アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り！【第３夜】＜イベントレポ＞

こんにちは！　ライターの三橋です。

今回は、2020年9月11日20時～22時に開催された「アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り！【第３夜】」（７話～９話）の様子をお伝えします！

2020年7月9日から放映が始まったアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』を、原作者の渡航さん、『俺ガイル』ファンを自認するアニメ芸人の天津向さん、そして豪華ゲスト声優さんとともに振り返っていくこのシリーズイベント。

第３夜のゲストは由比ヶ浜結衣役の東山奈央さん。

人一倍作品を読み込んでおり、渡先生も圧倒されてしまうくらい現場での質問も多いという東山さん。イベント当日も、数えきれないほど多くの付箋が貼られた原作小説と台本をもって登場されました。

今回は、そんな研究熱心な東山さんだからこその気づきや、東山さんに負けじといつにも増して熱いトークを披露してくれた渡先生の製作秘話がたっぷりつまったイベントの様子をお伝えしていきます！

第７話： 「結衣も変わるときが来たんです」

久しぶりに話した雪乃に対し、「私のこと、避けてた？」と結衣が迫るシーンにどきっとさせられる第７話。

今までの結衣はつねに言葉を選んで発言している印象が強かったため、東山さんはこの核心をつくようなセリフをどのように受け止めて、口にしたらいいのか迷っていたのだとか。しかし、ディレクターさんの「結衣も変わる時が来たんです」とのアドバイスに背中を押され、結衣として初めて覚悟を決めてまっすぐに伝えるという演技をしたのだそうです。

台本に書かれた内容をそのまま演じるのではなく、「この人はそんなことを言うだろうか？」まで考えて演技をしていると知り、東山さんの演技に対する真剣さを感じました。

第８話：信頼感抜群の安定のアドリブ力

1期・2期と比較して特にアドリブが多いという第３期。第８話で、八幡と海老名が話している間に小さく聞こえている結衣と三浦の会話は、ほぼすべてアドリブなのだそうです。

特にこのシーンは、アドリブの合間に指定されたタイミングでセリフも入れこまなければならない難しいシーン。
そんななかで、次のセリフへと自然につながるようぴったりとアドリブを終わらせた三浦優美子役・井上麻里奈さんの見事な話術に、東山さん含む現場のメンバーからは思わず拍手が巻き起こったのだとか。

アドリブは役者さんたちに全部お任せ、という渡先生からの信頼もうなずける、納得のプロ意識を感じたエピソードでした。

第９話：ガハママはかわいいだけじゃない

渡先生の第９話イチオシシーンは、ガハママ（※結衣の母親）が八幡と結衣に食べものに結びつく思い出の話をするシーン。

普段はただかわいらしくふんわりとした雰囲気のガハママですが、このシーンでは「優しく綺麗な言葉だけど、思い出は必ずしもポジティブなものばかりではないという示唆を含んでいることを言っているところがすごくいい」と渡さん。

「このシーンで出てくる『苦い思い出』の話は、前のシーンに出てくる結衣の『苦いのも全部ほしい』というモノローグのセリフにかかっているんです」と原作者ならではの裏話も教えてくださいました。

東山奈央全力トーク！　時間内に収めます！

振り返りのあとは、東山さんがクジで引いた制限時間に合わせて語るミニコーナー「東山奈央全力トーク！　時間内に収めます！」が実施されました。

向さん（以下、向）：「アフレコ裏話」いきましょう。
東山さん（以下、東山）：（クジを引いて）ええ～！　10秒！？
向：ここはばしっとまとめちゃってください。さあ、それでは、スタート！
東山：え、10秒、10秒でしょ？アフレコ裏話、なんだろうなあ。どんなエピソードがいいかなあ。色々あるけど……10秒でしょ？　えっとね～、じゃあね、えっと～……茶渡さんが……。

向：はい、終了～！
東山：え～っ！
渡：残念ながら「茶渡さんが」って聞くとあんまり気にはならないかな！（笑）
向：いやいや、まさかそんな！（笑）　でも残念。またどこかでね、お聞きしたいと思います。
東山：向さんまで！　いやいや、語らせてほしいなあ……。茶渡さんの話、聞いてほしいな……。
向：まあまあ、いいでしょう（笑）
東山：ほんとですか！　あの、私アフレコの時に一番端っこのマイクを使っているんですけど、そうすると部屋の端の方にある椅子に座っている人に近くなるんですね。で、多分４話の最後の東山三重奏の時に、ちょうどその辺りに茶渡さんが座ってて、茶渡さんの「ふすふす」する音が聞こえて。
向：ふすふす？
東山：多分すっごい涙を我慢してくださってて、鼻の気道が細くなっちゃってる感じで。（マイクに鼻を近づけて）ふす～ふす～。
渡：今何のチェックしてたの？
向：そういう音がしてたってことですよね（笑）
東山：そう！この音がセリフ言っている間ずっと聞こえていて、「あ、茶渡さん涙我慢してくれてるんだな……ふすふすしてるな……」って思いながら、やってました（笑）

