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はじめに

 「終活」という言葉を、最近親の口から聞くようになりました。私は現在、32歳。親ももういい年齢です。
 いつかは終わりが来ると分かっているけれど、認めたくない、受け入れがたい現実。大好きなアニメ映画の中でしきりに出てきた、「明日死ぬとしたら」というようなセリフが、いつまでも頭の片隅に残って離れません。
 明日、自分か、自分の大切な人が死んでしまうとしたら……。
 やらずに死んだら後悔するだろうなと思うことを考えてみた時、私の人生を誰かに伝えず死ぬのは、たぶん後悔するだろうなと思いました。
 自分で言うのもなんだけど、それなりに山あり谷ありな人生を生きてきたと思っています。

 今は山と谷を一旦乗り越えた、比較的なだらかな地点にいると感じています。だから、伝えられることがあるんじゃないか、と思いました。
 例えば、学校に行かなかったり、自分で自分を傷つけてしまったり、会社に行けなくなって減給処分になったり、死に急いだりしたって、それでも人生なんとかなるよって。たくさんの生きづらさは、変えていけるよって。
 死にたくてもいいし、生きたくてもいい。
 自分を責めなくていいし、もっとわがままに生きていい。
 こんな私をいい例として、自分だけじゃないんだと思ってもらえたり、こんな人生でも生きていけるんだって、人生のハードルが下がってくれたら嬉しいです。


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