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仕込み四号の”ホンネ”

※これは、クラウドファンディングでSAKEをリターンに選んでくださった皆さま向けの投稿(ウラ手紙)です。

今日もホンネを書きます。
<『翔空』 仕込み四号 R304 全麹にごり 自然栽培亀ノ尾>
について、です。

「なんで仕込み参号じゃなくて四号なんだ?」
と思われましたか?
これについては、クラウドファンディング中にご説明してはいましたが、お忘れの方、またはお気づきになれなかった方もいらっしゃると思います。
実は、もちろん当初は参号をお届けする予定でしたが、トラブルにより四号に変更させていただきました。
詳細については是非こちらをご覧ください
→ https://camp-fire.jp/projects/543901/activities/353355#main

いやあ、ほんとに自分自身が驚いたアクシデントでした。
来週も全麹を行うので間違えて蒸米を入れないよう気をつけます。

閑話休題。気分を入れ替えて仕込み四号の話を。

仕込み四号のボトルを見て、壱号や弐号と比べてちょっと濁りが少ないと思われませんでしたか?そうです、四号は漉しているので通常のドブロクと比べると濁りが薄くなっています。

少しおさらいしましょう。
一般的に、蒸米と米麹を主原料にして発酵させ漉したものを日本酒と言います。一方、四号でつくった全麹のお酒は、蒸米を使わず米麹のみを発酵させ漉したものです(漉さなくても良いですが)。
最近、99%麹の日本酒など、”ほぼ”全麹の日本酒というのに人気が出はじめているのですが、”ほぼ”には理由があります。それは、日本酒には蒸米と米麹を使用しなければならないという酒税法上の縛りがあるからです。
しかしLAGOON BREWERYが国内向けに持つ「その他の醸造酒」の免許では、蒸米と米麹を発酵させて漉すことはできないのですが、逆に、米麹だけを発酵させればそれを漉すことができます。そこで、全麹のおいしさをお届けしたく、クラウドファンディングのリターン品に入れさせていただいた次第です。

四号も壱号と同じく自然栽培の亀ノ尾でしたので、やはり吸水歩合は低めでした。ただ、洗米の仕方や浸漬温度の工夫などで多少は改善しました。また、麹室の室温・湿度調整や、種麹の量を増やすなどしたことで、麹の出来も改善されました。

麹の出来が改善されたためでしょう、モロミの進行も緩和され、味の出方も変わったと思います。ちなみに壱号は進行が早かったのですが、それは初めての仕込みだったので発酵がうまく進むか心配だったこともあり、ちょっとモロミ温度高めで入ったことが原因のひとつだと考えられます。四号はそれまでの経験を得ているので少し自信を持って温度低めで仕込めたので、そのこともモロミの進行が緩和された大きな理由かと思います。

しかし・・・全麹は大変です。
通常の酒づくりでは、仕込む米の総量の2〜3割程度だけを麹にすればいいのですが、全麹はその名の通りすべて麹で仕込むので、ただでさえ2日かかる製麹の作業量が単純に3〜5倍になるわけですから、その大変さをご想像いただけると思います。
そもそもマイクロ酒蔵なうえに、麹室も極狭ですから、麹室の中は足の踏み場もないくらいに米だらけ麹だらけとなります。暑い・狭い・多いの三重苦です。

そんな全麹仕込みですから、もうイヤだ!と音を上げそうにもなりますが、しかし漉せるヨロコビが僕らに鞭打ってくれました。なんとか仕込みを終え、発酵期間を経て、漉せた時の幸福感はありません。

なお、今回リターン品としてお届けした仕込み四号はザルで漉した濁り酒になっていますが、しっかり搾って透き通ったSAKEにすることもできます。今後はそうしたSAKEもリリースしていきますので、別途楽しみにお待ちください!

ということで、今日はR304のホンネについて書きました。
3日連続のホンネ投稿もいったん最後となりますが、成長過程を見守っていただくためにも、今後もまたこうして書いていければと思っています。

最後に今日もお知らせです・・・。
裏ラベルにも記載しましたが、Instagramで「#翔空R304」と検索していただくと、このSAKEの製造の様子をご覧いただけるようにしています。あまり投稿数は多くないですが、ぜひご覧ください(動画は”トップ”ではなく”リール”にいることがあります)。
そして進化のために、皆さんからも「#翔空R304」をつけてこのSAKEの感想などをシェアいただけたらうれしいです!
どうぞよろしくお願いします!
https://www.instagram.com/lagoon_brewery/

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