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雨時計と森と男たち 第4話

月の光に照らされた砂は音もなく落ちていた。

昼間に見つけたあの巨大な鉄橋はなんだったのだろう。茂みの先に現れた橋を見つけてから僕は1日落ち着かないまま夜を迎えた。誰のための橋なんだろう。誰が作ったのだろう。
そして向こう側には何があるのだろう。また向こう側からは何が訪れるというのだろう。

その夜はウッドデッキでビールを飲みながら絵本を書いた。
ある国の夫婦の話だが書いてる僕自身が読んでもつまらないくらいの話だったので途中で書くのを止めてしまった。

そのままウッドデッキでビールを飲んでいると巨大な鉄橋は大きな動物のカタチをしたものに変わり目の前の茂みに飛び込みそして庭の裏の林を目指した。

眠る寸前に見た砂時計の砂はいつの間にかすべて落ちてしまい、ウッドデッキの大きな染みのような影の上では空っぽになった砂時計が明るく光っていた。

【今分かっていること】体は夜に絵本を書く。体は夢をみる。

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