2年ぶりにライブに行った話 ー 高橋優『THIS IS MY PERSONALITY』感想
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2年ぶりにライブに行った話 ー 高橋優『THIS IS MY PERSONALITY』感想

S H O


ライブに行った。約2年と1ヶ月ぶりに。

高橋優 LIVE TOUR 2021-2022『THIS IS MY PERSONALITY』。
近隣の2公演に行ってきた。

伝わる音、振動、見える景色、光、におい、温度、空気。同じ時間同じ場所で、同じ体験を共有できることの喜びを何より感じたひとときだった。


※セトリやライブの内容のネタバレは一切ありませんが、高橋優が元気だったかどうかくらいしか事前情報はいらねえ!という未参戦の方(わたし自身がそういうタイプなので)は、一応閲覧にご注意ください。意識せずに匂わせてしまっていることもあるかもしれません。


***


2020年2月、全国的に初の緊急事態宣言が出され、日本中のライブやコンサートが突如なくなった。

当時、高橋優は全国ツアーの真っ最中で、もちろん例外でなく彼のツアーも中止にならざるを得なかった。私の行く予定にしていた公演のひとつ前の公演が、千秋楽になった。わたしはそのツアーは行けずじまいだった。

それから約1年9ヶ月。私が最後にライブにいってから数えると、2年1ヶ月。私の生活からライブというものが消えた。こんなに長い期間、生の音楽に触れる場から離れることは、音楽を好きになってから初めてだったと思う。




これまで、わたしにとってライブは、ただただ流れていく日々のなかの『まずはこの日までは生きなきゃ』という小さな目標地点みたいなものだった。

そしてライブでもらったものが、また次の目標地点に行き着くまでのエネルギーになった。

例えるなら、終わりの見えない旅の途中にたまに現れるオアシスみたいな感じだ。あそこまで行けば水があるぞ、とか言いながら歩いて、そこで英気を養って、また次の街まで歩いていく。

ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれないが、私にとってのライブは、まさにそんな場所だった。定期的にないと燃料切れを起こすし、どこに向かえばいいのかわからなくなる。ライブがない生活なんて、それこそ緊急事態だった。

高橋優のツアーの中止が決まったその日から、私のコロナ禍がスタートしたと言っても過言ではない。




そんななか、前回道半ばで終了したツアー以来の大規模ツアー開催が発表された。2020年、デビュー10周年の節目にリリースされたアルバム『PERSONALITY』を引っ提げた、満を持してのライブだ。前回中止になった会場は、ほぼ全て日程に入っている。なくしたあの日を取り返しにくるんだと、すぐにわかった。




そういうわけで、今回のライブに参加することは個人的にも強い思い入れがあった。

正直、感染者数が落ち着きだした今でも『遊びのために県外に、しかもライブにいくなんて』という周りの空気感はまだまだあって、ギリギリまで行っていいか迷っていた。

でも、あの日行けなかったあの場所で高橋優に会わなきゃいけない、絶対に後悔すると思い、会場へ向かうことにした(あと、席がすごく良くて、これは絶対に来いということに違いない、と思った部分もある)。


ちなみに、カバー画像の虹は、会場へ向かう道中に車内から見たものだ。ずっと降り続けていた雨が会場に近づくにつれて上がっていき、目の前に大きな虹が現れたときにはもう、きっと来ることにして正解だったんだな、という予感がした。


***


会場に入り、まずはホール内を包んでいたスモークのにおいをマスク越しにそっと吸い込んだ。懐かしいにおいに胸が高鳴る。

大きなスピーカーから流れているSE。チューニングの音。影アナの案内。まもなく開演です、の言葉にどこからともなく湧き上がる拍手。席はひとつ置きで空席ばかり、雑談も極力控えていていつもの賑やかしさはなかったが、これから始まるライブへの抑え切れない期待感は、以前とは変わらず伝わってきた。

私は、あのソワソワわくわくした空間が堪らなく好きだ。ああ帰ってきたな、と思った。



会場が暗転し、待ち望んでいたその人がいよいよ目の前に現れると、久しぶりに会えた友達みたいに「やっと会えたねえ」って思った。本当にそこにいるということを、じわじわ実感して涙が出た。

高橋優は、なんだか不思議なひとだ。私にとっては紛れもなくスターで、ヒーローであり、ステージの上からたくさんの観客を前にしているのに、いつも一対一の等身大の人として『私に』会いにきてくれている感じがする。

多分ステージからも、観客ひとりひとりに対して「会えたね」って思って歌ってくれていたんじゃないかと思う。


生のライブは、とにかく最高だった。もちろんアーカイブなんかないから、全部を忘れたくなくて、今まで以上に真剣に全てを目に焼き付けたし、全力で音楽を楽しんだ。

空まで突き抜けるような気持ちの良い歌声、意思のこもった強い歌声、声まで笑っているみたいな優しい歌声。どれも素晴らしかった。

空気を揺らすギターの音、身体の芯まで響いて震えるベースやドラムの音、耳が蕩けそうなバイオリンやピアノの音。会場全体を包み込むような大きな手拍子。

あの曲の、あのフレーズを歌いながらしていた、あの仕草、あの表情。

目があって私ただ1人に歌ってくれてるような気がして、世界が止まったみたいだったあの瞬間。

MCで嬉しそうに話してくれた、今回の旅のお土産話。声は出せずとも、なぜか空気感で伝わってしまう会場のみんなのリアクション。

基本クールに見ていたのに、あの曲が始まった瞬間嬉しそうに両手を振り上げた前の席のおじさん。好きな曲だったのかな。

ライブが始まった瞬間から嗚咽を堪えきれず大号泣していた、後ろの席のお姉さん。この日までにどんなことがあったのだろうか。

目の前のステージから音楽を受け取って、感動して、一生懸命拍手を返して、それがまた相手に届いたということ。


ほかにも、たくさん。画面越しでは決して得られない体験が、そこには溢れていた。

今は、ライブで演奏してくれた曲たちを聴くたび、その場で感じた一瞬一瞬が鮮明に浮かんでくる。これからもきっと、ずっと思い出すのだろう。

一緒に過ごした思い出が合わさると、好きだった歌がもっと特別になるし、見慣れた景色もきらきらと輝いて見える。

思い出を共有するって、なんて嬉しくて尊いことなのだろうか。本当に、本当に会いに行ってよかった。会いに来てくれて嬉しかった。



ライブが終わった後、耳が篭ってぽわぽわして、頭の中で彼の声が鳴り続けているみたいで、頬が緩みっぱなしで、しあわせってこういうことだったなあと思った。やっぱり、私の人生にはライブが必要だ。

こうして「ああ、たのしかった」とにやにやして、もらった思い出を振り返りながら、私は次の目標地点へと歩き出す。

次はどんな景色が見れるのだろうか。はやくまた会いたくて、楽しみで仕方がない。

こんなに素敵なことが待っているのなら、とりあえず次の地点までは、道中何があろうとなんとか頑張って歩いていけそうだ。


また、絶対に会いにいく。



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音楽と活字と小動物がすきな27歳。 基本いつでも腹がいたい。