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TRメニュー:ヴォルフスブルクのシーン分析から

ヴォルフスブルクvsブレーメンの試合におけるワンシーンをピックアップし、シーンのような状況を改善・向上させるための方法論をトレーニングメニューとして置き換えて考案してみる。

プレーシーン

シーン①

ヴォルフス1改

右CB(図のA)から中央CB(図のB)へ。Bが右ボランチ(図のC)に配球(黒矢印)するが、Bは身体が完全に右方向に向いていてボディシェイプが悪い状態。逆サイドを見ずに配球しているため左サイドで数的優位を活かせる状況を逃している。

シーン①における修正点やプレーオプションとしては、BのCBは体を中央に開いて視野を広く確保した状態で受け、図の赤矢印のように
オプション1:敵からの距離がCのボランチよりも離れている左のボランチを使う。そこから左のウィングバックがフリーで進入可能なスペースに配球。
オプション2:Bがややワイドにポジションを取る。呼応して左のCBが大外のレーンへ移動。Bが横幅を取ることで一時的に2vs1もしくは3vs1の数的優位の状況をつくることができる
オプション3:Bから直接斜めのパスを左のウィングバックに入れる


シーン②

ヴォルフス2

Bからのパスを受けたCはAへバックパス。

シーン②のプレーオプション
相手の中盤に生まれている段差を利用して赤矢印のように右ウィングバック(図のD)のスペースへ配球


シーン③

ヴォルフス3

AはDの足下にパス。
相手DFとの間合いを考えるとDはもう少し高い位置にポジションを取り、ラインを越えるパスを要求した方が効果的だった。

シーン③のプレーオプション
Dは対峙しているDFの高さまでポジションを移動するか、DFの後方のスペースにパスを要求しプレスラインを越える


シーン④

ヴォルフス4

足下でパスを受け、DFのプレスラインを越えられなかったためにプレッシャーを受ける。同時にパスコースも限定されて苦し紛れの配球はインターセプトされてボールを失う


上記のシーン(状況)をモデルとしたトレーニング
テーマ:3バックでのビルドアップ

・構造的トレーニング
3ゴール 7+2vs.7+2 (3バック、2WB、2ボランチ)

ヴォルフス5

【オーガナイズ】
フィールドを縦に5分割。中央レーン(図の黄色ラインのエリア)は横に2つ線を引く(赤の点線は緑チーム用の、青の点線は白チーム用の線)。中央にミニゴール、両サイドにドリブルゴールを設置。
それぞれのチームの攻撃方向に2名ずつのサーバー。サーバーは2タッチアンダーでハーフレーンの幅でのみプレーOK。
ボランチの選手は中央レーンおよびハーフレーンでプレー(大外レーンはNG)。
中央レーンでのみ、横線よりも後方からはゴールにシュートしてはいけない(緑チームは赤線より後方からのシュートは認めない。白チームは青線より後方のシュートはNG)。

ヴォルフス6

【キーポイント】
・3バックがバランスを見ながら両ハーフレーンを上手く活用する
・ハーフレーンからの斜めのアクション(パス、シュート等)
※ハーフレーンからのアクションを求めるためにハーフレーン内にはシュートエリアの制限を設けない

【バリエーション】
中央レーンとハーフレーンは2、3タッチアンダー。大外はフリー。



・状況再現性(シチュエーション)トレーニング
7+GKvs.6

ヴォルフス7

【オーガナイズ】
攻撃側(緑)は3-4のシステムにGKで8人。白は3-3システム
5つのレーンに区切り、上の両角は図のように台形型に切り落とす。
中央にミニゴール、両サイドにドリブルゴールを設置。赤いパイロンの高さを両チームのWBのスタートポジションに設定し、緑チームの3バックのスタートポジションは各レーン内とする。
GKから3バックの選手に配球してスタート。最初のパスの後はレーンに関係なくポジションを変えてOK。
白チームはボール奪取後、GKのいる通常ゴールに攻撃。

【キーポイント】
・3バックがバランスを見ながら両ハーフレーンを上手く活用する
・ハーフレーン、大外レーンで数的優位を作り活用する
・横幅を効果的に使う
・相手の守備のラインを越えるプレー(パス、ドリブル)

ヴォルフス8

【バリエーション】
7+GKvs.7でフィールドプレーヤーは数的同数。白は2-3-2システム

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