教員給与の上乗せ2.5倍案はニーズを無視した老人のロジック
教員不足が全国的に広がっています。
県によってはすでに採用試験がほぼ1倍となっているところもあり、学校によっては担任不在のまま新学期を迎えるといったクラスもあるようです。
そんな中、教員不足改善案として与党の試案が上がっています。
具体的な内容
以下、記事の引用です。
一般の教員に関わる内容としては以下の3点です。
教職調整手当を基本給の10%以上に引き上げ
学級担任手当の創設
残業時間、月45時間以内
果たしてこうの改善案は効果を上げることができるのでしょうか。
仮に教員になりたいがなっていない人にとってこの改善案が魅力的ならば、志望者は増加するはずです。
ニーズとずれた改善案
さて、では教員にならない、断念した人はどんな理由で教員の道を選択しなかったのでしょうか。
長時間労働や業務の負担を上げる声がほとんどで、賃金的な理由は少ないようで、残業代に関しての理由は9.2%と少数です。
今回の与党原案は、どう考えても断念した理由に対しての改善案とは思えない試案です。
ちなみにその少数派の残業代に関しても、月給24万円、8時間20日の勤務を仮定した場合、以下のようになります。
時給=24万円÷(8時間×20日)=1500円
残業代=1500円×1.25×1時間=1875円
支払額=1875円×45時間=84375円
仮に給特法の教職調整手当を10%とした場合は以下の通りです。
24万円×0.1=24000円
いかにピントがずれた改善かは明白でしょう。
業務の削減が急務
日本における教員の職務の問題点は、教員免許が必要な教科の指導の割合が少なく、そのほかの雑務が本業を圧迫していることです。
実際、現場教員からも常にその方向での業務削減の要望は強く、業務の切り分けとスリム化は不可避です。
この声を無視して、雀の涙ほどの手当てを支給して、どうして教員不足が改善することがあるのでしょうか。
今回の試案内容は、どうにもお金で解決できるという老人のロジックが見え隠れしていて、問題を先延ばしにするためだけのごまかしにしか見えないのです。
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