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「国際卓越研究大学制度」とは【小論文の用語】  

 小論文の添削指導の際によく間違いとして見受けられる用語があります。その中でも、最近頻繁にメディアで取り上げられている「国際卓越研究大学制度」の意味や背景について解説していきます。




【1】 「国際卓越研究大学制度」の意味  

 大学について調べている時や、ニュースなどで「国際卓越研究大学制度」との言葉を見たり聞いたりする機会がある方も多いのではないでしょうか。「国際卓越研究大学」とは、世界トップクラスの研究力を目指すことを目的に国が認定し、基金で支援する大学のことです。国際卓越研究大学に認定されると、国から巨額支援を受けることができます。

 2022年に公募を開始し、2024年度から支援が開始される予定で、大学の選定・支援開始を担当している文部科学省によると、審査は下記の観点から実施されます。

(1)国際的に卓越した研究成果を創出できる研究力
(2)実効性が高く、意欲的な事業・財務戦略
(3)自律と責任のあるガバナンス(統治)体制

 公募には3月末までに、国立8校、私立2校が申請しており、その大学は早稲田大、東京科学大(東京工業大と東京医科歯科大統合予定の仮称)、名古屋大、京都大、東京大、東京理科大、筑波大、九州大、東北大、大阪大でした。

 7月には申請中であった10大学のうち東大を含む3大学の現地視察を実施するなど、審議を行う有識者会議が選出を進めています。


【2】 「国際卓越研究大学制度」の背景  

 岸田文雄首相は2021年10月の臨時国会の所信表明演説の中で、「成長戦略の第一の柱が科学技術立国の実現」としたうえでファンド創設を言明し、「国際卓越研究大学制度」が政府の成長戦略の中の一つの要となりました。

文部科学省|大学ファンドを通じた 世界最高水準の研究大学の実現に向けて

 そこから、2021年に「科学技術振興機構(JST)」に大学ファンドを設立し、2021年3月末に運用が始まりました。世界最高水準の研究大学を形成を目的に、10兆円規模の大学ファンドを創設し、長期的かつ安定的な支援を行い続けることで、日本の研究大学の“研究力”を根本から強化していくとの狙いがあります。


【3】 小論文.comの対策  

 ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。

 また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。

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