京都建仁寺からの京懐石料理
京都にある東山建仁寺は鎌倉時代に創建された臨済宗建仁寺派の大本山であり京都最古の禅寺です。
明治に入り廃仏毀釈の影響により境内敷地が半分になりましたが、それでも多くの塔頭寺院を抱えた大寺院です。
今回は夕方の時間に到着したので建仁寺の一番の見どころである本坊・小書院・大書院・法堂を訪ねました。
■いきなり国宝（の複製）俵屋宗達風神雷神図
祇園の花見小路通りを歩いて北門から建仁寺に入ります。
建仁寺敷地内は立ち入り禁止地域以外はどこを歩くのも自由ですが、時間も限られていることもあり本坊に入ります。
建仁寺本坊を入ると、我が国で最も有名な絵画のひとつともいわれる風神雷神図屏風が私たちを迎えてくれます。
作者は江戸時代に活躍した絵師である俵屋宗達で、風神雷神図のほかに源氏物語関谷及澪標図、蓮池水禽図の計３つの作品が国宝に指定されています。
この作品には多くの特異な技法が使われており、その一つが「たらし込み」と呼ばれる技法です。
この技法により風神・雷神が雲の上にふわりと浮いた感じを見事に表現しています。
■たらし込み：最初に塗った絵の具が乾く前により水分の多い絵の具をたらし込んでにじみを作る技法
建仁寺には精巧に再現されたデジタル複製画が展示されており、本物は京都国立博物館に寄託されています。
博物館などで開催される特別展で時々本物が展示されることがあるので機会があれば本物を見に行きたいこところです。
■禅宗ならでは二つの庭園
方丈庭園〇△□乃庭。井戸が四角、樹木の根元が丸、そして白砂の一角が三角に少し盛り上がっています。
この単純な三つの図形は、禅宗の四大思想である地水水風を象徴したものとされています。
本坊庭園潮音庭は、中央に三尊石、その東には坐禅石、周りにモミジを配した禅宗庭園です。
大書院、小書院、回廊に囲まれどの角度からも庭を見ることができます。
■大書院・小書院でアートに触れる
建仁寺には桃山時代の画家である海北友松が描いた「雲龍図」や「花鳥図」（ともに重要文化財）などのほか多くの絵画があります。
今回大書院の襖を飾っていたのは元内閣総理大臣細川護熙氏の手による瀟湘八景図です。
隣りの部屋の床の間にはこれも細川護熙氏が描いた達磨絵が飾られていました。
■方丈庭園を見て何を思うか
関ヶ原の戦いで西軍に属し破れた毛利氏の外交僧である安国寺恵瓊は、天正年間（1573-1592年）に方丈や仏殿を移築し建仁寺の復興を図ります。
その方丈からは、作庭家加藤熊吉が昭和初期に作定した方丈の庭園「大雄苑」や方丈の門、そしてその向こうにある法堂を望むことができます。
時には日常を忘れ、枯山水式の美しい庭園を眺めて物思いにふけるのもよいのではないでしょうか。
渡り廊下で下足用のスリッパに履き替えて法堂に移動します。
法堂は1765年（明和2年）上棟の禅宗様仏殿建築。天井には2002年（平成14年）に創建800年を記念して描かれた双龍図があります。
この絵を描いた日本画家故小泉淳作氏は生前鎌倉に居住し、北鎌倉の建長寺法堂の雲龍図や奈良東大寺本坊の襖絵を描いたことでも知られています。
■東山建仁寺
所在地：京都市東山区大和大路通四条下る小松町
拝観時間：午前10時～午後4時30分受付終了（午後5時閉門）
拝観料：一般 600円 中高生 300円 小学生 200円 ※小学生未満無料
■たまには優雅に京懐石料理
普段食事にはほとんど頓着しませんが、たまには優雅に京懐石料理を食べるのもよいでしょう。
友人から教えてもらったお勧めの店でこの日1日の締めとしました。
■最後に
京都日帰りの旅、締めくくりは建仁寺へ。
鎌倉幕府の2代将軍源頼家が寺域を寄進し、鎌倉壽福寺と同じく栄西禅師を開山とし、天井絵はこれも鎌倉建長寺と同じく鎌倉に居を構えた小泉淳作氏の作品と、鎌倉とは縁の深い寺院です。
庭園や襖絵などで禅の精神に触れ、多くのアートを鑑賞するにはもってこいの寺院であり、希望すれば坐禅を体験することもできます。
初めて食べる京懐石の優しい味にすっかりゆったりとした気持ちになったのも束の間、乗車時間が近づく新幹線に乗るために店から京都駅へはタクシー利用で移動しました。
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ありがとうございます！ホッピーを買おうと思います。