日本の教育に新風を吹き込む(かもしれない)学校

新指導要領や小学生の英語必修化、PBLやアクティブラーニング、入試改革など日本の教育制度を変えようとする動きが盛んです。

もちろん、日本中の地域の小中高校でも名もない学校が独自の取り組みや改革に挑戦しているのは想像に難くありません。

しかし、そんな中でも非常に特色のある教育を行っている学校が近年は増えています。

教員を職業とする人間として、あるいは就学前の子供を持つ保護者として興味深い新設(予定)の教育機関をまとめてみたいと思います。

「軽井沢風越学園」

この話題で取り上げないわけにはいかないのがここです。

2020年に開学した長野県北佐久郡軽井沢町にできた私立の幼稚園+義務教育学校からなる混在校です。

楽天創業者の一人が創設者に名を連ね、話題性も高かったのではないでしょうか。

熊本大学准教授の苫野一徳が提唱する「すべての子どもの自由に生きるための力と、自由を相互に承認する感度を育む」理念を掲げて、自由を強く謳った学校となっています。

一斉授業や日直、チャイムなど日本の学校の管理体制をすべて取り払い、学びのコントローラーを子供たちがもつ、ということをモットーにしています。

現在はまだ卒業生も出ていませんが、今後が楽しみな学校です。

「神山まるごと高専(仮称)」

2023年4月、徳島県神山町に開校を予定しているのが「神山まるごと高専」です。

プログラミングを中心としたテクノロジー教育や、UI/UX、建築、現代アートなどに関連したデザイン教育、起業家精神を育成する独自のカリキュラムを設定し、講師には現在活躍する起業家を招くなど新しい試みです。

高専の設置自体が約20年ぶりで、教育制度としての5年一貫教育に可能性を見出しての計画とのことです。

また、一期生は学費を無償にできる見込みのようで、二期生以降も可能ならば続けたいとのアナウンスが出ています。

学費が無償で可能というのは非常に魅力的かもしれません。

また、大学受験をせずに高等教育へつなぐことができる高専という制度に魅力を感じる人には新しい選択肢となるのではないでしょうか。

ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン

イギリスではパブリックスクールと呼ばれる、13歳から18歳までの子弟を教育する格式や伝統あるエリート校が存在します。

主に全寮制の寄宿舎で寝食を共にして切磋琢磨して学ぶ文武両道の名門校です。イメージとしてはハリーポッターの魔法学校のそれが近いでしょうか。

トヨタ自動車などが中心に設立した「海陽中等教育学校」はイートン校というパブリックスクールをモデルにしたことで有名です。

そのイートン校と並び称される伝統を誇るハロウ校が日本に姉妹校を設立します。

「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」という名称で、2022年8月に岩手県八幡平市の安比高原に開校する予定です。

小学6年~高校3年に当たる11~18歳の7学年制。全世界から生徒を受け入れ、全寮制の共学で授業は英語で実施するとのことです。

近年、中国の富裕層の間ではこのようなボーディングスクール(全寮制学校)が人気であり、また中東の王族なども留学をするケースが多いようです。

学費が年間900万円とのことですので、富裕層を対象とした特殊な学校ではありますが、将来的なコネクションづくりの一環としても日本のアッパークラスの子弟が通う学校として、偏差値教育によらない新しい選択肢となるのではないでしょうか。

この動きが全国に波及していけば

こうした新しい形の学校が全国津々浦々に開学していくと面白い変化になるのではないかと思うと楽しみです。

日本の教育や高校、大学受験に縛られたカリキュラムから解放された自由な教育を受けた人材が日本を引っ張る原動力となることを期待したいところです。

とはいえ、こうした他人と異なる選択をできる人は日本人に少ないのも事実です。

まずはもう少し身近な場所にできると、経済的に可能ならば選択肢に入れていきたいと考えてはいるのですが。
(当然ながらハロウ校は無理です…)

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