渡：それはクレームってことでいいのかな？　「お前、息の根止めとけよ！」みたいな。
向：いや、息の根止めたら死んじゃうから。
東山：いやいや（笑）　私、自分の思い入れ強くなり過ぎちゃうと、かんだり声が震えたり、私の気持ちがはさまっちゃうことがあるんですよ。だけど、その「ふすふす」が聞こえたことで、ちょっと冷静になれて、ちょうどいい俯瞰の目線で集中して結衣を演じることができて。
向：なるほど。じゃあ茶渡さんが一役買っていたというか、茶渡さんがいたからあの演技があった……それは言いすぎじゃないですか！？
東山：テストの時はさすがにちょっと笑っちゃいましたけど。
渡：笑ってたんかい！
東山：でも、本番の時は丁度よかったです（笑）

『俺ガイル』の話になると熱くなってしまい、予定時間をオーバーしてしまいがちという東山さん。この他のテーマもほぼすべて用意された時間におさまりきらず、結局「不正オーケーです(笑)」と言われながら語り続ける姿に、『俺ガイル』への強い愛を感じました。

小学館カルチャーライブ！限定　Q&Aコーナー

最後は小学館カルチャーライブ！限定のQ&Aコーナー。事前に寄せられた参加者からの質問に、東山さん・渡さんが答えてくれました。

Q
お二人は結衣のどんなところが好きですか。

A
渡：僕はやっぱりそうですね……結衣ちゃんは結衣ちゃんでめんどくさいってところがいいとこだな、って思ってます。雪乃ってめんどくささを隠すことがまずないんですよ。だからほんとめんどくさいな、って思うんですけど。

東山：（笑）
渡：結衣は「私は私でめんどくさいんだよな」っていう自覚をもっていて、でもいろはほど「いや、めんどくさくていいじゃないですか」とはならなくて、そこが逆にいうと一番めんどくさくて。
向：なるほどなるほど。
渡：雪乃やいろははまだ対処の方法が存在していて、お互いそれぞれ一番心地いいっていう空気感が存在してるんですね。でも結衣って、自分でその空気感を作ろうと頑張ってしまうので、何が一番いいのかが分かりにくい。まあでもそれはそれで色々探っていけるので、結衣の一番楽しいところだなと思ってます。
東山：実はめんどくさいんですね。
渡：いやいやいや、めんどくさいでしょ。
東山：えーっ。私はそこまでめんどくさいって思ってませんでした。演じてるからかな。
向：面白い話ですね。聞いてみないと分かんないっていう。東山さんも思ってなかった部分ですもんね。
東山：数年後、立ち返った時に「あ、意外と全然違う見え方した」って時もあるんですけど、現状はあんまり結衣めんどくさいって思ってなくて。なんか、私としては結衣はケンカした時に一番話しやすいかなって思ったんです。
渡：ケンカした時でいうと、多分俺は結衣が一番対処法がわからない。
東山：え～！そうなんですか！？
渡：雪乃とかって、「ま～たキレてるわ」っていう感じじゃん。あと、いろはが怒ってる時は「絶対殺す」って言うじゃん。
向・東山：（笑）
渡：でも結衣は「いや、大丈夫」っていった時に「本当に大丈夫かどうかがわからねえ！」っていう感じがあって。

東山：そっかあ。私はね、逆にほんとにこじれた時に結衣はちゃんと話をしてくれそうな気がしたんですよ。多分大爆発しないタイプだと思うんです。「大丈夫、女子あるあるだから～」みたいな感じで流してくれて。で、中爆発くらいの時は雪乃に避けられてた時みたいに「ちょっといいかな」って、ケンカ腰にもならず聞いてくれそうな気がして、いいなあって。そういう素直だけど、頑固なところもあるっていうのが、結衣の好きなところかなあって思いますね。

この他にも「結衣を演じていて難しかったところは？」、「ガハママは何歳？」など様々な質問に答えてくれたお二人。なかなか聞くことのない裏話や製作秘話にチャット欄も盛り上がっていました。

イベントの様子は以上です！
キャストさんのなかでも特に『俺ガイル』が大好きな東山さんだからこそのキャラクターの見方や、セリフの裏に隠された想いを聞けた第3夜。

第４夜以降も、豪華声優陣をゲストに迎え、出演者ならではの裏話や想いを語っていただきながら『俺ガイル』最終章を振り返っていきます。
小学館カルチャーライブ！限定トークや豪華プレゼントの抽選もあるので、『俺ガイル』ファンのみなさんはお見逃しなく！

（「キャストサイン入りアニメ台本」が当たるかも！！）

カルチャーライブ！今後のお知らせ

＜アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り！【第４夜】＞
●日時：9月30日（水）20:00～22:00
●受講料：2500円＋税
●詳細・お申し込みはこちら
比企谷八幡役の江口拓也さんと一緒に、アニメを見ながら作品を振り返ります！

＜アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』をみんなで見て振り返り！【第５夜】＞
●日時：10月1日（木）20:00～22:00
●受講料：2500円＋税
●詳細・お申し込みはこちら
雪ノ下雪乃役の早見沙織さんと一緒に、アニメを見ながら作品を振り返ります！
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みなさまのご受講をお待ちしております。
最後に、渡 航さん、東山 奈央さん、天津 向さん、参加してくださったみなさま、このレポートを読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました！！

撮影・編集／小川利奈子　文／三橋七緒
2020.9.29 作成