作りたくて生活にプラスアルファとして音楽を作ってるわけでもない。 僕たちは呼吸をするように息をするように音楽を作っている。 音楽をやめる日は呼吸を止める日なんだ。 音楽を作るか、死ぬか。 そんな世界で戦い始めて僕ももう10年になる。 お前はずっとそれを横で見ていたよな? 僕の熱意や夢

          THE TELESCOPEからの日々1

          短編pt2: 謙虚な王

          この国には謙虚な王がいる。 でもその実態は謎に包まれて、僕たちマケマケ国の国民はどのような仕組みで王が決められるのか知らない。 畑仕事しかしてない僕らが住むこの村では王の姿を見たものなんかいないのだ。 王の動向を知れるのは毎週でる新聞のみ。そこには王の功績が常に称えられるかのように記される。 “王が怪鳥の被害に遭った村を訪れ皆を勇気付けた” “王が遭難してしまっていた隣の国”カチカチ国”の者を助け、衣食住をさしあげた” 新聞に記されている王の偉業ははどれも素晴らしく暖

          短編pt2: 謙虚な王

          THE TELESCOPEまでの日々4

          僕は中学高校といじめられていたから同じ高校に友達は基本的にいなかった。特にサッカー部にはすごく嫌われてたし、昼休みも基本は1人だった。 まあでもその代わりに僕には別の高校に親友がいた。 そいつは高校生のときからちょっとした有名人でおしゃれでかっこよくて、俺はそいつが俺の親友である事が誇らしかった。 俺たちが出会った15の頃は本当にただのクソガキだったのだが気づけば俺たちには夢が出来て、17になる頃には必死にもがきだしていた。 俺たちは何度も夢への死線を潜り抜けた。中でも

          THE TELESCOPEまでの日々4

          短編Pt1 : 7日目

          ある夏の日、見た事の無い怪しい光が一瞬見えた後、少し熱い風が吹いて気を失った。気がついた時には大気圏外。 僕は突然にUFOに連れ去られた。 「目が覚めたか。地球人。突然すまない。」 後ろから声がして振り返るとそこには素顔は見えないが手に翻訳機らしき物を持つ人型の宇宙人が。 僕は聞き返す。 「宇宙人さん、突然の事で状況が掴めないのですが。これは一体どういう事ですか?」 宇宙人は答えた。 「あなたは選ばれたのです。私たちは自分達以外の生命体を求めて宇宙をずっと旅してきま

          短編Pt1 : 7日目

          THE TELESCOPEまでの日々3

          始発列車を書いた日の事。 その日は朝起きた時から変な感じがしてた。 時間が凄く早く流れている感じがして、 "何か"に急いでいた。"何か"が分からなくてとにかく理由もなくひどく焦っていた。 ソワソワするから部屋着のまま自転車に乗って外に出た。 昨日まですごく僕の心とフィットしていたはずのバンドのアルバムもその日は何故か全然好きになれない。 だから昔聞いていた曲を聞いた。 J coleのmixtapeとか、Mac millerのアルバムとか。 一通り聞いてからEminemの

          THE TELESCOPEまでの日々3

          one man at www x

          今、友達の運転する車に乗って家に帰ってる。 いつ意識を失ってもいいくらい頭がぼーっとする。今のうちに思ってる事を残しておく。 俺は「Fender」を歌ってる時泣きそうになった。 2番の歌詞で、 "どうせ上手く弾けないけどそんな事ばっかりだったろ。 最後だと思って聞いて欲しいよ。 優しい歌になってくれたらいいな" って歌詞がある。 僕はライブで歌詞を間違えたり、噛んだり、ギターがトラブったり色々と "うまく弾けない" 場面があって悔しかった。 「ああ、なんでこうなる

          one man at www x

          THE TELESCOPEまでの日々2

          ちょうど去年の今頃、僕は自分がなんのために音楽をしているのか本気で悩んでいた。 "僕が歌う意味"とか、"なんのために"かが明確じゃない僕は、結局自分の事しか考えてないんじゃないか。音楽をやる意味が世界にとって全く無いんじゃないかって思った。 そんな時あるYoutubeであるアーティスト同士の会話を聞いた。 そのアーティストはほとんどその時の僕と同じ悩みをしていて、それを別のアーティストに質問していた。 どうしたらいいんだろう。って。 すると質問された某有名アーティストはこ

          THE TELESCOPEまでの日々2

          THE TELESCOPEまでの日々1

          "サテライト"や"Hundred Thousand"が収録されてるアルバム 「THE BLUES」の反応は僕にとって過去一大きかった。 でも決していい反応だけではない。 僕は基本的に自分の事を嫌いな人や、自分を誹謗中傷してくる人は完全に無視してる。 理由は簡単で、なぜかと聞かれる度に僕はこう答える。 「もし自分があと5分で死ぬとする。目の前に扉が2つあって1つは好きな人や、家族。自分の事を応援してくれてる人がいる。もう1つの扉は自分の事を嫌いな人や、否定してくる人がいる。

          THE TELESCOPEまでの日々1

          LEGOの街

          この日僕は大阪に飛ぶ便に乗るために羽田空港に来ていた。 最後に羽田に来たのはここでのバイトをしていた時だったからすごく懐かしく感じた。 僕は以前、羽田空港内のカフェ働いていた。 朝早くから働き、昼過ぎには帰って夜遅くまで音楽に没頭する。そんな日々を送っていた。 そんな時僕が働くカフェに女の子の知り合いがたまたま訪れた。 「あれ?しょうせんせい?ここでバイトしてたんだ」 僕が前を見るとその子は彼氏さんと2人で僕が立つレジの前にいた。 「ああ、久しぶり。あ、初めまして。

          LEGOの街