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雨時計と森と男たち 第2話

部屋の掃除は3日ほどで終わった。
拘ればまだまだやるべき場所はあったはずだが住むには問題なかったところで掃除はやめた。
家の周りに積もっていた松葉は毎日庭で焼いているがまだそこらじゅうに松葉は残っている。

周りが暗くなってくるとウッドデッキの端に椅子を出してビールを飲んだ。
初めて飲むビールは缶の味がした。これから何本ビールを飲めるかと考えると少し淋しくなった。心はお酒を飲んだりしないからだ。

3本ほど缶ビールを飲んでのんびり吹く風を感じていると庭の裏の林から何かの音がした。もしかしたら動物でもいるかもしれない。今後畑なんか作ったら面倒だから朝になったら見に行ってみよう。

朝、目が覚めてから別荘の周りを歩いたが動物の足跡や糞の跡は見つけられなかった。遠くまで進むごとに茂みは増したが明るく湿度も低かったので思い切って奥へ進んだ。

昼過ぎまで歩いたと思うがそこで茂みは終わり、かわりに目の前にはひとつ橋があったがそれは橋といっても街を、いや都市をつなぐような文明的な巨大な鉄橋だった。僕は怖くなり後ろを振り向いたがそこには平凡な茂みがあるだけだった。

【今分かっていること】体はビールが好き。茂みの奥には巨大な鉄橋がある。


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